【本号の予言】
トヨタ自動車とパナソニックは
10年以内に合体する!?

「プリウス」は、トヨタ自動車が1997年から製造・販売を開始した世界初のハイブリッド車である。そして、数年後、私はひらめいた。「トヨタとパナソニックは一緒になるに違いない。いや、絶対になる!」と。その後、ことあるごとに、周囲にそう話してきた。
まずは住宅部門
あれから十数年。私が予言した通りの報道があった。住宅部門ではあるが、トヨタとパナソニックが一緒になるというのである。
当時、私がトヨタの偉い人と飲んでいた時のこと。「今、外部からの電力を一切使わず、太陽光発電と風力、そしてプリウスの電池を電源とした住宅で、社員が普通に暮らす実験をしているのです」と聞いたのである。
その時に、私は直感的に確信した。そうか、トヨタとパナソニックには「電気」という共通項がある。自動車の電池もパナソニックが供給するのだろうし、住宅で使う電気製品はパナソニックがトップ。そのつながりの先に、間違いなく、両者の事業は統合し、やがて合体することになるだろうと。
ハイブリッド車は発電機
プリウスは大容量の電池を持ち、ここに、エンジンを回して発電したエネルギーやブレーキの回生エネルギーを蓄積する機構を持つ。つまり、プリウスというクルマは言い換えれば「自走する発電機」。外出して家に戻って住宅につなげる「プラグアウト」の実証・実験を、その時から始めていたというわけだ。
今回の報道は住宅部門。その報道によれば、両社には創業当時から社員により良い住宅を提供したいという、創業者の想いがあったと書かれていた。しかし、その記事を透かして読めば、私には本体も合体するとしか思えなかったのである。
確かに、それは社員に寄せる共通の想いであったろう。しかし、プリウスを住宅につなげたその瞬間から、家電メーカーと自動車メーカーがつながったのである。
合体は必然
あらためて予言しよう。トヨタとパナソニックは一緒になる。それも、10年以内にだ。
ハイブリッド車もEVも自動運転になる時代。それは、搭乗する人がクルマという箱の中でゆっくりくつろぎ、移動しながら働くということだ。クルマが限りなく住宅化し、住宅とクルマ、いずれの電源もクルマが賄う時代。そうなった時、トヨタとパナソニックが別々に存在することに意味はない。
両社が合体するのは必然である。そう考えるのは私だけであろうか。
(多喜義彦=システム・インテグレーション)
[リアルな大予言とはリアル開発会議スタッフが日々の活動の中で確信した未来像を無責任に予言するコーナーです]
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