海外酒場事情

スタバはまだないけど、そのぶん個性的! ウラジオストクの手づくりカフェ文化を楽しむ

文:中村 正人 / 写真:佐藤 憲一 05.14.2019

ロシアでは、カフェはお茶やスイーツを楽しむだけでなく、食事やお酒も楽しめる場所だ。ピロシキやブリヌイ(ロシア風クレープ)の専門店など、ロシアにしかないカフェも多い。スターバックスのような、世界中どこにでもあるグローバルチェーンがまだ出店していないところも魅力。彼らなりの遊び心にあふれた個性的なカフェがウラジオストクの街中にもあふれている。

最もプレーンなブリヌィはジャムとクリームソースがけ。105ルーブル(約180円)

ロシアらしいカフェの代表といえば、街の中心からビーチへと延びる噴水通り沿いにあるブリヌィの人気店「ウフ・トゥイ・ブリン」だろう。ロシア風クレープのブリヌィは、小麦粉の生地のクレープにジャムやハチミツなどのシップをかけて紅茶と一緒にいただくスイーツだが、サーモンやハム、チーズなどをはさめば軽食になる。

以前、本コラムで紹介したピロシキの店もそうだが、ロシアでは粉モノグルメはスイーツにも食事にもなるのが特徴だ。

「ウフ・トゥイ・ブリン」はモスグリーンの外観が目印

この店は、カウンターでクレープに入れる具材を選び、先払いするシステムだが、ボリュームもたっぷりだ。オホーツク海産のサーモンなどの地元食材を使った具材を選べば、ビールにもよく合う。

サーモンとチーズ入りブリヌィ 230ルーブル(390円)

若者たちの目に新鮮に映るソ連時代のレトロな雰囲気

もうひとつロシアらしいカフェといえば、ビーチ沿いのパグラニーチナヤ通りにある「ドルージバ」だろう。この店は老舗のカフェで、店内はソ連時代のレトロな雰囲気を漂わせているのが特徴だ。

ウラジオストクでは老舗のカフェ「ドルージバ」

写真を見ると、まるで古き良きアメリカの1950年代のダイナー(大衆食堂)のようにも感じられるかもしれないが、店内のディスプレイやメニューなどの文字はすべてキリル文字。飾られる写真はジェームス・ディーンではなく、ソ連時代の人気歌手で、アメ車のように見えるのは、ロシアの人気スポーツのアイスホッケーゲームの台である。

アメリカをすごく意識しているようで、でも中身はすべてソ連時代のアイテムなのだ。この感覚は、いまのソ連時代を知らない若いロシア人にとってはレトロで新鮮に感じられるに違いない(ちょうど昭和の時代を知らない日本の若者のように)。

キリル語のメニューが日本人の目には新鮮に映る
カウンターで語らうウラジオストクの若者たちはソ連時代を知るはずもない。奥に見えるアメ車のようなものは人気のアイスホッケーゲームの台だ

この古き良きロシアンカフェでは、食事やお酒がたっぷり楽しめる。メニューを見ると、ビーフストロガノフからロールキャベツ、カツレツ、ペリメニ、ボルシチといった定番のロシア料理はすべて書かれている。さらに、アルコールの種類も実に豊富である。酒のバリエーションについては、アメリカのダイナーより豊富なのではないかと思われるほど。さすがはロシアである。

ビールやウオッカはもちろん、カクテルの種類も豊富

伊東食堂