ネオンとオンナ

SNSにおける「モテ」と「非モテ」の踏み絵

“美人なのになぜか彼氏ができない”友達・めぐみ(仮名)の話

文:鈴木 麻友美 11.17.2016

スペックが高いのに彼氏ができないアラサー女子がいる。そこまでイケメンじゃないのになぜか女性が群がる男性がいる。なんで?と思うが、その理由はSNSの使い方に表れているように思う。「それは異性、萎えるがな~」な情報過多のパターンを分析してみた。

異性が萎えてしまう「情報過多」のパターン2つ

そんなプル型広告みたいな人間も現実に存在する。積極的に口説こうとか仕掛けようとしなくても、存在してるだけでモテる人。

男性の場合、とびぬけたイケメンじゃないのにそういうこともある。俗に言うあの「雰囲気イケメン」である。

あいつらは状況がアンニュイな写真を、たいしたキャプションなしにインスタグラムに上げる。それに対して「これどこ?」「だれ?」「私もそこに行きたい」女子がわらわらと寄ってたかっている光景をよく目撃する。

人間プル型広告、まじですごい。そういう人を前にすると、飢えをしのぐように渇きを癒やすように、いろいろ知りたくなる。

そして会話も、そのキャッチボールが快感となる。恋の魔法はこういうところにあるんだろうなぁと思う。

30歳を過ぎてくると、めんどくさい耐性はどんどん低くなるのに、情報化社会は進み人々はいろんなものを発信しまくっている。垂れ流しを眺めて「いいね」する分にはいいけれど、返信を求められる類のものが増えてくると、つらい。

そんなこと言いながら、こんな長文を書いて、人様に読んでいただいている私はモテないの典型かもしれない。

最後に、モテない私から見ても「それは異性、萎えるがな~」な情報過多の2つのパターンを紹介しておく。

パターンその1:うわなり打ちな女

日本の中世から江戸時代にかけて、自分の夫を妾や後妻(うわなり)に奪われた女性には、「復讐する」権利があった。

まず先妻から後妻に使者が送られ、宣戦布告する。恐ろしい風習のようで、体型化されたルールのある風習だった。必ず襲撃日時を予告すること、そして人数と「ホウキ5本とクワ2本持参」(刃物は禁止だったようだ)といった具合に武器をきちんと申告するのだ。そして、人を攻撃してはならず、攻撃対象は主に家や家財のみ。布告された方は同じ人数と同じ武器でフェアに応戦する。

そもそも、本当に夫を奪い返そうとか、恨みつらみから相手を傷つけようとしたら、奇襲攻撃に限る。武器の種類なんて開示しない。

現代社会においても事前に武装をアピールするのは牽制のためである。そう、うわなり打ちは、プロレスなのだ。

そんなうわなり打ちなアピール女が現代にもたくさんいる。

買った高い靴やバッグ、ネイルサロン帰りのキラキラの爪の写真を「自分へのごほうび」とアップする人。関西人ならばここで、キャプションで「なんぼやったと思う?」からの「メルカリで980円やねん」的なオチがありきだったりするんだが、そういうんではない。ファッションやヘアやネイルは、女性における武器だ。相手を落とすための武器は、本来は隠しておくのが得策である。

「ふつうの女」だと思ってたのに「まるで別人のそのプロポーション」に突然恋に落ちてしまう。奇襲攻撃に人は弱い。

うわなり打ちな女は闘いの前にSNSで武器を開示する。彼女たちはたいてい、いい子だったりする。

でも、異性からは「俺のためにじゃなくて、承認欲求のためにおしゃれしてるのか」とか「金のかかりそうな女だな」と思われるリスクもある。

SNS映えやオシャレ同性とのマウンティングには勝ちつつ、異性との恋の闘いには負けかねない、こんな矛盾が現代だなぁと思う。

カンパネラナイト