世界水素ビジネス 全体動向編/無料セミナー | 日経BP 総合研究所 世界水素ビジネス 全体動向編/無料セミナー | 日経BP 総合研究所

世界水素ビジネス 全体動向編/無料セミナー | 日経BP 総合研究所

 国の政策によって、NEDOなどを活用した育成策によって、「供給側(水素を利活用するための)」の技術は出来てきた。ここまで、日本は供給側技術の研究・開発においては世界をリードしていると言えるだろう。国の支援で、技術は実用域までは完成させることが出来る。ここからが問題である。「欧米に追い付け」の時代は、あるレベルの製品を作ることが出来れば、クルマやテレビ、カメラなどの製品の様に欧米製を置き換えることによって需要はあった。特に政策はなくても産業は立ち上がり、国内で消費が立ち上がり、GDPが増えた。競争力がついた製品は輸出に回った。

 一方で、水素の技術を産業として立ち上げるためには、置き換えという発想では先に進まない。今こそ需要を創出する必要があるだろう。菅首相が「2050年にカーボンゼロ」を宣言したことで、需要側の意識は変わってきた。目標が明確になって来た。例えば、需要側の代表企業であるセブン-イレブン・ジャパンは、現在、全国の2万店舗の物流に対して6,000台の小型トラックを運用している。国の目標ではこれを2035年までに電動化していく必要がある。配送用小型トラックは24時間のフル稼働が必要なため、充電が必要なBEVは答えにならない。FCEV化が避けて通れないと言われている。

 現在、水素の技術は「実証」レベルにあり、「量産」レベルにはない。ほとんど手作りのような状況なので、コストが高くて当然である。セブン-イレブンはトヨタ自動車と共同で2台のFCトラックを使った実証実験を始めている。折角、栃木県藤岡町に作った水素ステーションも、近隣にはここにしかない。トラックを「動かす」ことは出来たけど、6,000台の置き換えに繋げる「運用」の実証には程遠い状況にある。水素ステーションは、毎年、2週間、メンテナンスや検査のためにサービスを止めなければならない。最低でも2か所の水素ステーションを、連携させなければ本格的な運用の実証は出来ない。

 一方、水素ステーションの増設には困難さが指摘されている。2020年、METIロードマップの水素ステーション設置目標は160ヵ所。これに対して実績は162ヵ所となる見込みで、供給側は約束を守った。一方で、需要側のクルマの台数は、目標の4万台に対して、実績は0.5万台と遠く及ばない。2025年、2030年の水素ステーションの設置目標に対して、クルマ・メーカーの想定出荷台数は大きく乖離していく見通しである。このような状況で、水素ステーションを作った供給側はやる気を見失いつつある。

項目 単位 FCEV FCフォーク
リフト
FCバス FCトーイング
トラクター
FC小型トラック
水素消費量 kg/年・台 86 800 3,850 2,0000 2,040
Nm3/年・台 963 8,960 43,120 22,400 22,848
必要台数 916 98 20 39 39
ユーザー 一般家庭、
事務所
空港、市場、
倉庫、工場
バス事業者 空港、自衛隊 コンビニ、
外食、宅配便

図1●産業用や商用車両の年間水素消費量
フル稼働に必要な台数は、標準的な300Nm3/時の供給能力がある水素ステーションが70%の稼働率になるために必要な車両の数として計算した。(出所:日経BP 世界水素ビジネス総覧 全体動向編 第1章 水素普及シナリオから、作成は日本環境技研)

 水素ステーションの建設を促進させるためには、採算性が担保されるように、使う量を確保する、需要を束ねることが重要だ(図1)。水素社会を実現するためには、供給側、需要側をセットにして、サプライチェーン全体を一気に立ち上げる必要がある。

 供給側である水素の「製造」と水素の「貯蔵/運搬」の事業は、採算性を取るために一定の「規模」が必要になる。この「規模」の水素を消費するために、需要側にも同等の「規模」が要求される。この採算性が見える規模のサプライチェーンは、一社では立ち上げることが出来ない。これに対して、例えばコンビニ業界では、セブン-イレブンはファミリーマート及びローソンとは既に協議を始めており、この分野では「協力してやっていく」ことに合意しているという。このように規模を確保するための下地は出来始めている。

