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Re-Innovate Japan 4月12日実施 幹事社座談会レポート

ニューノーマル時代に事業活動を止めずに成長を続けるためには、デジタルを活用して業務を見直し、社員や顧客、取引先とのコミュニケーションの形を見直す必要がある。「コミュニケーション改革 成功の秘訣を徹底議論」と題する座談会では、日経BP総合研究所 イノベーションICTラボ 上席研究員 大和田 尚孝の司会により、コミュニケーション改革の実情とデジタル技術に精通したAvePoint Japanの塩光氏、ソフトクリエイトの関口氏、ピーエスシーの福田氏、日本マイクロソフトの野中氏が議論を交わした。

なぜ今コミュニケーション改革が必要なのか

日本マイクロソフト株式会社
パートナー事業本部
パートナー営業本部
業務執行役員統括本部長
野中 智史 氏

なぜ今コミュニケーション改革が必要なのか。この議題について「今必要なのではなく、常に改革が必要」「パンデミックでリモートワークの必要性が高まっている」という意見が出された。そこから示されたポイントは次の4つ。「企業は対面・オンラインの環境を整え、個人はコミュニケーションスキルを磨く」「プラットフォームやネットワークなどの進化した技術を活用する」「時空を超えてスピーディに対話できる非対面のメリットとデメリットを知る」「これまでの対面ではないリモートのコミュニケーションの中身を追求して環境を整備する」などが挙げられた。

AvePointなどグローバルでビジネスを展開している企業は、コロナ禍以前からリモートワークを進めてきた。また日本マイクロソフトも、働き方改革が一般的になる前からさまざまな取り組みを行っている。コロナ以後には一方、ピーエスシーでは「リモートワークなどで取りにくくなるコミュニケーションを維持向上する為、経営層・部門の垣根を超えたチャットコミュニケーションを行い、ずれなく情報共有する為に文字に加えて図や動画の利用を積極的に取り入れています」と福田氏は話す。また、ソフトクリエイトでは Teams などのコミュニケーションツールが増えたことで「時間と場所を問わないDXの風土が定着してきたことを、ポジティブに捉えています」と関口氏は話している。

AvePoint Japan株式会社
代表取締役
塩光 献 氏

リモートでのコミュニケーションスキルを社員1人ひとりが上げていく必要があるという課題に対して、塩光氏は「対面よりもアジェンダや会議体の設計をしっかりと行うなど、基本的なことがより必要になります」と指摘する。また福田氏は「言葉だけでなく、画面共有で図などを示すことも重要です。チーム内だけで通用する言葉を使うのではなく、誰でも分かりやすい言葉を使う必要もあります」と話す。

関口氏は「試行の中でスキルが上がり、会議のクオリティが上がっていると感じるが、それらを可視化していくことがモチベーションにつながります」と述べる。野中氏は会議に出ていないメンバーとも議題の共有がしやすくなるなど、コミュニケーションの質が変わってきているとし「その中で、複数のツールを使って質を上げるガイドラインはあまりなく、やりながら質を上げているのではないでしょうか。対面とは異なる中でルールを決め、工夫しながら、効率を上げ、改革しているのだと思います」と話している。

コロナ禍の中で広がった新しい形をうまく活用して、時空を超えて意思疎通ができるメリットを活かし、企業がDX推進とインフラ整備を進める一方で、個々人がコミュニケーションスキルを上げ、それらを可視化して情報共有につなげていく必要がある。

成功事例や各社の取り組みからコミュニケーション改革を探る

株式会社ピーエスシー
Cloud Apps事業部
執行役員
部長
福田 勝巳 氏

座談会は続いて「成功事例に見る、改革の成果とインパクト」というテーマに移る。

福田氏はヘルプデスクを電話からチャットボットに変え、問い合わせた人が自己解決できるように図り、解決できない場合はチャットベースで効率的に対応できるようにした金融業の事例を挙げる。この事例では対象業務を絞って段階的に導入し、Teams とSaaSを組み合わせることにより短期間で実装できている。また効果としては、電話からチャットボットに変えることで約50%の問い合わせが削減できたという。

塩光氏は自社の取り組みを紹介する。AvePointではリモートワークを整備してコミュニケーションが加速した一方、ノイズも多くなっていた。そこで、そのコミュニケーションがどの領域で何の用途なのかをタグ付けし、社員の意識を高めることでノイズを抑えたという。また塩光氏は、コミュニケーションには共通言語だけでなく、共通のネタ(データ)が必要だと話し、Dynamics 365 や Project Online のデータを会議のネタとするために社内BIチームを作り、Power BIで会議のネタをリアルタイムに更新する仕組みを作ったと説明する。さらに、会議の後にメモだけが残るのではなく、Microsoft Planner、Power Platform、Project Online などを使って会議のアウトプットが共通認識となるようにしているという。塩光氏は「これによってリモートワークの環境を整備できただけでなく、同じ方向に進めるようなタスク管理ができるようになりました」と話している。

