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「新しい」を求めると新規事業は生まれない!? 「異分子結合」を推し進める J. フロント リテイリングのワークショップに潜入

第19回 J. フロント リテイリング「異分子結合ワークショップ」

文:西本 美沙 / 写真: 菊池 くらげ 04.02.2019

今回取材にお邪魔したのは、大丸松坂屋百貨店やファッションビル「パルコ」を傘下に持つJ. フロント リテイリングが会社と労働組合で共催する「異分子結合ワークショップ」。新規事業や新しいサービスなど、新たな価値を生み出すために異分子との結合を促す会ということですが、どんな交流会なのか? さっそく潜入です。

今回は静岡エリアで勤務する大丸松坂屋百貨店やパルコの皆さんが参加するとのことで、カンパネラ編集部が取材に向かったのはJR静岡駅前のイベントスペース「LINK」です。


え、そんな人だったっけ? それぞれの個性を可視化

「異分子結合ワークショップ」は、今回が第2弾。東京・大阪・名古屋の3都市で新規事業の作り方を体系的に学んだ第1弾に続き、今回は6都市で開催。多様な個性や価値観に触れ、新規事業の立案に慣れていない社員がアイデアを生み出すきっかけとするのが狙いでした。

枠にとらわれないワークショップをしたいということで、講師に任命されたのは、オーダーメイドネイルアプリ「YourNail(ユアネイル)」を手がける株式会社uni’que(ユニック)の代表や、クラウドソーシングに取り組む株式会社ランサーズのタレント社員など、様々な肩書で働く若宮和男さんです。

一級建築士の資格を持つほかマルチな才能を生かして幅広く活躍する若宮和男さん

さっそくカンパネラ編集部も“外部因子”としてユニークなワークショップに参加させていただきました。

会場の机に座ると「ユニーク発見シート」と5色のタグが置かれていました。まずは、脳の働きをやわらかくするゲームからスタートです。今回は、脚本家であり、演劇創作ユニットmizhenでも活躍する藤原佳奈さんもサポート役として参加。まずは体を動かしながらゲーム形式で参加者の緊張をほぐしていきます。


「○○○といったら△△△」という連想ゲームを用いながら、グループメンバーの名前も覚えていきます
意外とリズムに合わせて連想していくのが難しい

脳の働きをよくした後は、隣り合わせの人と「ユニーク発見シート」でインタビューをしあいます。「あなたはなにフェチですか?」「あなたが許せないことはなんですか?」「自分の直したいところはどんなところですか?」。こうした質問から相手の特徴を掘り下げていきます。


フェチは「ぷっくりとしたふくらはぎです」、なるほどなるほど。許せないのは、「ちょっとだけ料理を残す人」。あーわかりますわかります。

相手が書き込んだ特徴をもとに、気になるワードをタグに書いていきます。



気づけばどのグループにもいろんなタグが並べられていました。「馬好き」「ルーズ」「マイペース」「人の弱点探し」「ポイ捨て」「忘れっぽい」……。



ちょっとした思考転換が固定概念を壊してくれる

初対面の人でも、タグでなんとなく人柄がわかってしまうような不思議な感覚になりました。次の課題はグループごとにタグを活用してこんな人のための「〇〇な書店」を作るというもの。テーブルに置かれたシートにどんな書店がいいかを「擬音」だけで表現し、みんなの前でプレゼンします。


「どんな書店にする?」「どのタグ選ぶ??」「擬音ってどういうの???」

「え、その書店行きたくないですよね?」「いや、それでいいんじゃない?」「だったらこういうのはどう?」

サササッとペンを持ってシートに書き出し始める人、うーんと腕を組んで考える人、ここでも人柄が見えてきます。




書店のアイデアをシートに書き終え、プレゼンを迎える直前になって、若宮さんが「あ、これを〇〇な本屋じゃなくて、〇〇な百貨店として発表してみてください」と声をかけました。「え??」と戸惑いながら、それぞれのアイデアを百貨店に置き換えてみると、各テーブルから笑いが。

そう、これは若宮さんの作戦。ジャンル違いの本屋でまずは考えさせ、あとでそれを自分たちの仕事場である百貨店に置き換えてみるという思考転換を促したのです。




「温泉が併設されていて、パジャマで過ごしていただく。つまりお客さんがダラダラできる百貨店です」
「領収書も出してくれないし、何もしてくれない百貨店です」
「プニプニ触感を楽しむ、触れるかもしれない百貨店です」
など。

いろんな百貨店のアイデアが発表され、そのたびに笑い声が漏れてきました。

いつも自分が真面目に向き合っている「百貨店」だからこそ、それぞれのアイデアで思わず笑ってしまうのかもしれません。




カンパネラナイト