スーパードライ 進化と創造

ビールの命は鮮度、世界最速で届ける翌日出荷の「鮮度実感パック」発売

構成/写真(特記のないもの):カンパネラ編集部(長坂 邦宏) 06.14.2019

品質へのこだわり、あくなき鮮度の追求──。スーパードライは「鮮度=おいしさ」を守り続け、国内No.1ビールの座を維持する。鮮度追求がどのように行われているのか、生産本部、マーケティング本部の第一線の担当者に聞いた。

(前回の「スーパードライ エクストラコールド」はこちら

1987年3月17日──。この日の発売以来、「アサヒスーパードライ」は「さらりとした飲み口、キレ味さえる」という辛口の概念をビールの世界で初めて打ち出し、たくさんの消費者に支持され、まさに国民的なビールとして30年以上も飲まれ続けてきた。いまも国内ビール市場ではダントツのシェアだ。

日本を代表するビールとして「THE JAPAN BRAND宣言」したスーパードライ。あらためて足元を見つめなおし、「辛口の再定義」に今年は挑む。味のセンター値は決して変えることなく、新たな進化と価値の創造をめざす。

こうしたブレのない姿勢を貫き、「どこでも同じ味」を守り続けられるのは、高い品質保証技術があるからであり、そのひとつに「官能検査」という人間の五感をつかって日々検査を積み重ねていることを前々回の記事で紹介した。

テレビCM「ビールの命は、鮮度だ。」編より

それでも、品質向上へのチャレンジはさらに続く。スーパードライが担う宿命は「鮮度」の追求だ。「究極の鮮度」を求め続けるチャレンジについて、アサヒビール株式会社執行役員で生産本部 製品保証センター所長の山岸裕美さん、同生産本部物流システム部 課長の加藤篤史さん、同マーケティング本部ビールマーケティング部 課長の沼中将夫さんに聞いた。

6月14日に発売される「鮮度実感パック」は製造後翌日に工場出荷される。でたてのうまさを消費者に届ける“究極の鮮度”を実現した(写真提供:アサヒビール)

スーパードライは「製造から出荷」を3日台まで短縮

──「ビールの命は、鮮度。」としていますね。あらためて教えていただきたいのですが、なぜ鮮度が大切なのですか。

山岸裕美さん(以下、山岸) ビールの鮮度が落ちると、酸化が原因でキレが落ちたり、不快な臭いが発生したりします。E2N(トランス-2-ノネナール)という物質が生じ、それが保存にともなう温度変化や酸化劣化の影響で製造後に増えていくことが原因とされます。できたてのビールはそうした物質が増える前の状態で、やはりビールとしては鮮度が高いほどおいしいということになります。「できたてのうまさ」はアサヒビールがずっと追求してきたテーマです。

アサヒビール株式会社 執行役員
生産本部 製品保証センター所長
山岸裕美さん

──スーパードライの品質向上の取り組みを振り返ると、93年には鮮度向上活動の一環として「フレッシュマネジメント委員会」が発足しています。

山岸 実際にはその前から品質および鮮度向上の取り組みは始まっています。品質向上および鮮度向上は一朝一夕にできるものではなく、改良を絶えず繰り返していかないと実現できるものではありません。

沼中将夫さん(以下、沼中) スーパードライが発売される前から「フレッシュローテーション」という取り組みがスタートしており、工場からの出荷の短縮や流通の効率化の推進、店頭での日付管理などの活動が始まっています。

アサヒビール株式会社 マーケティング本部
ビールマーケティング部 課長
沼中将夫さん

──スーパードライの「製造から出荷」までの日数を調べると、93年当初は10日以内達成ということでした。いまはどこまで短縮されていますか。

加藤篤史さん(以下、加藤) スーパードライの場合、3日台まで短縮しています。工場で製造された製品は、いったん倉庫に入り、お客様の注文に応じて順次出荷されていくわけですが、この倉庫に一時的に保管されている平均日数が3日台ということです。

アサヒビール株式会社 生産本部
物流システム部 課長
加藤篤史さん

──アサヒビールの取り組みとして、「製造から出荷」までをどのように短縮してきたのですか。

加藤 資材調達、製造、出荷までのサプライチェーン上の各工程でリードタイムを短くする取り組みを徹底したことで在庫を減らし、短縮してきました。

資材調達については、工場別、日別、品種別の製造計画をサプライヤーと共有し、必要量を製造前にジャストインタイムで工場に納品いただいています。製造については、出荷の日々の変動に合わせて、フレキシブルに製造計画を変更できる体制を構築しています。また製造後、すぐに出荷できるように、正確に迅速で精度の高い品質保証体制を全工場でとっています。出荷については、工場から配送センターを介さずに、卸店様に直接お届けする比率を高め、自社倉庫での在庫日数を減らしています。

営業部門とも連携しています。週に1回、需給会議を開き、市場動向や営業方針を共有し、製造計画に反映しています。

1987年3月17日発売以降のスーパードライの製造後出荷の日数などをまとめた表(2019年4月16日プレスリリースより)

──「鮮度実感パック」という製品を発売しています。その取り組みのポイントは?

加藤 早朝~午前中に製造後、すぐに出荷が始まりますが、出荷時間に間に合うよう、品質保証を正確に迅速に、精度高くできるアサヒビールの強みがポイントです。

山岸 スーパードライにはアルコール、ガス圧、エキス、発酵度、苦味、色など製品の規格というものがありますが、それぞれのチェック項目を正確に、高い精度で品質保証をしなければなりません。化学分析、官能検査も品質保証のひとつですが、それ以外に微生物分析など様々な項目があり、一つひとつの分析をどれだけ正確に、高い精度でできるかが重要になります。

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