今夜も噂の酒場をHOPPING

二足のわらじは履いていない。全部ひっくるめて僕らの人生

アナログレコードとおいしいお酒、東京・渋谷のロックバー「shhGarage」(後編)

取材・文:荒濱 一 / 写真:大槻 純一 04.17.2018

二足のわらじは履いていない。やっていることすべてが人生の断片

3人と話していると、客と同じくらい、いや、それ以上に、彼らがこのshhGarageという場を思い切り楽しんでいることが伝わってくる。

「楽しいからやっているんだし。楽しくないとやっている意味ないですよね」と瞳。芹沢も「この店をやらないと生活が成り立たないというのならキツイかもしれないけれども、僕らの場合、やめたほうが経済的負担は減るわけですから。あ、でもそのかわりにまた毎晩別の店に飲みに行くとなるとプラスマイナスゼロかな」と微笑む。

とはいえ、3人はそれぞれ、昼間は別の仕事をしている。その仕事とshhGarageの運営。どのように両立させているのだろう? 瞳は次のように語る。

「キツイなと思うことが全くないわけじゃない。例えばこの店が午前2時に終わって、家に帰って就寝するのは午前4時近く。朝9時からミーティングなんていう時は眠くてたまらないし(笑)。そういうポイントだけ見るとキツイこともあるけど、もうちょっと次元を上げて俯瞰して見てみると、そのキツささえも私の人生の一部で、素晴らしく愛おしいと思えてくるんです」

一方で芹沢は「昼の仕事が本業、Garageでの仕事が副業と分けて、それを両立するみたいに考えたことがない」と言い切る。

「ここでやっていることが別の仕事につながっていることもあるし。瞳ちゃんが言うように、全部ひっくるめて自分の人生なわけだから。よく『二足のわらじを履いている』みたいに言われるけど、僕にとっては、わらじは一足なんです」

そもそも、芹沢の「働き方」についての考え方は、明快だ。

「今って、多くの人が会社に紐付いているけれども、これからは逆に『人に会社が紐づく』時代になってくると思う。僕もそうだけれども、それこそ日比谷さんなんて、いくつの会社の仕事をしているんだ? という感じだし。そうなったほうが面白いんじゃないかな」

将来の夢は“伊豆のサウナロックバー”?!

「芹沢さんと2人で楽しみたいということで始めた場がこんなこと(shhGarage)に(笑)。毎晩、好きな人たちといい音楽を聴いて、おいしいお酒を飲めて。最高ですよ」と日比谷は充実感を漂わせる。最後に、今後どんな展開を考えているかを訊いてみると、芹沢から意外な言葉が返ってきた。

「僕の出身地の伊豆で、サウナと温泉とロックバーを組み合わせた店を作りたいんです。理由ですか? 最近僕がサウナにハマっているから(笑)。毎日ロックバーに通っていたから、ロックバーを作ったんです。今は毎日サウナに行っているから、サウナを作りたい(笑)。“伊豆のサウナロックバー”、なんだかよくないですか? オーシャンビューで『ホテル・カリフォルニア』とか聴いたら絶対最高!」

どこまでも“自分たちが楽しいと思えること”に忠実に。shhGarageは、これからもゴキゲンなロックンロールを響かせながら、この店にやってくるみんなと一緒に成長していく。


shhGarage
http://shhgarage.com/