確実な広がりを見せる水素。
すべての産業で
無視することはできない。

水素は、もはや未来技術ではない【世界水素ビジネス 社会実装編】

「2050年にカーボンニュートラル」は
コンセンサスになった

2020年10月、当時の菅義偉首相が「2050年までにCO₂排出を実質ゼロ」と宣言。米国もバイデン大統領の就任によって方針が明確になり、先進主要国は「2050年カーボンニュートラル」の目標を共有することになった。これを受けて各国が打ち出す戦略や施策はもちろん重要だが、企業も企業ごとに、一斉に「わが社のカーボンニュートラル戦略」を立案する必要性に迫られている。

カーボンニュートラルは、これから爆発的に増える再生可能エネルギーを使った発電の不安定性を吸収し、化石燃料用途のすべてを代替出来る、水素抜きには考えられない。

発電部門から見ると、天然ガスを置き換えて水素を使って発電することになる。燃料電池は水素の利用を拡大する上での最重要技術の一つであり、分散型の発電用途をはじめ、特に電動化では対応が困難な用途に向けて輸送部門にも大きく広がる。また水素は、電化による脱炭素化が困難な原料利用や熱需要等の脱炭素化をも可能にする。カーボンニュートラルへ向けた切り札だといえる。

水素はもはや未来技術ではない。本書は全体を6章で構成し、需要を作りながら利用を拡大、社会実装を進める水素の「いま」を取りまとめた。

WORLD HYDROGEN ENERGY BUSINESS

今知っておくべき、水素が社会実装日するための6要素!

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01水素を社会実装するために、
どこから手を付ければ良いのかがわかる

まず、再エネ電力の導入拡大でクローズアップされる水素の重要性を解説した。第6 次エネルギー基本計画(案)で再エネ拡大が示される中、安定な電力系統を維持するための広域エネルギーシステムの観点と、地産地消型で消費する地域エネルギーシステムの観点の両方から、「水素を利用することが必須」であることがわかっている。
次に、水素を社会実装するために、どこから手を付けるのかのヒントをまとめた。まずモビリティを中心にした水素社会の実現に向けて、水素実装法の定量イメージを示した。
並行に、定置型FC(燃料電池)の普及イメージを定量化した。例えばRE100(Renewable Energy 100%。事業活動で消費するエネルギーを100%再エネ調達することを⽬標とする)を宣言した企業は、独自の対応を迫られている。こうした企業に向けて、いま直ぐ使える製造業の脱炭素化に向けた現実解として、千代田化工建設とパナソニックが協力して提案している水素の供給と利用を一体化したソリューションを取り上げた。
地域にあるRE100工場は、再エネ由来のCO2フリー水素の活用に道筋を付けるキープレイヤーとなる可能性がある。工場が作る製品の利用者側の動きも激しい。例えば米Appleに代表されるように、グローバル企業の中には自社はもちろんサプライヤーに対しても再エネ100%を要求する企業が出てきた。取り引きをしたければ否が応でも再エネ100%に取り組む必要がある、というのが今の製造業が置かれている状況だ。一般に工場には大小の物流トラックをはじめ、荷役機械等が集中して稼働しており、RE100企業及びそのサプライチェーンの関連工場においては、先行的に「定置型FC+FCモビリティ」の導入が進む可能性が高い。
水素の社会実装はこのような「点」から始まり、「線」、「面」となって全土に広がる。日本では、「利用側」を重視した社会実装プロジェクトが相次ぐ。動きは急だ。欧・米・豪、中国、韓国も、社会実装を目指す水素プロジェクトを相次ぎ立ち上げている。

経済性を高めるために水素需要を集める

FCモビリティの効率的な導入拡大にあたっては、全国一斉に広くまんべんなく導入するのではなく、地域の水素供給拠点を中心とした、選択と集中による導入を提唱したい。経済産業省資源エネルギー庁の「FCV・水素ステーション事業の現状について(2021年3月)」によれば、水素ステーションの供給実績は2019年の平均で4t/年・カ所だったという。一方、水素ステーションの供給能力を300Nm₃/hとして、「営業時間12時間×稼働率70%」で計算すると、水素の供給能力は79t/年・カ所となる。水素ステーションの経済性を高めるためには、水素の需要を集める必要がある(出所:日本環境技研)

