ネオンとオンナ

私は「おじさん」に憧れていた

ネオンが好きなアラサー女性によるおじさん考

文:鈴木 麻友美 05.26.2016

来世では「おじさん」になりたいと思うほどに「おじさん」に憧れている。“ものさし”を与えてくれて、そして毒にも薬にもなるおじさんとは、いったいどういう存在か? ネオンが好きなアラサー女性によるおじさん考。

もちろん、蛇足かつ基本だが不倫はダメ絶対である。

誰かにとっての2番手という立場を一度でも受け入れた人は、恋愛のみならずいろんなシチュエーションで「2番かそれ以下」のポジションに甘んじてしまう光景を何度か見た。

粘り強い精神と諦念を持ち合わせていれば別の話だが、異性とのつきあい方で、自己評価の高さと低さの狭間で迷子になりメンヘラ化する人は多いのだ。

毒でもある、そして薬でもある、それがおじさん

閑話休題、おじさんというのはつまり毒でもあるし薬でもある。

素敵なコンテンツであり、踏み絵的なもの。

おいしいごはんを食べて会話が盛り上がり、ちょっと素敵なおじさんと、まわりから何か疑われる関係になるのは、確かに簡単かもしれない。

まわりから勘ぐられる人にはふわっとしたお人好しが多いのかも。「断りきれない」とか「そう求められてるから」。要は嫌われたくない気持ち。

でも、そんなことで嫌われて誘われなくなるんじゃって思考回路は、自己評価が低すぎるし、じゃあ逆にそれでおじさんをつなぎとめられると思うなら、それって相反して自己評価高くないか?と。

そうだいたい、自己評価の高さと低さがいりまじる決断ポイントで、人はメンヘラになったり踏み外す。いちど踏み外すと情が湧いてしまって、泥沼にはまっていくという話。

そんな他愛のないきっかけで始まったグダグダ継続した関係っていうのはきっと、我々がおじさんをスクリーンに「バブルの幻影」を見たように、あなたは恋の実態そのものではなくて、いつかの恋やいつかの妻の幻影のスクリーンになっているだけだ。

1ミリも頼まれていないけど、同世代の女性に言いたい。

たぶん、おじさんたちはそんなにあなたたちにそんなに期待していないし、だからガッカリもしない。

おもしろい奴だったら、また飲みたいうまいもんを食わせてやろうかと思うくらいだ。

なぜなら、彼らは私たちが思っている以上に責任もあってかつ自由な存在だから。

家族を支え会社を支えている以上、心身ともに強靭だから。

5月病という言葉がちらほらと発生するこの季節。ちょっと疲れたりしたらおじさんにおいしいものを食べに連れて行ってもらって心ゆくまで会話と料理を楽しみ、その体験をいろんなところに還元すればいいじゃないと思う。自分の彼氏だって夫だって後輩だって、そのうちおじさんになるんだから。

鈴木 麻友美(すずき・まゆみ)
1983年、神奈川県生まれ東京都在住の会社員。Hotchkiss所属。広告業界の片隅に生息するプランナー/プロデューサー。赤ちょうちんと鮨と蕎麦が好物で夜はたまにクラブDJに変身。都会に疲れしばらく海辺ぐらしをしていたが、現在都内に仮住まい中。本コラムではTOKYOに浸かりつつ距離もとりつつ、愛と諦めを持ってTOKYOのヒト・モノを観察します。
Twitter/Instagram @kingmayummy
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家飲み酒とも日記