カンパネラTOPICS

Retty対談「回顧2018 外食」(前編)──変わらずの焼肉人気、「カウンター焼肉」が注目を集め、「タレ焼肉」ブームも

「地方から東京へ」「高級化からカジュアル志向へ」の「揺り戻し」見られる

写真:大槻 純一/構成:橋富 政彦 12.19.2018

2018年の“食”のトレンドを総括! 2017年に引き続き、日本最大級の実名口コミグルメサービス「Retty」のグルメニュース編集長・草深由有子氏(司会進行)、ぴあのチーフプロデューサーで「東京最高のレストラン」編集長・大木淳夫さん、『焼肉の達人』著者の小関尚紀さん、全日本さば連合会(「全さば連」)広報担当で「サバジェンヌ」の池田陽子さんの4人に、2018年の外食動向について振り返っていただきました。(以下、敬称略)

草深 今年、2018年の“食”にどのような傾向や流れがあったのか、そのトレンドを振り返っていきたいと思います。まずは大木さん、2018年のどのような動きに注目されましたか。

草深由有子氏 Rettyグルメニュース編集長
日之出出版、ベネッセコーポレーションを経て、2015年クックパッド編集長に就任。2017年2月よりRetty株式会社に移り、グルメメディア「Rettyグルメニュース」の編集長として、「『人』から食を捉えると、グルメはもっと楽しくなる!」をテーマにコンテンツを配信している

出店の「揺り戻し」現象と大ブームの「サバサミット」

大木 まずキーワードとして挙げたいのは「揺り戻し」です。昨年の「Retty鼎談」で私は「地方の躍進」という傾向をキーワードとして挙げましたが、実際に美食家たちが日本中どこでも評判の料理店にどんどん食べに行くようになったことで、地方の料理店が自分たちの実力にあらためて気づいたんですね。それで「東京で勝負しよう」という店が増えてきました。

北海道で大人気だった「リストランテ薫」の長谷川稔シェフが同店を閉店し、自分の名前を冠して広尾にオープンした「長谷川稔」はそういった“揺り戻し”の象徴的な店といえるでしょう。その他にも、全国から食通を集めていた名古屋の天ぷら店「くすのき」が四谷へ、神戸の懐石料理店「紀茂登」が神楽坂へ、それぞれ平均客単価4万~5万円はする高級店ですが、東京に移転して大成功しています。こういった「地方から東京へ」という流れが印象的でしたね。

大木淳夫氏 ぴあ㈱ チーフプロデューサー 「東京最高のレストラン」編集長
日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に『堀江貴文 VS.職人』(堀江貴文)、『超一流のサッポロ一番の作り方』(マッキー牧元)などがある

草深 2017年に続いて「地方の動向」が熱かった1年でしたね。池田さんは“サバジェンヌ”として全国で活動をされていますが、サバは地方でどのような盛り上がりを見せていたのでしょうか。

池田 日本各地のサバの産地やサバに力を入れている地域とコラボレーションして、サバ尽くしの料理やサバトークショー、全さば連「サバンド」の演奏などを楽しむ「鯖ナイト」というイベントを定期的に開催しているのですが、毎回100名以上のお客様が集まっていますね。そのほかにも5年前から全国の“サバグルメ”が集まる祭典として「鯖サミット」の運営をしており、昨年は千葉・銚子で3万人を集客しました。これは過去銚子で行われたすべてのイベントで最多の集客となったそうです。今年は長崎県・松浦市で開催して4万5000人が来場しました。松浦市の人口は約2万5000人ですから、それを超えるサバグルメたちが集まったことになりますね。

池田陽子氏 薬膳アテンダント&全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ
日常生活で手軽に取り入れられる薬膳の提案をセミナーや執筆で行う「薬膳アテンダント」としての活動の傍ら、鯖を愛する消費者の集まりである「全日本さば連合会」(全さば連)の広報を担当。日本各地のサバ情報の発信を行う。著書に『ゆる薬膳。』(日本文芸社)、『サバが好き!』(山と渓谷社)など
2018年の「鯖サミット」ホームページより(写真引用元:http://38summit.jp