株式会社ソフトクリエイト
事業戦略本部
ソリューション統括部
統括部長
関口 直利 氏

関口氏も社内での成果について話す。ソフトクリエイトではリモートワークになってから会議のクオリティが大きく上がってきており、オンライン会議に対する社員の認識も高まってきているという。特にルールは作ってはいないが、コロナ禍が続き、オンライン会議が繰り返される中で個々の社員が考え、工夫することでクオリティに向上が見られた。また部署ごとに自由な話ができる朝礼を行うことで主体的に参加する空気も生まれ、会議の後に分からないことを1対1のチャットで聞くといったことも行われた。こうして対面での立ち話などのコミュニケーションも補完できていると関口氏は説明する。

オンラインで会議の効率も上がり、録画で情報共有もできるようになったと話す野中氏は、テーマをしっかり決めて会議することは重要だが、その一方で雑談の中からアイデアが生まれる機会もなくなることがデメリットで、改良する余地があると話す。移動時間もなく、効率的に会議を行えるようになった一方、連続して会議しなければならないスケジュールにもなりやすい。そのためクリエイティブな時間や自分の時間も考え、健康的に生産性を上げられるようにしなければならない。そのことも野中氏は指摘している。

コミュニケーションを活性化させて改革を行っていくためには、様々な工夫を重ねながら個々が成長することが必要となってくるようだ。

座談会メンバーに聞く勝利の方程式

日経BP総合研究所
イノベーションICTラボ 上席研究員
大和田 尚孝

座談会の最後のテーマは「こうすれば成功する、勝利の方程式とは」というものだ。コミュニケーション改革を成功させる勘所やアプローチを探っていく。

「改革の際には、コミュニケーションの加速を妨げるブロッカーを顕在化させる必要があります」と話す塩光氏は、社風によって様々なブロッカーがあり、それらを無くして、優先すべきビジネス課題を積極的に話すカルチャーを作っていく必要があると説明する。

今も昔もコミュニケーションの重要性は大きい。「ビジネス課題に向けてコミュニケーションすることは変わっていません」と話す関口氏は「否定しない」「決め手を押し付けない」という2つが成功のポイントだと説明する。出社/在宅のどちらにするかを従業員自らが決め、従業員自身の権利と義務を、従業員と経営層の双方が考える。押し付けや否定を行わずに自立していけるようにしなければ、コミュニケーションの活性化にはつながらないのだという。

福田氏は、より多くの情報を正しく伝える手法を確立すること、最新の技術やクラウドサービスを活用すること、小さな成功を素早く積み上げていくことの3つを成功の秘訣として挙げる。1つ目は、相手の目線で言葉を選び、図や画像を積極的に利用し共通認識を持ちやすいコミュニケーションを行う。2つ目は、Teams などのチャットベースのコミュニケーションで活動の経緯なども可視化するなど、最新のプラットフォームを活用していくこと、最後に、まず小さな範囲に対してスピード感を持って改革にトライし、柔軟性を維持し修正を加えてくことが重要だと福田氏は説明する。

「重要なのは、自分事にして、自分だったらどうするかを考えるようにすることです」と野中氏は話す。最新のツールを使って新しいチャレンジをすることは重要だが、受け身でツールを使うのではなく、自分で考え効果的に使っていく必要がある。またコミュニケーションは一方通行ではないので、相手の話を聞くことにも意識を持たなければならないと野中氏は続ける。

これらの勝利の方程式について各氏が討論する中で、塩光氏は、コミュニケーション改革は社風改革で、リーダーが受け入れる体制を持っていないと、多様な働き方、多様なコミュニケーション、多様な世代に対応できないと強調する。「コミュニケーションは文化だということを受け入れ、リーダーのエゴを押し付けないようにし、率先してコミュニケーションの仕方を見せていかなければなりません」。その後も、それぞれの勝利の方程式について深堀するように、討論は進んでいった。

全体を通して司会を務めてきた日経BP総合研究所の大和田尚孝は、最後に「コミュニケーション改革を成功させるためのヒントが少しずつ見えてきたと思います。コロナ禍の問題は今後も続くとみられ、この危機を変革のチャンスに変えることが重要と考えます。本日の座談会が、コミュニケーション課題に悩む企業やIT担当者、経営者のお役に立てば幸いです」と話し、まとめた。

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