第3期開講
新規事業に悩める会社員よ、ここに集え!
事業開発アーティスト養成講座黒塾』

[2020年9月開講]

日程
2020年9月9日(水)、9月16日(水)、9月30日(水)、10月14日(水)、10月28日(水)、11月11日(水)

新型コロナウイルスの影響を考慮し、開催を中止することになりました。次回の日程が決まりましたら再度告知いたします。

会場システム・インテグレーション 会議室(東京・半蔵門)
〒102-0082 東京都千代田区一番町23番地3 千代田一番町ビル 3階
(東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」4、5番出口より徒歩1分)
受講料:33万円(税込み)
定員:12名

 事業開発アーティストを養成する『青黒塾』の第2期が9月に終了しました。2018年に開催した第1期のメンバーに劣らず個性的な6人が卒業しました。犬を活用した高齢者コミュニティーや起業した人のメンタルをケアするサービス、オフを最大限活用してオンに備えるためのサポートなどユニークな事業アイデアが発表されました。青い志だけでなく、しっかりと腹黒い心で、今後、事業化に向けて歩んでくれるでしょう。

 「事業を始めたい」と思ったことが、ありませんか。そんな思いをただの思い付きで終わらせずに、具体的にターゲット顧客や提供する価値、仕掛けや普及のシナリオなどを考え、その事業の柱となる経営理念の設定や戦略を練るのが青黒塾です。

 新規事業開発は甘いものではありません。とはいえ、始めなければ何も生まれません。数多くの新規事業の立ち上げを見ていると、最初の想定通りに成功するものはほとんどありません。むしろ早めに失敗して、その失敗から学んで、方向転換した人が成功するケースが多く見られます。とにかく早く始めるのが重要ですが、社内の障壁を突破するのに時間と労力をかけている人がとても多いのが現実です。少しでも早く上司からOKをもらってスタートすることが何より成功への近道です。そのためのノウハウを学べるのが青黒塾です。

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 2020年9月に開講する3期も、第1期、第2期と同じ志事創業社代表の臼井清氏が講師を務めます。全6回のコースで、前半3回で青い志を事業に落とし込む作業を行い、後半3回でそれを腹黒く実現するためのノウハウを学びます。ゲスト講師も招聘し、ご自身の経験から学んだ新規事業開発のコツを伝授していただきます。参加メンバー同士で意見を交換し、お互いの事業をブラッシュアップします。各回の間には、サポーターが電話をかけて、背中を押したり、相談に乗ったりします。プレゼンテーションの様子をビデオで撮影し、自分で見ることがプレゼンテーションの上達には効果的です。それぞれの個性に合った効果的なプレゼンテーションが身に付けられます。

 「青黒塾」は昨年度から始めた取り組みで、「事業開発アーティスト」を養成するための寺子屋的なビジネスパーソンのための講座である。新規事業開発に悩める会社員を主な対象として、「青い」志と感性を鍛え、腹「黒い」振る舞いやロジックを磨こうという内容だ。今年の夏、無事に2期目の塾生6名を世に送り出すことができた。

 この事業開発アーティストなる造語。実はこれまで説明していないことに今になって気がついた。「そんないい加減なことで、よく塾生が集まりましたね」と言われそうだが、この状況こそがある意味では目指すところである。今回は、そのことを“ちゃんと”説明したい。

「分からないこと」とどう向き合うか

 あなたは仕事中に、分からないことや理解できないことに出会ったら、どのような態度を取るだろうか?

 誰かの発言がチンプンカンプンで辟易している場面だったら「私に分かるように説明してくれないか」と文句を言うかもしれない。あるいは、自分に何かを質問してきた人には「ネットではどんなことが書いてある?」と逆に質問して、自分が知らないことをうまくごまかしているかもしれない。仕事で分からないことを、そのままにして受け流すことは、普通はできない。まして後で責任を取らされるかもしれないことであればなおさらだ。「この企画書はまったく理解できないから実行することを認める」と言うような人はいないだろう。

 「何だか分からないけど、いいと思うからこの事業を始めよう」という感性だけで事業開発を始めてしまうのが事業開発アーティストだ。しかし、こんなことは通らないのが普通だ。そんな事業開発アーティストという人材を養成するといっても、そこに魅力を感じる人はよほどの変人なのだ。「事業開発アーティストになるメリットを分かるように説明しろ」と言うのが常識的な反応だ。