広く展開するイメージ→ポテンシャルが高いエリアへの集中→水素需要を集めるイメージ
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02世界各国で、水素の商用化を
目指すプロジェクトが一斉稼働

日本では、需要側に重点を置いた社会実装プロジェクトが相次いで動き出す。こうしたプロジェクトを20件ピックアップ、再生可能エネルギーの利用度合いと、水素生産や利用の分散性(集中型~個別・分散型)に注目して整理した。
欧州では、EU(欧州連合)が主導して、脱炭素戦略の策定と水素プロジェクトを推進している。EUが重視しているのが、再生可能エネルギーからCO2フリーのグリーン水素を製造するP2G(Power to Gas)プロジェクトである。トラックや船舶などの大型モビリティ分野、鉄鋼や化学産業などCO2排出量が多い産業では水素利用の動きが活発で、段階的にグリーン水素に切り替えて脱炭素化を進める。米国はパリ協定に復帰、グリーン水素の低コスト化、利用拡大に取り組む。DOE(米エネルギー省)は2021年6月、クリーンエネルギー導入プログラム「Energy Earthshots Initiative」を創設した。10年以内にグリーン水素のコストを80%削減し、1㎏当たり1ドルにすることを目指している。
一方、豪州や中東産油国はグリーン水素を輸出産業に育てる。豪州の「国家水素戦略」では、2025年までに実証を進め、2025年以降に大規模な市場創出を狙う2つのフェーズに分けて進めるとしている。輸出先としては日本に大きく期待している。中東産油国は、例えばオマーンが2021年5月、大規模な再エネ・グリーン水素製造計画を発表した。25GWの太陽光・風力発電を建設したうえで、年間数百万tのグリーン水素を製造する計画である。サウジアラビアでも紅海沿岸で建設が進む大規模スマートシティプロジェクト「NEOM」の一環として、グリーン水素生産の巨大プロジェクトが計画されている。
中国では商用車を中心に燃料電池車(FCEV)の普及拡大を図る。従来のFCEV購入への補助金をなくし、水素・燃料電池を普及させるモデル都市への補助金投入へと、舵を切った。中国各地でFCEVプロジェクトが無計画に増えることを回避し、水素エネルギーと燃料電池産業の先進地域への集約を図る。韓国も積極的に水素産業を育成している。政府目標は2040年に水素車・燃料電池車で世界シェア1位、水素経済で年間43兆ウォンの付加価値、42万人の新規雇用の創出――を達成することである。

欧州における水素ロジェクトのスキーム

EUや各国政府は補助金を支給してセクターカップリングを実証し、カーボンニュートラルや低炭素化の政策実現および経済活性化・雇用拡大の実現へ。企業は、低コスト化や付加価値向上を通じてビジネスモデルを開発する(出所:日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

欧州における水素ロジェクトのスキームのイメージ図
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03グローバルに燃料電池の研究開発・多用途展開が活発化

日本は、燃料電池開発のすそ野を広げながら、これを加速するための取り組みに力を入れている。国が推進する「PEFC(固体高分子形燃料電池)評価・解析プラットフォーム」を核とした、「要素技術の研究開発強化」、「多用途展開・供給能力強化」、「FC メーカー等の更なる協力の可能性」の大きく三つの施策をまとめた。
一方、世界の燃料電池開発を先導する主要なプロジェクトと研究機関を解説し、合わせて陸・海・空で進む各国の燃料電池の多用途展開についてまとめた。欧州は欧州燃料電池水素共同実施機構の第2フェーズ(FCH2JU)の研究開発プログラムで、燃料電池の研究開発や実証事業が推進されている。「材料評価+モデリング・検証」による大量生産を見据えた部材・スタックの設計・製造技術の検討等も行われている。車載用だけではなく、鉄道、船舶、航空機などの多用途展開も指向している点が特徴的だ。米国もR&Dを戦略的に行っている。車載用PEFCに関しては、白金の使用量低減が大きなテーマとなっており、コアシェル触媒や非白金触媒の開発が推進されている。中国は燃料電池の研究開発を加速することを表明しており、基礎研究(FC主要材料・部材の研究開発)、応用技術研究(スタックの性能向上、FCシステムの高出力・高耐久化、車両統合システムプラットフォーム開発)を推進している。韓国も燃料電池の部材の国産化や大量生産技術を中心にR&D事業を加速している。目標は2025年にFCEVを年間10万台生産し、価格を現在の約半分(3000万ウォン、約270万円)とすることである。

