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1日14万5000個!551蓬莱の豚まん、手仕事がつくる味の秘密

永遠の定番弁当は、実は最高のお酒のツマミ:番外編

文:須田 泰成 / 写真:木村 聡 06.04.2015

「551蓬莱の豚まん」といえば、大阪の人間なら誰もが知っている人気商品だ。今でも職人が一つひとつ手で包む、昔ながらの製法を守っている。ビールにもピッタリ、豚まんの秘密に迫る。

崎陽軒の「シウマイ弁当」がお土産&ビールのお供の「東の横綱」だとしたら、「西の横綱」は間違いなく、「551蓬莱の豚まん」だろう。

大阪を中心とした関西のターミナル駅には、必ずと言っていいほど551蓬莱の売店があり、多くの場合、行列ができている。時期によって増減はあるものの、1日あたり約14万5000個も売れるという。この販売個数が示しているように、大阪の人間なら誰もが知っている人気商品。テレビCMも有名である。

今回は永遠の定番弁当シリーズの番外編として、551蓬莱の豚まんが備える味の秘密に迫る。

出張族に人気のお土産、かつ大阪人のソウルフード

551蓬莱の豚まんが放っている魅力の一つは、その大きさとカタチである。コンビニなどで売られている普通の肉まんが100グラム前後なのに比べて、551蓬莱の豚まんは約130グラム。職人さんが手で包む際にできる、天に向かって渦を巻くひだが迫力満点。「うまい豚まん!どうでっか!?」と、見た目に迫ってくる感じは、実際のグラム数以上のインパクトがある。

食べる時は、まず、底にあるザブトンという松の薄木をはがす。ほのかに漂う上品な木の香りが、これからご馳走を食べるのだという気分にさせてくれる。

パカッと左右ふたつに割ると、白い湯気とともに豚肉と玉ネギの匂いがたまらない餡(あん)が現れる。かぶりつくと、まず、もっちりした皮の歯ごたえ。そして皮の下は、ふわっとソフトな蒸しパンのよう。噛(か)み締めると豚肉と玉ねぎの甘み豊かな肉汁たっぷりの餡と蒸しパンが混じりあい溶け合い、口の中にしあわせが広がる。

この満足が、1個170円という安さで得られる。夕方、大阪の地下鉄やバスに乗ると、551蓬莱の紙袋を手に持ち家路に急ぐ人々の姿が普通に見られる。車両に豚まんの香りが漂っている。家族や大切な人と笑顔でほおばる豚まんは、出張族のお土産というだけではなく、大阪人のソウルフードでもあるのだ。

伊東食堂