リアル開発会議 2018 Winter Vol.11

この号の目次 Vol.11
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「リアル開発会議」は、仮想新興企業

 スタートアップ企業への投資が最近、花盛りだ。スタートアップであれば、業界や社内事業のしがらみなく、まっさらな状態からビジネスを構築できるからだ。撤退も容易であるため、失敗のリスクの高いテーマを追求できる。既にビジネスの基盤を作り上げた企業にとっては、社内の開発部門で進めるよりも、スタートアップに投資した方が、しがらみのない開発ができる。

 「リアル開発会議」は、スタートアップ企業が持つこの特性を、既存企業の連携で実現しようとするものだ。会社の外に開発会議の場を用意。ここで、さまざまな企業から集まった開発者が、しがらみのない、リスクの高いテーマについての事業開発を共同で取り組む。

 実はこの形態は、スタートアップ投資よりも、ビジネスの成功確率が高い。既に、ビジネス上の知見や、長年培ってきた技術を持つ企業の開発者が集まって創るからだ。この形態をリアル開発会議ではフィールドアライアンスと呼んでいる。

 ただ、実現性が見えないリスクの高いテーマを、異業種で議論し、ビジネスを創るのは容易ではない。そこで、テーマを生み出し、そのテーマが本当にビジネスになり得るのかを多業種のグループで多角的に研究するのが、「ビズラボ」である。ビズラボでは、開発の鉄人こと多喜義彦氏が提言した新事業・新商品のアイデアを基にして参加者が自らのアイデアを付加しながらブラッシュアップし、新しいビジネスプランを創り上げていく。このビジネスプランが優れていれば、リアル開発会議のテーマとして大々的に募集する。

 募集は、本冊子『リアル開発会議』を中心に、ビジネスパーソンが数多く読んでいる日経BP社のメールマガジンなどで実施する。こうして集まった企業で、本気で、リアルな、開発会議を始めるのだ。開発会議が進行すると、知的財産やノウハウ、コンテンツも創出される。リアル開発会議では、参加者がそれらを整理して企画書として残す。これが、新事業・新商品開発に役立つ次の糧となる。

今回募集の新テーマは3つ

 11号目となるリアル開発会議2018冬号では、新たに3テーマを募集する。

 「自己完結水素インフラ」(開発No.031)は、再生可能エネルギーと水を電気分解してできる水素とを活用し、自己完結型のエネルギーインフラをビジネス化しようというもの。既にある技術を徹底的に活用し、持続可能なビジネスを考えるのが、今回の肝だ。

 「古民家ルネッサンス」(開発No.032)は、日本全国で朽ち果てていこうとしている古民家を、オフィスや工場で働き神経をすり減らしている人たちに、癒やしを与える場として提供しようというプロジェクトである。

 「空飛ぶトラック」(開発No.033)では、その名の通り、空を使って大重量の物を運ぶ機械を製造し、これを使ったビジネスを考える。

 前号の冊子(リアル開発会議2018夏号Vol.10)で募集した「宇宙専門学校」(開発No.029)では、各社からのフィードバックの結果、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などの協力を得て、2019年2~3月に「宇宙ビズラボ」を開催することとした。優れたビジネスプランが出来上がれば、リアル開発会議やJAXAと民間企業の共創支援プラットフォーム「J-SPARC」での事業化などを検討する。

 「新領域スポーツ」(開発No.030)では、パラアイスホッケーの地上版「ローラースレッジホッケー」の器具やルール、および競技のビジネス化を進めることを決定し、事業説明会を2019年2月に実施する。

 在宅患者の生活全般を支援する「リモートケア」(開発No.027)についても、2019年2月に事業説明会を実施する。

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