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「好奇心」は生きる力

 2018年にNHKが放映した『人類誕生』という番組で、非常に興味深いエピソードが紹介されていた。

 我々の祖先の人類(ホモサピエンス種)は、一度絶滅の危機に瀕したことがある。氷河期のことだ。食べ物が地上で見つけにくくなり、地球全体の人口が1万人以下に激減した。その時、人類はこれまで一度も食べたことのなかった貝類(海洋生物)を食べることによって生き延びたという。現代人は、ホモサピエンス種の中でも、この未知なるものに挑戦して生き残った、選りすぐりの好奇心旺盛な人の子孫ということになるそうだ。我々の遺伝子のばらつきが人口の割に少ないのも、これを裏付ける証拠という。つまり、好奇心によって生き延びた祖先のDNAを、我々は受け継いでいる。

 私たちは、本来なら未知なるものにとても前向きな特質を持っているということになる。確かに、「海の向こうには何があるのだろう」という好奇心を抑えられずに大航海時代がやってきたし、「なぜリンゴは落ちるのだろう」という疑問から物理の法則を導き出したりしてきた。分からないことを分かるようにすることで人類は発展してきたと、歴史学者だったら言うだろう。

 別の表現をすれば、好奇心の発動は自身の生存を左右することに対して極めて敏感だということにもなる。このままでは命が危ういとなったら、未知なるものへのアプローチを積極的に試みるが、安寧に暮らしているのであれば、未知なるものとの接触を避けたほうがいいことを我々は感覚的に知っている。

 暗闇が怖いのは、暗いことにではなく、そこに何が潜んでいるか分からない怖さなのだ。そこに自分に害を及ぼす何かがいるかもしれないのだから。

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「分からないことだらけ」の世の中に

 ビジネスシーン、特に事業開発にとって、昨今の世の中は大変悩ましい状態になっている。俗にいうVUCA(ブーカ)時代だ。

「Volatility(変動制)」
「Uncertainty(不確実性)」
「Complexity(複雑性)」
「Ambiguity(曖昧性)」

の頭文字をつなげた言葉だが、平たく言えば「先が読めない、分からない時代」ということ。今までのパターンが通用しないし、調査を重ねても傾向がつかめない時代だ。そもそも解決策を提示できるような問いが立てられない。

 先日お会いした、某大手メーカーの方は、保有技術を使った、新しいビジネスを具体化するプロジェクトチームに所属しているのだが、「出てくるアイデアがどこかで見たような内容で新しい感じがしない。ユニークで斬新なアイデアがどうすれば出るのか模索している」と話していた。

 自分達のやり方に限界があることは十分に理解しているが、その先に進む道が分からない。暗闇に光を当てて、隠れているモノの正体を知りたいのだ。

アーティストの視点

 最近、アーティストの方とご一緒する機会が増えてきて、好奇心の発動の仕方が通常のビジネスパーソンとアーティストの間でかなり異なっていると感じている。未知なるものに出会うと、どうしても正体を暴きたくなるビジネスパーソンに対して、アーティストは自分がどう受け止めているかを表現したくなるのだ。分からないことを先ずはそのまま受け入れ、その本質を探ってみたいという衝動のようなものがアーティストにはある。「暗闇に潜んでいる何か」より「暗闇そのもの」に関心があるのだ。

 だから、現代アーティストの作品は一般の人には分からないものが多い()。その分からないという状態の本質を表現しようとして作成されたものだからだ。

注記:アート作品で郷愁を誘うような“懐かしい”作品も多い。これはクラシカルな作品(印象派も100年以上前の話)で、既に我々現代人の中で評価の定まった「既知」であるものを観ているせいだ。現代に作られたアートにもこうした「懐かしい」テーマ、意図で作られたものもある。)

アーティストのスタイルを事業開発に活かす

 アーティストは、未知なるものを丸ごと受け入れて、作品という成果物に仕立て上げる。ビジネスパーソンがVUCA時代で新規事業開発に頭を悩ませているのなら、このアーティストのスタイルを真似ることはできないだろうか。事業開発アーティストという発想は、こんな問いから生まれてきた。