海外主要国の代表的な研究機関

欧州では材料研究からスタック・システム評価、関連する計測・モデリングまで幅広く研究を行っている機関が多い。米国はDOE傘下の複数の国立研究機関が燃料電池R&Dを主導している。中国では、中国科学院大連化学物理研究所における研究の歴史が⾧い(出所:各種情報を基にみずほリサーチ&テクノロジーズ)

海外主要国の代表的な研究機関のイメージ図
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04モビリティ向け燃料電池市場で
活躍するプレイヤーを網羅!

モビリティ向け燃料電池の市場立ち上げのシナリオが急激に変化してきた。乗用車優先のシナリオから、トラックやバスなど商用車を先行的に立ち上げ、水素ステーションなどFCEV(燃料電池車)の利用環境の整備を急ぐシナリオへと移行している。例えばトヨタ自動車は、自社で開発したPEFC(固体高分子形燃料電池)関連技術をベースに、市場のプレイヤーや関連部品のサプライヤーを育成し、応用市場の拡大やエコシステムの整備を推し進めている。特に、中国企業との商用車領域での連携の活発さが目立つ。さらに、モビリティ向けの主流となっているPEFCに焦点を当て、ここに使う部品・材料の技術トレンドと、部品・材料メーカーの動向をまとめている。
さらに、FCEV開発の先行事例として、トヨタが2020年12月にフルモデルチェンジした新型「MIRAI」を実現した技術をまとめた。トヨタの電動化と燃料電池開発に関する考え方、新型MIRAI のFC システム、新型MIRAI の開発を支えた解析技術などを解説している。本格的な普及を視野に入れ、トヨタはFCシステムの生産性の向上に取り組んだ。初代MIRAIと比較して、単位スペース当たりの生産能力は約2.5倍に向上させている。新型MIRAIの事業規模・生産規模は、初代と比べて約10倍になった。このため本来であれば設備投資も10倍になるところ、実質は3倍程度の投資で、10倍の生産規模を実現している。

トヨタが進める、PEFCの開発・生産・応用展開に向けた外部企業との連携

トヨタは、自社で開発したPEFC関連技術をベースに、市場のプレイヤーや関連部品のサプライヤーを育成し、応用市場の拡大やエコシステムの整備を推し進めている。特に、中国企業との商用車領域での連携の活発さが目立つ(出所:日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

トヨタが進める、PEFCの開発・生産・応用展開に向けた外部企業との連携イメージ図
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05定置向け燃料電池市場で
活躍するプレイヤーを網羅!

業務用・産業用FCシステムの市場が拡大する見通しが広がり、これまでSOFC(固体酸化物形燃料電池)に積極的ではなかったメーカーが、優れた技術を持つメーカーと協業する例が目立ってきた。定置向けは、モビリティ向けの主流となっているPEFCを使う企業もあるが、海外市場ではSOFCの活用も活発である。そこで、定置向けに関してはSOFCに焦点を当て、ここに使う部品・材料の技術トレンドと、部品・材料メーカーの動向をまとめている。
定置向けFC開発の先行事例としては、パナソニックが2021年10月に売り出した純水素燃料電池を取り上げた。水素の消費量をFCEVと比較すると、例えば1年間に1万kmを走ったとすると、年間の水素の消費量は約100kgとなる。これに対して、パナソニックの5kWクラスの燃料電池1台を24時間稼働させると、年間の水素の消費量は約2300kgと、FCEVの23倍の水素を消費することになる。その分、火力発電の燃料を減らすことにつながるので、CO2の削減にも大きく寄与できる。この5kWの単体モデルは複数台を連結することが可能で、MWクラスにすれば地域全体を賄うような発電施設も構築できる。同社はこの燃料電池を核に、工場のRE100(再エネ利用100%)を実現するためのソリューションを提案しており、自社内で実証を開始した。

業務用・産業用の定置向けSOFCの開発・生産・応用展開に向けた企業連携

業務用・産業用FCシステムの市場が拡大する見通しが広がり、これまでSOFCに積極的ではなかったメーカーが、優れた技術を持つメーカーと協業する例が目立ってきた。オレンジ色でスミ塗りした部分は、自社ブランドでFCスタック、またはFCシステムを販売している企業(出所:日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

