「ネットで話題」はリアルでも話題になるか?

インスタグラムで人気のドライブスポット、行ってみたらすごかった

文/写真:鶴野 充茂 11.17.2016

このネット時代、人気のある観光スポットは「写真映え」する場所。しかしネットで話題になっている「フォトジェニックな観光スポット」は、実際のところどうなのか。インスタグラムで人気を集めている、琵琶湖周辺の観光スポットに行ってみました。

実はこの並木道にあるメタセコイヤは、もともと防風林として1981年に植えられ始めたということですから、まだ35年ほどしか経っていないことになります。地元の人の手によって比較的最近作られた景観であると。これにも驚きです。そんな場所が新・日本の街路樹百景に選ばれ、CMで使われたり、観光スポットとしてメディアで紹介されたりして注目されたというわけです。

やはり写真撮影を主な目的に来ている人は多いようで、人がひっきりなしに訪れて、駐車場近くから写真を撮っている人が目立ちます。たまたま立ち寄る、あるいは通り過ぎる場所ではなく、目的地になる場所というのは、魅力的な情報が生み出される条件の1つかもしれませんね。

グループでドライブやツーリングに来ている人たちも多く、渋滞というほどではありませんが、メタセコイヤの緑の下をたくさんの車やバイクが行き来していました。

意外と知られていないのは、この場所が農業公園にあり、果樹園で収穫体験や食べ放題などが提供されている場所でもあるということです。さくらんぼ、ブルーベリー、ぶどう、くり、りんご、さつまいも、落花生など季節折々の味覚狩りが楽しめるようになっています。家族で過ごすのもいいですね。

夜明け前から本気の写真家が集う白髭神社

メタセコイヤ並木を後にして、琵琶湖沿いの国道161号線を大津方面に約30分。突然進行方向のほぼ正面に、琵琶湖に浮かぶ鳥居が見えてきます。それが「近江の厳島神社」と呼ばれる白髭神社のシンボルです。

ここにもまたひっきりなしに観光客が訪れているのですが、ネットで訪問者のコメントを読んでいると「神秘的すぎる」「パワースポットだ」などといった声の中に、「次は朝日(夕日)の頃にまた見に来たい」なんてことが少なからず書かれている。ならば、ということで、一泊して翌日、改めて日の出前にやってきました。

すると驚いたことに、日の出の一時間近くも前からすでに人が来ていました。なんとまあ随分早くからいるものだ、と近づいていくと…

湖面近くまで降りたところにたくさんの写真家が防寒具に身を包んでスタンバイしているではありませんか。その数20~30人といったところでしょうか。平日ですよ。月曜の早朝です。

そんな写真家がたくさんいる中に2人、少し離れた位置に三脚を立てている人たちがいました。夜明け前ですから周囲はまだ薄暗い。

「ひょっとして」と思い、こちらは道路の高さからですが、その人たちのすぐ後ろにポジションを決めてスタンバイしました。

するとどうでしょう。太陽がまさに鳥居の間から上がってきたのです!

そしてこの写真が、そうやって撮れた白髭神社の鳥居と日の出です。

その2人組は、ものすごい精度で日の上がる角度を計算し、ちょうど太陽が鳥居の間を通る瞬間を捉えようと待っていたということです。

来る時間や天候、季節によって異なる景色が見られるというのも、魅力の1つになるのかもしれません。

白髭神社は、近江最古の大社で道案内の神様、猿田彦命(さるたひこのみこと)を祭っており、延命長寿などの御利益があると言われています。与謝野鉄幹・晶子夫妻、松尾芭蕉、紫式部などの歌碑や句碑が境内にあります。今の本殿は豊臣秀吉の遺志を受け継いだ秀頼が寄進して建てたものとのこと。

そして豆知識として、高島屋の名前の元となっている高島は、この白髭神社とメタセコイヤ並木のある高島市の高島から来ています。

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