ザ・クラフトビア

【ザ・クラフトビア02】石黒謙吾さんが語る~「一生もの」の趣味にしたい「ジャケ飲み」

第2回:世界一多様性があるベルギービールの世界

文:須田 泰成 / 写真:栗栖 誠紀 04.23.2015

クラフトビールの代表選手、ベルギービール。世界一の種類と味わいの多様性が素晴らしい。ベルギービールを人生のお供にする方法を、編集者・著述家の石黒謙吾さんに聞いた。

「ベルギービールは、人生のトータルホビー。味だけでない愉しさがあり、深みもあって、一生ものの趣味になります」

そう語るのは、石黒謙吾さん。著述家・編集者であり、チャートを駆使して笑いに落とし込むクリエイションで「分類王」の異名も持ち、多数の著書とプロデュース・編書を世に送り続けてきた。『ベルギービール大全<新>』(三輪一記と共著/アスペクト)も、その一冊。

「とにかく、こんなに多様性に富んだお酒はないんですよ。フルーツをつけ込んだ甘酸っぱいもの、コクのあるヘビーなもの、スパイシーなもの、コルク栓で密封されたシャンパンみたいなもの、とにかく種類と味わいのバリエーションがハンパないんです」

(写真提供:ブラッセルズ)

ベルギー全体で1000以上の銘柄が製造されているというから、まさに一生飽きずに付き合えそうだ。しかし、種類が多いだけに、どう楽しんでいいのか、つかみどころがないような気もする。

そんな不安を石黒さんに伝えたところ、意外な答えが返ってきた。

「心配しないでください。まずは、『ジャケ飲み』をオススメします!」

ベルギービールはジャケ買いならぬ「ジャケ飲み」で!

石黒謙吾さんの口から飛び出た「ジャケ飲み」という言葉には驚いた。

ジャケ買いといえば、CDやレコード、書籍、雑誌などの中身を確かめず、見た目のパッケージデザインに惹かれて衝動的に買ってしまうこと。ベルギービールは食品(飲料)なのに、味を確かめずに飲むなんて有りなのか?

「ベルギーは、フランス、ドイツ、オランダ、イギリスなどの大きな国に囲まれ、いろんな影響を受けまくって文化を成熟させた国なんです。ビールの味の多様性も、そこに起因している。それはパッケージにも現れていて、オランダの影響、ドイツのバウハウスやロシアンアヴァンギャルドを感じさせるもの、フランスの雑貨小物のようなガーリーでかわいいものなど、オモチャ箱をひっくり返したような楽しさがあるんです」

例えば、先週の記事で紹介した6種類のベルギービールも、色も味も香りも異なり、ボトルやグラス、ロゴもユニークなものばかり。

左から「ステラアルトワ」「ヒューガルデンホワイト」「レフブロンド」
左から「レフブラウン」「ビーケン」「フランボワーズ・ブーン」

「ロゴなどのビジュアルは、高度にクリエイティブに中味のイメージを表していますね。味わいの印象がジャケットに出ているので、感覚的にこれいいなとピピッときたら、迷わず飲んでみるのがいいと思います。別にイメージと違っていたってなんら問題ない(笑)。ああ、こんな味か、とそうやってだんだん味わいの差を吸収していく。それが自分オリジナルの尺度を作りあげますし、それこそがホビー的愉しみですから」

取材でお世話になったのは、西新宿にあるお店「カフェヒューガルデン新宿」。22種類の生ビールをはじめ、たくさんのビールが味わえる。素晴らしいのは、通常「生」と言われるジョッキの約半分に当たる、180ccの試飲用グラスで飲めること。これならさらに楽しめる(笑)。

今回訪問したお店「カフェヒューガルデン新宿」

筆者も石黒さんと一緒に、ビールサーバーについているロゴなどを見て、いろんな種類のジャケ飲みをはじめてみたが、これが至福の時間だった。ベルギービールは種類によって、味も香りも全く異なるのをあらためて実感。面白いと思うと同時に、味の個性や違いの理由が知りたくなると、ちょうどいいことに目の前の店員さんが。質問をすると、丁寧に素材、タイプ、製法、歴史などのことを教えてくれた。知的好奇心も大満足。おいしい!そして、オモシロイ!

「ベルギービールは、肩の力を抜いて楽しめるカジュアルな嗜好飲料なんです。通ぶって偉そうにする人もいないし、いわゆる『ベタな飲み屋』が嫌いな若い人でも楽しめます」

ベルギービールのジャケ飲みは、人生を愉しく変えてくれそうだ。

折しもこの4月から、「ベルギービールウィークエンド2015」というイベントが始まる。4月23日(木)に名古屋からスタートし、9月23日(水)までの間、福岡、横浜、大阪、広島、仙台、東京の順に各地で開催される。会場では、98種類のベルギービールを味わうことができる。

お店で、そしてイベントで、ベルギービールの魅力に触れてみてほしい。

■参考Webサイト:
ベルギービールウィークエンド公式ページ
イシブログケンゴ

■Information
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須田泰成(すだ・やすなり)
コメディライター/地域プロデューサー/著述家
1968年、大阪生まれ。全国の地域と文化をつなげる世田谷区経堂のイベント酒場「さばのゆ」代表。テレビ/ラジオ/WEBコンテンツや地域プロジェクトのプロデュース多数。著者に『モンティパイソン大全』(洋泉社)、絵本『きぼうのかんづめ』(ビーナイス)など。
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