業務用・産業用の定置向けSOFCの開発・生産・応用展開に向けた企業連携イメージ図
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06日本の産官学の枠を超えて英知を
結集する開発プラットフォーム

燃料電池の開発は各国が一斉に強化し始めており、総力戦の様相を呈している。日本の産官学の英知を結集して対抗すべく、オープンイノベーションの動きが加速している。この中心に、燃料電池の性能向上と、応用開発を加速するために取り組む「PEFC(固体高分子形燃料電池)評価・解析プラットフォーム」と呼ばれるプロジェクトがある。技術研究組合FC-Cubicをハブに国内21 機関が集結、機能ごとに5 グループが編成され、動きが活発化している。
このプロジェクトの中で京都大学を中心としたグループが材料からアプリケーションまでのすべてを繋ぐシミュレータの完成を目指している。材料が与えられれば原子・分子レベルからシミュレーションを行い、それが製品としてどのような性能を発揮するのかを計算する。FCの内部で主体となっているのが電極触媒層であり、ここに水素や酸素を供給するガス拡散層、さらに外側にはガスの流路がある。これらの働き、挙動、さらには劣化などの現象を数式で表現し、計算できるようにする(発電性能を予測するマルチスケールシミュレータ)。セルに冷却などのモデルを組み込めばスタックのモデルになる。その周りにあるコンプレッサ、ブロワーなどの補機類を組み合わせれば燃料電池システムのモデルとなる(モデルベースのPEFCシステムシミュレータ)。数値シミュレーションを行うことによって、部品・材料のどこにボトルネックがあるのか、どれだけの改善余地を残しているのか、どの程度改善すればよいのかなどが分かるようになる。
燃料電池のシステムは非常に複雑であるため、その理解の難しさが参入障壁になっている。また、新しい材料を開発した企業は、それを評価するための設備投資が必要になり、これも障壁になっている。これに対して、モデルを提供することで理解を容易にし、シミュレータを提供することで計算するだけで最終製品の性能を評価できるようにする。評価・解析プラットフォームは、燃料電池業界への参入障壁を下げ、多くの研究者や企業が燃料電池の開発に参加できるようになることを目指している。

シミュレーショングループを構成する7機関

東北大学や東京大学の担当分野をナノシミュレーションと呼んでおり、京都大学の担当をマクロシミュレーションと呼んでいる。九州大学のグループはその中間に位置し、メゾスケールのシミュレーション(メゾシミュレーション)と言い分ける。この様に原子、分子を担当するグループ、目に見えるようなギリギリの小さな構造を担当するグループ、酸素は酸素分子の集まりというよりは酸素という集合物だとして扱うマクロなグループという3つを設定することで、原子レベルから実際の実験室のレベルにまで繋いでいる。ここに京大のもう1つのテーマが加わり、実験室レベルから実際の車レベルに持って行くという構成になっている。なお東京工業大学は、触媒層部分の構造を明らかにするための計測を担当している。触媒層を作るプロセスの計測に新しい特殊な計測方法を一部採用しており、その技術を持つ産業技術総合研究所に東工大から再委託されている。京大からは東京農工大学に一部再委託しているが、これは燃料電池セルの外側にある水素を送るポンプなどを組み合わせた全体をシミュレーションする部分である。(出所:第5回FC-Cubicオープンシンポジウム、「長寿命化・高性能化達成のための設計シミュレータの開発」、2021年8月20日)

シミュレーショングループを構成する7機関イメージ図
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世界水素ビジネス 社会実装編

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    有力企業の発掘に役立つ

目次

第0章本書の構成

第1章はじまる水素実装ステージ

1-1.再エネ拡大でクローズアップされる水素

  • 1-1-1第6次エネルギー基本計画で再エネが急速に拡大
  • 1-1-2電力系統の周波数変動を抑える広域エネルギーシステム
  • 1-1-3再エネのインバランス対策に有効な地域エネルギーシステム

1-2.水素都市実現に向けた製造、供給、利用のポテンシャルマップ

  • 1-2-1水素の社会実装のために超えるべき二つの壁
  • 1-2-2FCモビリティに注目した水素実装法の定量イメージ
  • 1-2-3供給側、利用側の水素ポテンシャルの全国マップ
  • 1-2-4地域ポテンシャルを使った都市設計のケーススタディ