 そこで、地方自治体や有力企業などをハブのセンターとして、ここに供給側、需要側のプレイヤーを結集し、一定規模のサプライチェーンを立ち上げることが重要だと考える。水素社会は、地産地消モデルが考えやすい。水素を作る、運ぶ/溜める、その水素を使うという行為を、地方自治体や有力企業の主導で一か所にまとめる。カーボンゼロの水素社会を実現するために、今回の無料セミナーでは「水素タイル」という考え方を提唱したい。

プログラム

「世界水素ビジネス」で、街作りの定量シミュレーションを行った古市淳氏(日本環境技研・環境計画部グループマネジャー)と、世界水素ビジネス・編集責任者の山口健(日経BP総合研究所 主席研究員)が対談します。

2050年のカーボンゼロを目指し、水素を使った街作りのハウツーをご紹介します。

アイコン

世界水素ビジネスでは、海外から大量に輸入されるようになる水素を、消費地に運ぶ場合のコストを定置用、クルマ用に分けて詳細に分析しています。

アイコン

このコストを既存の化石燃料ベースのコストと比較、社会に受け入れられるための妥当性を検証しました。

アイコン

上記の結果から、地域の水素ステーションの採算を取るために必要になる商用車(配送に使う小型トラックなど)や公用車(バスやごみ収集車など)の運用方法などを例示します。

アイコン

さらに海外水素を置き換える、地産地消型の再エネで作ったグリーン水素の活用方法「水素タイル」という考え方を提案します。

講師紹介
古市 淳
日本環境技研株式会社 環境計画部 グループマネジャー

古市 淳

不動産ディベロッパーを経て現職。エネルギー・地球温暖化対策のコンサルティングに11年間従事。民間企業が取り組む再エネ・水素・エネマネ等の分野での新事業創出や、国や自治体の計画策定を支援。
地域と工業団地が一体となったスマートコミュニティ事業「F-グリッド」に構想から計画、事業立ち上げ、運営まで一貫して携わった経験を活かして、顧客や地域と伴走して、ともに実現するコンサルティングを展開。
気候変動への対応のため、水素を広く社会に実装していくことを目標に技術開発・実証事業や普及啓発活動に注力している。


山口 健
編集責任者:日経BP総研 クリーンテックラボ 主席研究員

山口 健

民間企業のR&D部門でLSI/イメージセンサーの研究・開発に従事。その後、日経マグロウヒル社(現・日経BP)入社。専門誌編集長、三菱商事との合弁会社の副社長、日経BPコンサルティングの専務取締役、香港、中国に展開した日経BP現地法人の代表を経て、現職。近年は脱炭素・水素社会などのテーマに注力、海外連携も視野に、社会実装に向けた産官学のブリッジ役となるプロジェクトを推進している。

開催概要
セミナー名 Zoomを使ったWeb配信
「世界水素ビジネス 全体動向編/無料セミナー」
~2050年のカーボンゼロを目指し、水素を使った街作りのハウツーを徹底解説~
日時 2021年5月28日(金)11:00~12:00
受講料金 受講料無料
主催 日経BP 総合研究所
備考 参加方法は、サンクスメールにてご案内いたします。
オンラインセミナー参加マニュアルはこちら
■視聴にあたって
1. 日経BPはZoom上では個人情報を収集しません。
2. 動画配信用のURLは再配布禁止です。
3. 動画の録画、キャプチャーは禁止です。またSNSなどへのアップも禁止します。発見した場合は削除要求します。
4. チャットの内容や受講者の個人情報(会社名など)は口外、公開しないでください。
5. 動画/音声に乱れが生じた場合も再送信や返金などには応じません。
6. 動画視聴に関わる技術サポートは提供しません。
7. 異常と思われる接続を見つけた場合、予告なく切断することがあります。

また、ライブ配信当日にアクセスいただくURLと、登録、ログイン方法につきましては、サンクスメールでお知らせいたしますので、ご確認をお願い申し上げます。

【お申し込み注意事項】

このセミナーは、ZoomによるリアルタイムWeb配信にてご提供します。
視聴方法は、お申し込みいただいたメールアドレス宛に、お申し込みの登録完了メールにてご案内いたします。

※お申し込み後のキャンセルはお受けいたしかねます。

※講師企業と競合すると考えられる製品やサービスなどをご提供される会社の方は、主催者の判断に基づき受講をお断りさせていただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。

※講師の急病、天災その他の不可抗力、またはその他やむを得ない理由により、講座を中止する場合があります。あらかじめご了承ください。