 アーティストのような感性は、天賦の才として自分には縁のないものと思っている方もいると思うが、思い出して欲しい。我々には好奇心というDNAがご先祖様からしっかりと受け継がれている。同じ感性は備わっているのだ。私たちの誰もが意識さえあれば、アーティストのスタイルを真似て実践できる。ポイントは未知なるものへのアプローチ方法の幅を広げることだ。

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アーティストの4つのステップ

 青黒塾では、アーティストのスタイルを4つのステップとして体感してもらっている。

1.アンラーニング 「常識」を外す
2.リフレーミング 「見方」を変える
3.ディファイニング 「意味」づける
4.プロトタイピング 「作品」を創る

 前半の2ステップが主に「青」編で、後半の2ステップが「黒」編と捉えてもらうと良いだろう。4つのステップを簡単に紹介しておこう。

1.「常識」を外す

 自分が、普段どういう視点、価値観で世の中と向き合っているかを知ることが最初のステップだ。自分の常識を知らない限り、それを外す事はできないし、また、他人の常識を理解して受け入れることも難しい。当たり前と思っていたことが、いとも簡単に崩れていくようなちょっとした体験や、非常識なアプローチでの事業開発事例に触れたりすることで、自分の常識に向き合う時間をつくる。自分の考え方の癖や特徴を掴むうちに、常識を形作る様々な要素について理解を深めていく。

2.「見方」を変える

 自分の常識に気づき、どこからそれが生まれてくるのかの理解が深まったところで、今度は要素を変化させてみる。未知なるものにあえて変換するステップだ。例えば、ケーススタディーとして実際に商品企画を立ててみて、そのメリット、デメリットとして捉えていたものを逆転させて考えたり、ロールプレイングで別の立場として状況を見てみたりする。そこでの驚き、不可解さを、これまで得られなかった事業開発のヒントとして使えるようにしていく。

3.「意味」づける

 「自分はこう感じた!」「こういう見方をした!」という思いだけでは、残念ながらビジネスにはならない。そこに、何らかの価値を別の誰かに認識してもらう必要がある。これが意味づけのステップだ。「それいいね!」と言ってもらえる考え方や見方が提示できるかが重要だ。これまでの、常識を大きく変える意味づけができれば、新市場として期待できる。ステップ2までのヒントから事業企画のアイデアを興してみることを行ってみる。

4.「作品」を創る

 どんなに優れた才能を持っていても、作品を制作して提示しなければアーティストにはなれない。アイデアは、必ず形にすることが必要だ。このステップでの大事な目的は、フィードバックを得るために作品を創るということだ。自分の提示した意味づけが、意図通り表現され、相手に伝わっているのか、価値としてどのように受け取られているのか、いないのか、を知ることで、また自分の常識が試される。塾生同士やゲストの方々と、ざっくばらんに、時には場所を変えて歯に衣着せぬやり取りを続けることで、各人の表現力と企画そのものが磨かれる。

「分からない」を楽しむ

 4つのステップを体感しながら、塾生たちは事業開発アーティストの素養を身につけていく。素養とは、分かりたいという好奇心を持ちながら、分からないこと自体に恐れも不安も持たずに、むしろ楽しみながら事業開発に取り組めることだ。

 卒業の際に、塾生に青黒塾を一言で表現してもらった。

「日常から外れ、自分の『やりたい』に向き合う鍛錬の場」
「人生の振り返り」
「内面からの本当の事業開発」
「特に青い方で学びがあったので『青塾+α 』でどうですか」

 どうだろう。これで、事業開発アーティストを養成する青黒塾の魅力が、充分に伝わったのではないだろうか。少なくとも、分からないという方こそ、大歓迎であることは分かっていただけたのではないだろうか。

臼井 清 志事創業社代表

臼井 清 志事創業社 代表

1984年に諏訪精工舎(現・セイコーエプソン)に入社。大阪を振り出しに台湾や英国、ドイツでマーケティングと人材資源管理(HRM)を中心に経験を積む。2014年に「人生を豊かにするチャレンジ」を応援するコンサルティング会社「志事創業社」を設立。各種研修/セミナーのプロデュース、ファシリテーション、顧客開拓マーケティング、企画・運営などを手掛ける。

※ コラム 青黒の志 2018 Summer はこちら

※ コラム 青黒の志 2018 Winter はこちら

※ コラム 青黒の志 2019 Summer はこちら

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