ナウい飲みニケーション!

サービス多様性の爆発へ。テクノロジーと人をゆるく媒介する「カンブリアナイト」

第15回 交流会「カンブリアナイト」へ潜入

文:西本 美沙 / 写真: 菊池 くらげ(特記なき写真) 08.28.2018

今回は「カンブリアナイト」というイベントに潜入です。様々な業種や職種の人々が集まり、現代のテクノロジーを活用して「サービス多様性の爆発」を目指すイベントとのことですが、一体どんな内容なのでしょう?

中央の二人が主催者の新城健一さん(左)と菊池隆裕さん

今回は、いつものオフィス飲み会とは趣向を変え、交流会イベントに参加していきます。今回お邪魔したのは「カンブリアナイト」(ヒューマンセンシングビジネス研究会)です。

カンブリアナイトとは、「センサーによる『みえる』、専門家・人工知能による『わかる』、介入サービスによる『できる』の連携で、様々な課題を解決する『変わる』を目指す、サービスの多様性を考えるイベント」とのことです。

どんな人たちが集まっているのでしょうか。さっそく潜入です。

カンブリアナイトが開催されていたのは、孫泰蔵氏率いるスタートアップ支援事業を行うMistltoe(ミスルトゥ)のイベントスペース。

様々な業界の方が集まり、飲みながら意見交換をしていました

開始時間になると、ゆるゆると参加者が集まってきました。参加者が受付をしていると、遠くから「こんにちは! 久しぶり!」と笑顔で声をかける方が・・・。

本イベントの主催者の一人で、サービスデザインなどを手がける株式会社HORBAL(ホオバル)取締役の新城健一さんです。新城さんは、ホオバル以外にも、医療VR(バーチャル・リアリティ)を手がけるHoloEyes(ホロアイズ)株式会社の取締役、ミスルトゥや東京学芸大こども未来研究所のフェローを務めるなど何足ものわらじを履いています。

こだわり1 テクノロジーの「眼」をつながりで増大させる

「なぜカンブリアナイトを始めたのか?」新城さんにお話をうかがいました。

カンブリアナイトを主催する新城健一さん

カンブリアナイトは、新城さんと日経BP社日経BP総研イノベーションICTラボ上席研究員の菊池隆裕さんが共催し、2016年の秋から2カ月に1度のペースで開催されています。クローズドで開催されていた時期も含めると今回で16回目となり、これまでの参加者は、延べ705団体1030人以上にもなるといいます。

イベント名の「カンブリア」は、生物の多様性が爆発的に増えたカンブリア紀に由来しているそうです。

イベントを始めたきっかけは、「人生を諦めかけた時がありましたが、二度と閉塞感で人生に蓋をしたくない」という新城さんの体験。「今日できないことができるようになる明日がきっと来る」との思いが根底にあるといいます。

「明日を変えるためには、一人じゃできないことは誰かと手を組み、素手じゃできないことなら道具を使う必要があります。手を組むことは、アライアンスやオープンイノベーションと呼ばれているものかもしれないし、道具は現代ならテクノロジー。そのきっかけをカンブリアナイトで作りたい」

「カンブリア紀に『眼』が生まれ、生物の多様性を後押ししたと言われています。テクノロジーやセンサーは、人間が技術で手に入れた現代の『目』です。その『目』で色んなものが『みえる』ようになり、それを専門家が解釈し、それをAI(人工知能)が機械学習し『わかる』ようになる。その情報に基づいて専門家が介入『できる』ようになり、人々の生活が『かわる』。

この『みえる』『わかる』『できる』『かわる』のループを作れば、閉塞感のある環境を変えていけるんじゃないかなと思うんです」

このループを作るきっかけには、業界ならではの閉塞感という課題もあったそうです。新城さんはさらに次のように話してくれました。

「テクノロジーがいくら進化しても、それだけでは人々の生活は変えられない。やはり物理的に人に介入できるトレーナーや医師などが必要です。でも、テクノロジーとそのような人って距離が遠いんです。そこを出会わせたい」

カンブリアナイトの常連だという中本泰さんも、そんな思いを持つ一人。そして、今だからこそ、このイベントを続ける価値があると言います。

「ウエアラブルセンサーを作っていたんですが、世間にどう役立てればいいか悩んでいた。その時に、新城さんに相談して、この会が始まった。今はオープンイノベーションの時代。大企業主導じゃなく、それぞれの領域の人が自由に交流できる仕組みが必要です。大企業にもこのイベントを知ってもらいたい」

鹿内学さんと中本泰さん
伊東食堂