IoTの発展などにより、様々なデータが取得できるようになっている。収集したデータを基にして経営に活かす、すなわちデータドリブン経営はこれからの企業の生き残りのためには欠かせず、このためビッグデータをどう処理するかは今後は一層重要になる。中国においては、第13次五カ年計画期間にビッグデータ産業が急速に立ち上がり、産業規模が2020年には1兆元の規模に達した。これからも、この産業は急速に拡大し、2025年には3兆元を突破するという。第14次五カ年計画期間に、中国ビッグデータ産業はどのような情勢に直面するのか。(日経BP 総合研究所)

 現在、データが重要な生産要素になっている。工業・情報化部(省)がこのほど「第14次五カ年計画ビッグデータ産業発展計画」を発表した。それによると、2025年には、ビッグデータ産業の試算規模は3兆元(1元は約17.9円)を突破し、複合年間成長率は25%前後を維持し、イノベーション力が強く、付加価値が高く、独自コントロールが可能な近代化されたビッグデータ産業システムをほぼ構築するという。第14次五カ年計画期間に、中国ビッグデータ産業はどのような情勢に直面するか。ビッグデータ産業の質の高い発展を推進するにはどうすればよいか。「光明日報」が伝えた。

ビッグデータ産業の規模が1兆元突破

 ビッグデータ産業はデータの生成、収集、保存、加工、分析、サービスを主業務とする戦略的新興産業で、データ要素のポテンシャルを活性化する重要な支えとなるもので、経済社会の発展の質の変革、効率の変革、原動力の変革を加速する重要なエンジンとなるものだ。

 同部情報技術発展司の謝少鋒司長は、「ビッグデータ産業はデータ資源の構築、ビッグデータのソフトウェア・ハードウェア製品の開発・販売・リース業務、関連の情報技術(IT)サービスを含んでおり、ビッグデータ産業はデータのライフサイクル全体を貫いているものだと言える。典型的な企業には主に2つのタイプがあり、ビッグデータの技術、製品、サービスを提供する企業と、ビッグデータを利用してエンパワーメントをする企業だ」と述べた。

 謝氏は、「第13次五カ年計画期間に、中国のビッグデータ産業は急速に立ち上がった。計算によれば、産業規模の複合年間成長率は30%を超え、2020年は1兆元の規模に達し、産業は発展して著しい成果を上げ、徐々に中国経済社会の発展を支える優位性ある産業になった。ビッグデータ産業の政策体系も徐々に整い、産業の基礎が日に日に堅固になり、産業チェーンがほぼ形成され、生態システムが最適化を続けている」と続けた。

 これと同時に、中国のビッグデータ産業には依然として一部の制約要因も存在している。謝氏は、「現在、社会全体ではビッグデータに対する認識はばらばらの状態で、かなりの割合の企業、機関、人が『データにものを言わせ、データで方針決定、データによる管理、データによるイノベーション』というビッグデータの発想を持たず、データの価値が十分に発揮されていない。ビッグデータ産業の発展は際だった人材不足にも直面している。ビッグデータの技術を備えた人材が不足し、複合型の人材はさらに不足しており、産業の発展プロセスを大幅に制約している」と指摘した。

集積イノベーションとユビキタス・エンパワーメントの段階へ

 同司の江明濤副司長は、「現在、新たな科学技術革命と産業変革が加速的に進展し、世界はデジタル経済の時代に入り、ビッグデータ産業は新たな発展チャンスを迎えたが、同時に国際産業の競争構造が大幅に調整され、技術倫理、データセキュリティなどのリスクが増大して、いずれも中国ビッグデータ産業の発展にとって大きな挑戦になっていることを冷静に判断しなければならない」との見方を示した。

 江氏は、「世界の構造の変化を見ると、ビッグデータの発展は新時代の産業変革における新たなチャンスをつかむための戦略的な選択肢になる。現在のグローバル経済の構造を見ると、再編が加速し、発展の不確実性が目に見えて増大し、ビッグデータ技術産業、国境を越えたデータの流動、データのガバナンスなど各方面をめぐる国際競争が日に日に激しくなっている。世界各国は軒並みビッグデータ産業の発展を重要な戦略ととらえ、この産業の発展における優位性を獲得しようとしている」と続けた。

 また江氏は、「技術発展の流れを見ると、ビッグデータ産業は集積イノベーションとユビキタス・エンパワーメントという新たな段階に入りつつある。ビッグデータ、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、ブロックチェーンなどの新技術との融合が加速し、ビッグデータ技術の枠組み、製品の形態、サービスモデルの転換が加速している。ビッグデータが各業界、各分野に深く浸透し、ビッグデータに基づく管理モデルと方針決定モデルが日に日に成熟するのを後押しし、各業界、各分野のデジタル化モデル転換プロセスを加速した。このほか中国国内の現実的なニーズを踏まえると、ビッグデータ産業の質の高い発展を推進することは、新たな発展構造を構築する上での現実的なニーズでもある」と述べた。

データ要素の価値発揮が方向性に

 第14次五カ年計画期間は中国が工業経済からデジタル経済へと前進する重要な段階で、ビッグデータ産業の発展に新たな要求が突きつけられている。謝氏は、「同計画を制定した目的は、中国ビッグデータ産業の質の高い発展を推進することにある」との見方を示した。

 謝氏は、「同計画は第14次五カ年計画期間にビッグデータ産業の発展推進の全体構想を明確にしており、データ要素の価値発揮を方向性とし、『価値の誘導、基礎の先行、システマティックな推進、融合イノベーション、安全な発展、開放的な協力』との原則を踏まえ、産業発展の基礎を突き固めることをめぐって、データ資源の質の高さ、技術イノベーションのレベルの高さ、インフラの効率の高さを推進するために努力するとしている。また安定した高効率の産業チェーンを構築することをめぐって、産業の供給能力と業界のエンパワーメントの効果を高め、発展と安全を統一的に計画し、独自のコントロール可能な開放協力の産業生態圏を構築するよう努力するとしている」と説明した。

 また謝氏は、「同計画はデータ要素市場の構築を加速し、ビッグデータの特性と優位性を発揮し、産業発展の基礎を突き固め、安定した高効率の産業チェーンを構築し、繁栄した秩序ある産業生態圏を作り出すなど6つの面の重点任務を提起し、データのガバナンス能力の向上、重点標準の研究制定及び応用の推進拡大、工業ビッグデータの価値向上、産業のビッグデータ開発利用など6つの特定行動を設定した。同計画はビッグデータ産業の質の高い発展を保障する措置を推進することを明確にした。(1)データに関する思考の向上(2)推進メカニズムの整備(3)技術供給の強化(4)資金面における支援の強化(5)人材育成の加速(6)国際協力の推進」と述べた。(出所:人民網日本語版)