1-3.いま直ぐ使える製造業の脱炭素化に向けた現実解

  • 1-3-1「千代田化工×パナソニック」による供給・利用の一体型ソリューション
  • 1-3-2千代田化工:MCH使う輸送・貯蔵技術で分散型利用向け供給網を構築
  • 1-3-3パナソニック:水素燃料電池を活用したRE100工場向けソリューション

第2章グローバルビジネスマップ

2-1.社会実装プロジェクトの動向(日本編)

  • 2-1-1需要側に重点を置いた社会実装プロジェクトが相次いで動き出す
  • 2-1-2集中型の水素実証プロジェクト例:火力発電所や港湾、P2Gを中心に展開
  • 2-1-3分散型の水素実証プロジェクト例:コージェネ、モビリティなど多様に展開

2-2.社会実装プロジェクトの動向(欧米豪・中東編)

  • 2-2-1欧州水素プロジェクト:各国で施策・ロードマップ作り進む
  • 2-2-2米国水素プロジェクト:再エネの余剰問題に歯止めをかける
  • 2-2-3豪州・中東水素プロジェクト:産業育成に本腰を入れる

2-3.社会実装プロジェクトの動向(中国編)

  • 2-3-1先進地域への集約を目指す水素エネルギー産業
  • 2-3-2北京:冬季オリンピックを契機に京津冀水素産業エコシステムを構築
  • 2-3-3上海:完成車の牽引で長江デルタ地域のFCEV産業トップを目指す
  • 2-3-4山東:「水素が万戸へ」技術実証プロジェクトの唯一のモデル地域
  • 2-3-5佛山:中国水素産業の推進・パイロット運用の先行地域
  • 2-3-6蘇州:張家港と常熟の2つの中核地をベースに産業育成を目論む
  • 2-3-7武漢:中部における水素と燃料電池の産業中核地
  • 2-3-8燃料電池システム分野の大手企業15社の概要

2-4.社会実装プロジェクトの動向(韓国編)

  • 2-4-1韓国の水素政策は3本柱で動いている
  • 2-4-2蔚山市:水素グリーンモビリティ規制自由特区指定
  • 2-4-3全州市:水素モデル都市指定(国土交通部)
  • 2-4-4釜山市:水素海洋船舶育成拠点都市
  • 2-4-5光陽市:水素融複合クラスター構築
  • 2-4-6安山市:親環境エネルギー自立都市

第3章グローバルR&Dマップ

3-1.日本の水素・燃料電池戦略

  • 3-1-1電力、非電力を問わず、広範に脱炭素化を可能にする水素
  • 3-1-2インフラ整備、コスト削減に重心移す新しい水素の社会実装政策
  • 3-1-3評価・解析プラットフォームを核に燃料電池の競争力強化を図る

3-2.世界の水素・燃料電池戦略

  • 3-2-1加速する世界のグリーンリカバリー政策
  • 3-2-2燃料電池開発を先導するプロジェクトと研究機関
  • 3-2-3陸・海・空で進む各国の燃料電池の多用途展開

第4章モビリティ向け燃料電池の開発状況

4-1.モビリティ向け燃料電池関連メーカーを総覧

  • 4-1-1モビリティ向け燃料電池の企業戦略のトレンド
  • 4-1-2モビリティ向け燃料電池メーカーの動向
  • 4-1-3モビリティ向けPEFC用部材のトレンド
  • 4-1-4モビリティ向けPEFC用部材メーカーの動向

4-2.新型「MIRAI」を実現した技術

  • 4-2-1トヨタの電動化と燃料電池開発への取り組み
  • 4-2-2大きく進化させた新型MIRAIの燃料電池システム
  • 4-2-3MIRAIの開発を支えた解析技術

第5章定置向け燃料電池の開発状況

5-1.定置向け燃料電池関連メーカーを総覧

  • 5-1-1定置向け燃料電池の企業戦略のトレンド
  • 5-1-2定置向け燃料電池メーカーの動向
  • 5-1-3定置向けSOFC用部材のトレンド
  • 5-1-4定置向けSOFC用部材メーカーの動向

