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ミシュランシェフが認めたロカボ 「低糖質パスタ」の秘密(前編)

文:カンパネラ編集部 / 写真:陶山 勉 05.19.2016

国内外400軒以上のレストランで採用されているプリマ・パスタ。ここが今注力しているのが低糖質の生パスタだ。2回にわたり、ミシュランシェフと共同開発したこのパスタの秘密に迫る。

手打ちしている生パスタをシェフに替わり、レシピに応じて量産できる「生パスタ製麺所」は日本では希少な存在。その中で国内外400軒以上の有名レストランで採用されているのが、千葉県にあるプリマ・パスタだ。

社長の工藤保夫氏がこの会社を始めたのが2003年。工藤氏が30歳の時だ。日本では先駆け的な存在だが、始めた頃の工藤氏はまったくの素人。イタリアで修行したこともない。イタリアで食べた生パスタの美味しさに感動していきなり製麺所を立ち上げたのだ。無鉄砲のようだが、「今からシェフになっても一番になれないが、ここなら一番になれる」との覚悟をしてでの決断だった。それから10数年、彼のつくる生パスタはシェフたちの口コミだけで広まり続けている。

その彼がいま開発に熱中しているのが糖質制限(ローカーボ、通称ロカボ)の生パスタである。これまで医療・健康分野向けの商品は増えてはいるが、普通のレストランで積極的に採用している素材ではなかった。だが、リストランテホンダの本多哲也氏と一緒に開発し、このミシュランシェフも納得する製品ができ上がったという。

なぜ、いま糖質制限なのか? どうやって納得する味が生まれたのか? そのレシピは? プリマ・パスタ社長の工藤氏とシェフ・本多氏の2人に迫る。(カンパネラ編集部)

工藤保夫(くどう・やすお)

1973年9月22日東京都出身。94年東京都立航空工業高等専門学校後、非破壊検査を専門にする会社に就職。その後、ウエディングブーケを押し花にして額装する会社、フラワーアレンジメントサービス会社などを経て、2003年5月、千葉県市原市にパスタの製麺所プリマ・パスタを設立。

本多哲也(ほんだ・てつや)

1968年、神奈川県生まれ。84年に東京調理師専門学校卒業。97年から99年に渡伊、渡仏。イタリアの三ツ星レストラン【アンティカ・オステリア・デル・ポンテ本店】などで修業後、99年に帰国。西麻布の【リストランテ アルポルト】にて副料理長を務めた後、2004年に【リストランテ ホンダ】を開店。ミシュランのひとつ星を取得。

――日本で「生パスタ」を売り物にするイタリアンレストランが登場してきたのはいつ頃なんですか?

工藤:10年ぐらい前だと思います。生パスタをお店で打って提供しているお店は、ランチタイムとディナータイムの間など店の休憩の間を使って仕込んでいます。小麦粉と卵と塩、オリーブオイルを練り合わせ、生地を延ばし独自のカタチに仕上げています。

小麦粉の配合から、卵も卵黄だけ使うのか、全部使うのか、水にオリーブオイルにもお店独自のレシピがあります。ちなみに、乾麺だけでも650種類以上はあるといわれています。生パスタとなればお店の数だけあるといってもいいでしょう。

ただ、手間も多いですし、安定的に美味しい味を出せる職人も少ないので、店で手打ちしているところは減っています。

だから製麺所に頼むんですが、実は、本場イタリアでもシェフの求める細かいレシピに応じる中小の製麺所は少ない。だからイタリア人の業者が私の千葉の工場をみた時、「お前の工場は40年前のイタリアのようだな」といわれたこともあります。

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