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ミシュランシェフが認めたロカボ「低糖質パスタ」の秘密(後編)

文:カンパネラ編集部/写真:陶山 勉 05.23.2016

国内外400軒以上のレストランで採用されているプリマ・パスタ。ここが今注力しているのが低糖質の生パスタだ。2回にわたり、ミシュランシェフと共同開発したこのパスタの秘密に迫る。

前回からの続き≫

国内外400軒以上の有名レストランで採用されている、千葉県にある製麺所、プリマ・パスタの麺。最近プリマ・パスタが力を入れているのが、「ロカボーノ」という新開発の低糖質パスタである。

一般的に売られている生パスタは100グラムあたりの糖質が69.5グラム程度。「糖質を50%以上抑えると美味しい麺はできない」というのが製麺業界の常識だった。だがこのロカボーノは100グラムあたり26グラムに抑えている。パスタソースの糖質が10グラム程度なので、合計で30~40グラム。糖質制限の1つの基準に「1食40グラム以下に抑える」というものがある。だからシンプルなお肉や魚料理を中心にして、パスタを楽しむことができる。

低糖質の生パスタはどうして生まれたのか。どうすれば低糖質のパスタでも楽しく美味しい料理に仕上がるのか。前回に引き続き、社長の工藤保夫氏と共同開発者のシェフ・本多哲也氏の2人に迫る。(カンパネラ編集部)

工藤保夫(くどう・やすお)

1973年9月22日青森県出身。94年東京都立航空工業高等専門学校後、非破壊検査を専門にする会社に就職。その後、ウエディングブーケを押し花にして額装する会社、フラワーアレンジメントサービス会社などを経て、2003年5月、千葉県千葉市にパスタの製麺所プリマ・パスタを設立。

本多哲也(ほんだ・てつや)

1968年、神奈川県生まれ。84年に東京調理師専門学校卒業。97年から99年に渡伊、渡仏。イタリアの三ツ星レストラン【アンティカ・オステリア・デル・ポンテ本店】などで修業後、99年に帰国。西麻布の【リストランテ アルポルト】にて副料理長を務めた後、2004年に【リストランテ ホンダ】を開店。ミシュランのひとつ星を取得。

――今回は発売になった「低糖質の生パスタ」はコース料理の一品として出せるようになったのが売り物だそうですね。なぜロカボに注目したんでしょうか。プリマ・パスタは国内の有名レストラン向けの生パスタを扱っている製麺会社。さらに、今回はミシュランの星を8年連続で獲得した経歴を持つ本多哲也シェフが開発に携わった。これまでの業務用の低糖質パスタはクリニック、老健施設、ダイエット施設などでの利用が中心であり、レストランで扱っている店はほとんどなかった。医療・健康面では十分役割を果たしているものの、味覚的にはどうしても劣るものが多く、手打ちパスタを出すお店が積極的に取り扱いたい素材ではなかったはずです。その経緯について教えてくれませんか。

プリマ・パスタの工藤保夫氏(右)とリストランテホンダの本多哲也シェフ

本物の冷凍生パスタをつくろうという相談がいつのまにかロカボに?

工藤:1年前、本多氏から「リストランテホンダの生パスタとソースを家でも楽しめるようにしたい。そのための冷凍パスタとソースをつくりたい」との相談があったんです。最初は普通のパスタだけだったのですが、昨年9月頃から、「工藤さん、低糖質パスタもやろうよ」という話がでてきたんです。

本多:ミシュランガイドで星を頂いた時、北里研究病院糖尿病センター長である山田悟先生から「低糖質のコースをやらないか」との相談をいただきました。先生は多くのレストランに打診していたんだと思いますが、おそらくレストランのシェフはみな難しいと考えたと思います。僕も興味はあったんですが、うちの店に来る人たちは日常とは違う美味しさを求めているので、やはり、無理だろうなと思っていたんです。

でも、うちの父親が糖尿病を患い、今、味気ない食事をずっと続けているんですよ。糖尿の人たちって逆に麺とか大好きなんですよね。それで、医療用の麺をたべているんだけど、どうしても食としての楽しみが少ない。そこで、なんとかしてやりたいなぁという思いもあり、勉強を始めたんです。

実は工藤さんのお父さんもそうなんですよね。

工藤:私の父親も昨年、脳卒中で倒れました。幸い一命はとりとめましたが、右半身は不自由になり、家族の生活はすべて変わってしまいました。父が脳卒中になってしまった原因をたどっていくとやはり長年の食生活にありました。肥満であり高血圧。その食生活の中でも「糖質」の影響が大きかったことも分かりました。ロカボパスタが普通のレストランでも出せる食材になれば、少しは世間の役に立つのではと思ったのです。

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