春風亭昇太と黒川勇人の「旬缶クッキング」

【旬缶11】年越し蕎麦にも!珍しい山形の「むきそば」は美味なり!

文:カンパネラ編集部/写真:栗栖 誠紀 12.25.2014

年末と言えば、やっぱり年越し蕎麦。缶詰博士の黒川勇人さん、そして落語界の缶詰マニア・春風亭昇太師匠と、極めて珍しい「むきそば」缶詰を味わってみた。

年の瀬も押し迫り、年末気分が高まってきました。そろそろ考えてしまうのが年越し蕎麦のこと。

やはり一年の締めくくりは、いい缶じで締めくくりたいもの。缶詰博士の黒川さんに相談すると、

「それならやっぱり、くらげ庵! 年越し蕎麦にも詳しいはず」とのこと。

缶詰の年越し蕎麦なんてあるのかな?と、少し疑問に思いながら、缶詰博士についていくことにしました。

くらげ庵を訪れると、どこからか三味線の音色。

「粋ですねー」と、博士が、くらげ庵の引き戸を開けると、カウンターに着物姿の昇太師匠がおられました。

「師匠、今年もすっかりお世話になりました」と、博士が言うと、

「今年は、缶詰が盛り上がった一年だったね!」と、師匠。

そんな師匠に博士が、いつものように。

「師匠がおっしゃるように、今年は缶詰業界的には缶動の一年だったと思います。いろんな画期的な缶詰もたくさん生まれましたし。

で、そんな一年を締めくくる年越し蕎麦を、やはり缶詰で、と考えまして」

博士の言葉を聞いて、師匠の瞳がキラリン。

「缶詰で年越し蕎麦! さすが博士、いいところをついてきますね」

「じゃあ、これはどうですか?」

師匠がカウンターの上に置いた缶詰は、梅田食品製造本舗の「むきそば」缶詰。

「師匠! これは、あの山形の珍しい蕎麦じゃないですか!?」

「さすが博士! これは、蕎麦は蕎麦でも、むきそばと言って、山形の酒田の郷土料理なんです。殻をむいた蕎麦の実をそのまま茹でて、それにダシ汁をかけて食べる」

「缶詰を開けると、これはワイルドな蕎麦ですね!」と、博士。

「そうだね。蕎麦の原型とも言われてるんだけど、これが一度食べると癖になるんです」と、師匠。

「眺めていると、そこはかとない風情がありますね」

「もとは、関西のお寺で食されていたのが、江戸時代の中期に北前船で酒田に伝わって、それから家庭で食べられるようになったんです」

「あの頃の酒田といえば、日本有数の豊かな港町でしたよね。歴史があるんですね」

「さあ、食べてみてください!」

「ありがとうございます。いただきます」

むきそばをスプーンですくって食べる博士。

「うん、これは上品な味ですね。食感ももちもちしておもしろい。やっぱり美味しいですねー、むきそば」

「そうそう。このぷちっもちっというのが美味いよね。蕎麦の実そのものだから。蕎麦の香りもいいし」

「今年は『ちょっと変わった年越し蕎麦を』という方にいいですね」

「そうね。思い出に残る年越しになるね」

「ところで師匠、蕎麦もおいしかったけど、ダシ汁も絶妙でした。これはあの、むきそばとセットになっているダシ汁ですか?」

「その通り。これ、同じデザインの缶詰が2つありますけど、よく見てください。このむきそばの缶詰は、蕎麦の缶詰とダシ汁の缶詰が、セットになって販売されているんです」

「すなわち、このセットさえあれば、酒田地方の郷土料理がそのまま再現できるという」

「そう。鰹節の風味が利いてて、このダシ汁も本当に美味しいよね」

「便利至極です!」

「忙しい人にもいいと思うので、是非!」

■参考Webサイト:
梅田食品製造本舗 むきそば缶詰

春風亭昇太(しゅんぷうてい・しょうた)

落語家。1959年、静岡県静岡市(旧清水市)出身。東海大学史学科日本史課程中退後、春風亭柳昇に弟子入り。92年、真打ち昇進。2000年、文化庁芸術祭大賞受賞。日本テレビの長寿番組『笑点』大喜利レギュラー他、舞台、映画、TV、ラジオなど幅広く活躍。社団法人落語芸術協会理事。芸能界きっての城好き、缶詰好きとして知られる。

黒川 勇人(くろかわ・はやと)

世界の缶詰を紹介する「缶詰blog」を2004年から執筆中。公益社団法人日本缶詰協会認定の「缶詰博士」として、TVやラジオなど各種メディアで活躍中。著書は『日本全国「ローカル缶詰」驚きの逸品36』(講談社プラスアルファ新書)など多数。缶詰コラム「忙中カンあり」を朝日新聞beに、「百缶繚乱」を週刊漫画TIMESに毎週連載中。所属事務所は小曽根マネージメントプロ。

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