プロジェクト活動報告
(2018年1月~5月)

ひと目で分かる開発テーマの進捗

ひと目で分かる開発テーマの進捗

 2017年12月に発行した『リアル開発会議 2017冬』(以下、前号)では、「食の遊園地」(開発No.026)、「リモートケア」(開発No.027)、「スペースインデックス」(開発No028)を募集した。

在宅療養者に楽しい食を

 食の遊園地は、安全で健康でありながらも、豊かで多彩、そしてサステナブルな食文化づくりを行うプロジェクトである。2018年3月20日に開催した説明会には、レストラン経営者や食品会社、調理師学校、広告代理店、印刷会社など19人が集結。本コンセプトに基づく食の未来について議論した。

 この議論を受ける形で、同年5月に「第1回 事業検討会」を開催した。この場では、事務局側から「リアル食の遊園地プロジェクト(通称:おいしく、たのしく、だれとでも(OTD)プロジェクト)」を提案した。OTDというコンセプトに共感する人々にライフスタイルを提案する共創コミュニティーを創造するというのがその骨子だ。とはいえ、ある程度顧客層を絞り込まないと、事業は先に進まない。そこで事務局から、在宅療養者をターゲットに事業化していく方針を示した。今後は、本気の事業者たちとOTDプロジェクトについてのリアル開発会議を進めていく計画だ。

リモートケア、秋に事業化へ

 リモートケアは、在宅療養者向けに遠隔からさまざまなサービスを提供するプロジェクトだ。遠隔医療はもちろんのこと、食事や心理相談、ホームセキュリティー、タクシー、金融サービスなど、在宅療養者とその家族に役立つ、あらゆるサービスを提供することを狙う。

 2018年2月21日に開催した説明会には、医師や医療法人、ITベンダー、ケータリング事業者、冷凍食品会社など、30人が参加した。その場で、事務局側からリモートケアに関する標準化や広報を行う、リモートケアセンターの設立を提案。がん患者の心のケアを行う団体「がん哲学外来」との連携を検討していることも明らかにした。

 がん哲学外来と連携することで、自宅療養者の中でも、特に切実なニーズがある人に対するサービスに取り組める。ただ、事業立ち上げには資金がかかることから、現在、複数の企業と議論している段階だ。2018年秋には資金面でのメドが付き、リモートケア事業が一気に進むもようである。

3次元空間の取引を議論

 スペースインデックスの説明会は、2018年4月16日に開催した。これは、3次元の空間の台帳と、この3次元空間を時間的に売買できる仕組みを構築しようというプロジェクトである。説明会には、建設会社や地図会社、カメラメーカー、通信機器メーカー、広告会社が参加した。ここで交わされた意見を参考に現在、事業スキームの検討段階にある。

地をはうロボット、実地で試験

 『リアル開発会議 2017夏』で募集したプロジェクトも大きく進展している。

 「100kg可搬ドローン」(開発No.021)は前号で既報の通り、山の上から“お宝の木”とも呼ぶべき、高価で取引される木のみを麓に下ろすというテーマで開発を進めている。

100kg可搬ドローンプロジェクトにおいて、地上走行ロボットの実地試験を行った山の様子
100kg可搬ドローンプロジェクトにおいて、地上走行ロボットの実地試験を行った山の様子

 リアル開発会議では、この方針に沿って山から木を下ろす手法を検討した。その結果、空からではなく、地上をはって山から木を下ろすロボットで進めることとした。この要素技術を検討しているうちに偶然、あるロボットの開発企業を見つけ、協力を仰いだ。

 そして2018年6月、静岡県浜松市天竜区水窪町で、このロボットの実地試験を行った。目的は、このロボットが山でも使えるのかを見ることだ。現場の確保は、天竜区に本拠を持つ材木業の榊原商店と、水窪町森林組合に協力してもらった。

 試験の結果、ロボットの活用について手ごたえは得られた一方で、解決すべき課題も多数見つかった。今後はこの課題を解決するため協力企業で知恵を出し合いながら、山の現場向けのロボット開発を進めていく計画である。

リアル解体ラボ、第1弾レポート完成

 電動車両をいろんな企業と一緒に分解・分析するプロジェクト「リアル解体ラボ」(開発No.023)は、2018年1月に日産自動車の新型リーフの大まかな部品の分解を完了した。この結果をレポートとしてまとめ、『日産自動車「リーフ」徹底分解 2018[全体編]』として同年3月に発売した。

 現在はパートナー企業とともに、ECU(電子制御ユニット)、モーター、知財などを分析中である。この結果も順次、レポートとして販売していく計画である。リーフに続く車両については議論中だ。

 このほか、「非接触給電の用途拡大プロジェクト」(開発No.018)、「スーパー非焼成セラミックス」(開発No.025)など、他のプロジェクトも水面下で開発が進行中だ。進展は追って報告する。(中道 理)

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