電磁パルス(EMP、Electro Magnetic Pulse)攻撃は超高空で核爆発を起こし、強力な電磁パルスを発生させ、情報システムやセンサーなど電子機器を一時的または恒久的に無力化する。

 北朝鮮が攻撃手法の一つとして言及したことで一般にその名前が広がった。主要大国は電磁パルス攻撃の研究や開発をしているとされる。防衛省は2018年度予算案で弾頭のEMP放射部の試作および防護技術の検討費を計上している。

 電磁パルス攻撃を公言する国家が隣にいる以上、実際にその技術を持っているかどうかはともかく日本も個別の企業も対応策を考える必要が本来ある。攻撃を受けた際の被害が甚大だからである。

 とはいえ問題はあまりに大きく、企業が総出で連携すべき案件と言える。リスクマネジメントの支援を手がけるプロジェクトプロの峯本展夫代表取締役は「国内における緊急時の対応とは別にグローバルなバックアップ機能を共同で用意することが有効ではないか」と指摘する。

 日本から遠く離れた同盟国に代替用の電子機器を用意しておき、非常時には切り替える。企業が個々にバックアップ機能を持つことはコストを考えると難しいが、共同機構を作れば新ビジネスとして成立するかもしれない。

 バックアップ機能は自然災害の対応にも役立つ。情報システムの領域ではバックアップセンターの用意が当然とされ、大手金融機関は自前のセンターを用意してきたが、コストの兼ね合いからバックアップ機能の軽量化が進んでいた。電磁パルス攻撃の懸念はバックアップ機能について再考を迫る。