5-2.家庭用から大型システムまで多用途をカバーするパナソニック

  • 5-2-1定置用水素燃料電池が持つポテンシャル
  • 5-2-2同一ユニットの連結で低コストでの普及を可能に
  • 5-2-3水素燃料電池を核にしたRE100実現のための実証を開始

第6章燃料電池の開発プラットフォーム

6-1.産官学の枠を超えて英知を結集する「PEFC評価・解析プラットフォーム」

  • 6-1-1FC-Cubicをハブに21機関が集結、5グループが協調して活動
  • 6-1-2物質・材料研究機構をリーダーにマテリアルズインフォマティクスを実行
  • 6-1-3京都大学をリーダーにマルチスケールシミュレータを構築
  • 6-1-4日産アークを中心に放射光X線と中性子線を使って分析/解析する

6-2.京大が取りまとめる部品レベルとシステムレベルのシミュレータ

  • 6-2-1長寿命化・高性能化達成のための設計シミュレータの開発
  • 6-2-2モデルベースFCシステム開発用シミュレータの開発
木村 知史

編集担当者木村 知史

日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ 上席研究員

1990年、日経BPに入社。「日経メカニカル」にて、主に先端の加工技術および生産管理システムの分野を取材・執筆。2008年、Webサイト「Tech-On!(現日経xTECH)」編集長。2012年、日経BPの旗艦媒体「日経ビジネス」の編成長、2014年には同媒体のデジタル版「日経ビジネスDigital(現日経ビジネス電子版)」編集長。ビジネス関連のコンテンツを企画するとともにサイト運営やアプリ開発を先導。2019年4月より現職。19年10月、『中国スマート工場総覧』発行。大手企業のコンテンツコンサルティングや「Beyond Health」等のメディアのコンテンツ企画を担当。

山口 健

編集責任者山口 健

日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ 主席研究員

民間企業のR&D部門でLSI/イメージセンサーの研究・開発に従事。その後、日経マグロウヒル社(現・日経BP)入社。『日経マイクロデバイス』、『日経エレクトロニクス』編集長、三菱商事との合弁会社テクノアソシエーツ取締役副社長、日経BPコンサルティング専務取締役、日経BPアジア社(香港駐在)社長、海外事業戦略室長、日経BP中国社(上海駐在)董事長、日経MDG社(トルコ)取締役を経て、現職。半導体/ディスプレイ、エレクトロニクス、新エネルギー車、カーボンニュートラルなどの産業分野を中心に調査・研究活動、海外と日本企業のブリッジ役となるプロジェクトなどを推進する。

編集者からのメッセージ

日経新聞は2021年10月18日、「お家芸に負けパターン」と報じた。「半導体、液晶、太陽光パネル――。日本が技術で先行して『お家芸』といわれながら、いざ本格普及期に入ると増産投資で後れを取る負けパターンが繰り返されている。」と指摘、「研究開発から実用化、普及へと至るロードマップを見据えて官民の歯車を合わせなければ『いつか来た道』から抜け出せない。」と警鐘を鳴らした。

まったく同感だ。これから期待のFCEV(燃料電池車)は、世界に先駆けてトヨタ自動車が製品化したものの、販売台数トップの座は韓国の現代自動車に明け渡している。欧米や中国では、バスやトラックなど、商用車の開発が急ピッチで進む。水素関連技術はまさに、「研究開発から実用化、普及へと至る」分水嶺に立っている。記者として、半導体、液晶、太陽光パネルの日本の最盛期を取材し、報道してきた身として、同じ轍は踏んでほしくないとの想いから「世界水素ビジネス」シリーズを編纂している。シリーズ2作目となる本作は、水素が「社会実装」に向けて動き出した「いま」をまとめた。読者の皆様がそれぞれのカーボンニュートラルに取り組む際の、一助となれば幸いである。

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    出典:テクノロジー・ロードマップ
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    出典:テスラ「モデル3/モデルS」
    徹底分解【全体編】

  • 出典:医療・健康ビジネスの未来2021-2030

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世界水素ビジネス 
社会実装編

WORLD HYDROGEN ENERGY BUSINESS
  • 調査・編集:日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
  • 2021年11⽉30⽇発⾏
  • レポート:A4判、332ページ
  • 価格:〇書籍とオンラインサービスのセット:825,000円(10%税込)〇書籍のみ:550,000円(10%税込)
  • 発⾏:⽇経BP
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