スーパードライ 進化と創造

氷点下で味わう「エクストラコールド」 よりキメ細かな泡、新感覚の「辛口」実現

構成/写真(特記のないもの):カンパネラ編集部(長坂 邦宏) 06.10.2019

ビールの温度を氷点下に冷やして提供し、今までにない冷涼感を味わえる「スーパードライ エクストラコールド」。口にした瞬間、クリーミーな泡立ちと、よりさえわたる「キレ味」の新しい感覚をおぼえる。氷点下にすることで、いったい何が違ってくるのか。「氷点下のスーパードライ」の飲み方、そしてそのブランド戦略上の役割を聞いた。

(前回の「官能検査」はこちら

「氷点下のスーパードライは、五感で楽しめ。」「かつてない、新感覚。」──。

こんなメッセージで語られる「スーパードライ エクストラコールド」は、最先端の温度管理システムと独自開発のタップ(サーバーの注ぎ口)により、スーパードライの樽生を氷点下(-2℃~0℃)の温度帯で提供する生ビールだ。

その泡は以前よりキメ細かなものに仕上げられ、「さらりとした飲み口」を実現するという新しい飲み方が提案されている。

氷点下の「スーパードライ エクストラコールド」。金属製タワー(左)は白く氷結し、冷涼感が演出される(写真提供:アサヒビール)

これからビール需要の最盛期となる夏場に向かう。より冷たく、おいしく、楽しめるビールは、のどの渇きを癒すのにとてもありがたい存在だ。

「スーパードライ エクストラコールド」はスーパードライのブランド戦略上、どんな役割を担っているのか、その最新の魅力は何によって実現されたのか。アサヒビール株式会社営業本部業務用統括部 主任の川村健晴さんに聞いた。

アサヒビール株式会社営業本部業務用統括部 主任の川村健晴さん。右後方は小型化したスリムタイプのサーバー。ビールの温度は-2.2℃まで冷えている。「TOKYO隅田川ブルーイング バルstyle」(吾妻橋1-23-36)にて

──エクストラコールドという飲み方はいつごろ登場したのですか。

川村健晴さん(以下、川村) 「エクストラコールド=ビールを通常よりも冷たく冷やして提供する」という方法は、2000年頃欧州のビールメーカーで取り組みが開始されました。弊社は「スーパードライ」ブランドの若年層への訴求強化のための一つのアイデアとして調査・検討を始めましたが、このエクストラコールドという飲み方は「スーパードライ」という商品と非常に相性が良い、ということがかってきました。

ただ、氷点下の温度帯まで安定してビールを冷やす、という試みは技術的なハードルがとても高く、様々な試行錯誤を繰り返しながら開発を進めてきました。そして2009年9月のテスト展開を皮切りに、「スーパードライ エクストラコールド」として展開を開始しました。

「味のキレ」「シャープさ」「のどごし」が際立つ

──氷点下に冷やすと、どんな効果が得られるのですか。

川村 ビールが凍る一歩手前の温度帯まで冷やすと、ビールそのものが持つ苦味がかなり抑えられます。そのかわり、「味のキレ」「シャープさ」「のどごし」といったスーパードライが持つ特長をより際立たせることができます。

アサヒビールが2009年6月に実施したスーパードライの「飲み頃温度の調査」(n=120)によると、0℃で飲んだ場合、「味のキレ」「シャープさ」「のどごし」などを強く感じるといった回答が50%を占めていました。しかも、20代では60%の方が、より冷えた温度を好むという結果になりました。



──ということは、若者層が主なターゲットに?

川村 いわゆる若者のビール離れが進んでいると言われるなかで、ビールの苦味をあまりおいしいと思っていただけない若年層をターゲットに、「ビールってこういう味もあるんですよ」という新しい楽しさ、付加価値を提供したい、という発想が「スーパードライ エクストラコールド」開発の原点です。

苦味はそもそもビールの味を構成する重要な要素の一つです。単に苦味を抑えたビールを開発するというよりは、基幹ブランドであるスーパードライの良さをさらに引き立てつつ、若年層のお客様にもより楽しんで頂ける飲み方を開発したい、という関係者の思いが、現在までの展開につながっています。

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