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ウルフルズのケイスケさんが語る「シウマイ弁当愛」

永遠の定番弁当は、実は最高のお酒のツマミ:Part2

文:須田 泰成 / 写真:栗栖 誠紀 05.21.2015

崎陽軒の「シウマイ弁当」をこよなく愛する有名人は多い。ウルフルズのギタリスト、ウルフルケイスケさんもその一人。もはやミュージシャンとしての暮らしに欠かせない弁当なのだとか。

SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を眺めていてよく流れてくる画像が、崎陽軒「シウマイ弁当」のクローズアップ写真。東京駅や羽田空港から旅や出張で地方に向かう際にシウマイ弁当の写真を撮って投稿するのが、半ば習慣化している人が少なくない。

以前から不思議に思っていたのは、同じシウマイ弁当の写真なのに、撮る人によって、印象が著しく異なること。アングル、サイズ、弁当の位置、からしや醤油の使い方などが人それぞれで、一つとして同じ写真はない。少しおおげさだが、シウマイ弁当の写真から、その人の哲学や人生が垣間(かいま)見える気がするのだ。

筆者のSNSに頻繁に流れてくるのが、日本を代表するロックバンドの一つであるウルフルズのギタリスト、ウルフルケイスケさんのシウマイ弁当写真。

ウルフルケイスケさんのシウマイ弁当写真の一例

5つ入ったシウマイの上に黄色いからしがポツリポツリと添えられているのは、ケイスケさんの手によるものに違いないのだが、その盛り上がり方が、いつも実に美しい。ローアングルのイメージは、昔、関西で有名だった洋菓子チェーン・パルナス製菓のテレビCMに登場した、ロシアの教会の尖塔(せんとう)が立ち並ぶエキゾチックな風景のようにも思えてくる。シウマイ弁当と缶ビールをお供に、シベリア鉄道で旅がしたい。

本記事は、定番弁当とお酒の深い魅力に迫るシリーズの第2回。どうして崎陽軒のシウマイ弁当は、クセになるのか? ケイスケさんにシウマイ弁当愛を語っていただいた。

「シウマイ弁当のために朝食を我慢することも(笑)」

「いまとなっては、シウマイ弁当のない人生は考えられないですね」

ケイスケさんは、開口一番こう語った。

「5年ほど前に、東京駅でツアーに行く前にたまたま買ったんですけど、食べた瞬間に『ハマる!』と思ったんです」

以来、東京からツアーに出かける時は、シウマイ弁当一筋。若い頃は、トンカツや牛肉などに目が行ったそうだが、今では、毎日食べても飽きない幕の内弁当系のシウマイ弁当が定番に。好きが高じて、横浜にある崎陽軒のシウマイ工場を見学したこともある。

横浜地域(蒲田以南)で販売されているシウマイ弁当(写真左)と横浜スタジアム限定のシウマイ弁当(写真右)は、パッケージが異なる。ちなみに左の弁当のひもは、職人の手仕事によるもの。

「東京や品川駅を出発する時間が11時頃だと、朝食を我慢してシウマイ弁当をブランチにしますね(笑)。15時出発だったら昼飯を我慢します。どんだけシウマイ弁当中心の生活やねんと(笑)」

ブログやSNSにシウマイ弁当の写真を載せ始めると、シウマイ弁当ファンの間で意外なコミュニケーションが生まれてきたという。

「ぼくは、シウマイなどのおかずが右でごはんは左派なんですけど、クレイジーケンバンドのギターの小野瀬雅生さんはごはんは右派なんですよね。コレクターズのギターの古市コータローくんは、鮪(マグロ)の照り焼にまでからしをつけるんです。そんな意見をメールでやりとりしたりね(笑)」

食べ方をめぐり、多様で熱いコミュニケーションが巻き起こる。こんな弁当は、他にないような気がする。

「シウマイ弁当は、妙に人をつなげますよね。友人知人とも語り合いたくなるし、新幹線の近くの席で知らない人がシウマイ弁当を食べていたら、それだけで親近感がわいてくるしね(笑)」

伊東食堂