春風亭昇太と黒川勇人の「旬缶クッキング」

【旬缶8】極上の金華さば味噌煮を、極上のごま油で!

文:カンパネラ編集部 / 写真:栗栖 誠紀 11.25.2014

新米による炊きたてご飯。一緒にさば味噌煮缶詰を食べてみたら、どうなるか。缶詰博士の黒川勇人さん、そして落語界の缶詰マニア・春風亭昇太師匠と探る缶詰ワールド、真骨頂。

新米の炊きたてご飯がたまらない。ご飯に合う美味しいものを食べたい!

編集部が缶詰博士の黒川勇人さんにこう相談すると、「やっぱり、『くらげ庵』しかないですね」と、いうことに。

いまや、国内外のグルメピープルに注目されているというくらげ庵。落語界きっての缶詰マニア・春風亭昇太師匠が営む、高級和風会員制缶詰バーである。

博士と編集部が訪れると、フランス人のグルメ記者らしき人たちが、昇太師匠にインタビュー中。

フランスの客人たちに缶詰を開けて振る舞う師匠。

「セボ~ン、セボ~ン、トレビア~ン!」

赤ワインを飲みながら、缶動の声をあげるフランスの客人たち。

インタビューを終えた昇太師匠が、こちらにやってきた。

「フランス人も日本の缶詰が好きだねー」

そんな師匠に博士が切り出した。

「新米の炊きたてご飯に合う、美味しいものが食べたいです」

博士の言葉を聞いて、師匠の瞳がキラリン。

「これなんかどうかな?」

おもむろに師匠が缶詰を取りだした。宮城県石巻市にある水産加工品メーカー、木の屋石巻水産の缶詰「金華さば味噌煮缶」である。

「師匠!これは三陸の有名なブランドさば、『金華さば』の缶詰ではないですか!」

「さすが博士!これ、脂がのって美味いんだよね。震災前からファンだったんだけど、これは本当に美味い缶詰でね。

宮城の金華山沖は、寒流と暖流がぶつかり合う世界三大漁場の一つ。そこで穫れるさばが抜群に美味しいんだけど、さらにその中でも最上のものを金華さばと呼ぶらしい。これを熟練の職人さんたちが生のまま手詰めしているというから、ぜいたくな缶詰だよね」

「冷凍ものは一切使わないという潔さ。それに味噌は本場の仙台味噌、味付け用の砂糖には喜界島の粗糖を使っているから、味わいも最高なんです!」

「よーし、開けてみよう!」

師匠が缶を開けると、こんな絶品の光景が。

「師匠!やっぱりスゴイ缶詰です!いい脂がのっているのが見てわかりますね!」

美しすぎる、さば味噌缶の湖面。

「実は、最高の食べ方があるんです」と、カウンターで調理する師匠。そして、小皿に盛って、博士の前にさっと出した。

「これは、絶対に美味しいに違いない!」と、思わず大声をあげる博士。

缶動の別アングル!

「師匠!このごま油の芳醇な香りは、一体どういうことですか?」

「さすが博士!よく気づいたね!実はこのごま油、大阪の老舗である和田萬さんの『金の雫〈金ごま油〉』という極上の国産ごまを使ったごま油なんだよ」

和田萬の「金の雫〈金ごま油〉」

「味噌とごまの組み合わせはヤバいほど合いますよね。それでは、いただきます!」

「うわ、うまっ!

この金華さば味噌煮、秋冬の一番脂のりがいい魚体を使っているだけありますね。腹身は信じられないほど柔らかくて、背身は歯ごたえがありつつサシも入って、これだけで本当に美味しい。それに加えて白髪ネギと炒りごま、さっと回しかけられたごま油。金華さば味噌煮がまた違った魅力を発揮しています!」

「炒りごまも大阪の向井珍味堂さんのこだわりの胡麻なんだよ」

向井珍味堂のいりごま(田舎風)

「これは、白いご飯が何杯でもいけてしまいそうですね!」

「どんなお酒にも合うしね!」

「ですよねー。やっぱり白いごはんの前にビールを!う、美味いっ!」

もともと美味しい缶詰にちょいとひと手間で、絶品の逸品に。

缶詰の世界は、あまりにも深いのでありました。

なお、春風亭昇太師匠が営む高級缶詰バー・くらげ庵は秘密の会員バーゆえ、一般営業はしていないので、あしからず。

◎「金華さば味噌煮の白髪ネギと胡麻油」のレシピ

【作り方】
(1)金華さば味噌煮を3分ほど湯せんして温める。
(2)小皿に盛って、白髪ネギと美味しい炒りごまをトッピング。
(3)美味しいごま油を回しかけて缶成!

■参考Webサイト:
金華さば味噌煮:木の屋石巻水産公式WEBサイト
金の雫〈金ごま油〉:和田萬公式WEBサイト
いりごま(田舎風):向井珍味堂公式WEBサイト

春風亭昇太(しゅんぷうてい・しょうた)

落語家。1959年、静岡県静岡市(旧清水市)出身。東海大学史学科日本史課程中退後、春風亭柳昇に弟子入り。92年、真打ち昇進。2000年、文化庁芸術祭大賞受賞。日本テレビの長寿番組『笑点』大喜利レギュラー他、舞台、映画、TV、ラジオなど幅広く活躍。社団法人落語芸術協会理事。芸能界きっての城好き、缶詰好きとして知られる。

黒川 勇人(くろかわ・はやと)

世界の缶詰を紹介する「缶詰blog」を2004年から執筆中。公益社団法人日本缶詰協会認定の「缶詰博士」として、TVやラジオなど各種メディアで活躍中。著書は『日本全国「ローカル缶詰」驚きの逸品36』(講談社プラスアルファ新書)など多数。缶詰コラム「忙中カンあり」を朝日新聞beに、「百缶繚乱」を週刊漫画TIMESに毎週連載中。所属事務所は小曽根マネージメントプロ。

家飲み酒とも日記