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新しい飲み会を提案、「ごちそう会」がすすめる「おいしい料理とドリンク2杯」

文:カンパネラ編集部(長坂 邦宏)/特記なき写真:菊池 くらげ 04.03.2019

「ごち会コース」はSDGsにつながるような試み

取材でお邪魔したのは「牛たん ささ川 早稲田店」。今日の料理のポイントについて、野並さんが説明してくれた。

「テーマは牛たんを味わい尽くすです。食べ方や料理の仕方のほかに、牛たんの部位で味わいが違うんです。たん先の細切り、たん中の厚切り、そして脂ののった霜降りのたん元。それぞれの違いとおいしさを味わってもらいたいですね」

燻たんとオニオンサラダの香味おろしのせ
牛たん盛り合わせ。たん元から取れる霜降りは食感とジューシーさが同時に味わえる
おつまみ3種盛り。笹かま、レア明太子、おでん大根
牛たん釜飯(2人前)。魚沼産コシヒカリを使用。このほかに宇治抹茶生チョコアイスが付く

この日に参加した早稲田大学4年の奥泉琳太郎さんはこう話す。「早稲田は圧倒的に飲み放題の文化。いかに安くするかがお店の勝負どころ。でもそんな店を出た後、お腹が空いてついラーメンを食べてしまうんです。不健康になっているのかもしれません。おいしい料理を食べ、お酒も飲めるこの活動にとても共感しました」

早稲田大学の奥泉琳太郎さん

初めて参加した青山学院大学3年の佐々木梓乃(しの)さん。「たまに飲み放題に行きますが、フードロスが目立っています。それを減らすための工夫が今行われていますが、『こち会コース』のようなお料理をつくることは環境にもいいし、自分たちも満足することになります。最近、SDGs(持続可能な開発目標)に関心がありますが、それにつながる試みでもあるような気がします」

青山学院大学の佐々木梓乃さん

お店側はどんな見方をしているのだろうか。

「社会人になる前の社会勉強でもあるというのがコンセプトの一つだとうかがっています。ワイワイ飲む店だけでなく、落ち着いた店で料理を楽しみながら飲みたいという考えに感心し、賛同させていただきました。将来社会人になってからも来店していただけるような店でありたいと思います」

ささ川 早稲田店の相良和孝さんはそう話す。

「牛たん ささ川 早稲田店」の相良和孝さんは(左)、日本酒をちょと多めに注いでくれた?

会費に対する不公平感なくなるなどメリット多い

「同じお金を払うなら、もっとおいしい料理を食べたい」という素朴な動機で始まった活動だが、「ごち会コース」のメリットはいろいろある。

まずはお店が料理づくりに時間をさけるということ。飲み放題だとドリンクの注文取り・提供に忙しくなり、他のオペレーションに人手をかけられないという問題を解決できる。

また、コース料理はアラカルトに比べて料理をつくる工程が簡略化できる。しかも「おすすめのドリンク2杯」としているので、お酒を多く飲む人、多くは飲まない人の「お金の格差」をケアすることにもなる。つまり、会費に対する不公平感がなくなるわけだ。「お酒なんか飲んでいないのに同じ値段?」と声に出せない不満は多いはず。これが解消できる効果は意外に大きい。

「おいしい料理といったら原価率は上がる。お店に負担をかけるな」という指摘もあるかもしれない。だが、おいしい料理をいただきながら、会話を楽しむのは当たり前のこと。それが批判されるのはお門違いだろう。お店にもおいしい料理で勝負したいという思いがある以上、消費者にとって「ごち会コース」のような動きが広まるのは願ってもないことだ。

料理とお酒の楽しみ方について、私たち一人ひとりがいっそう豊かさを求めて、その選択肢を広げていくべきかもしれない。

「牛たん ささ川 早稲田店」
新宿区喜久井町65 糟谷ビル2F
http://gyutan-sasagawa.com/post-39/
電話:03-3209-2488
営業時間:17:00~23:00
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