海外酒場事情

この夏イベント盛りだくさん! “健康志向”でウォッカよりビールが人気

文:中村 正人/写真:佐藤 憲一 06.29.2018

札幌と同じ緯度、成田国際空港からのフライトはわずか2時間半。「日本にいちばん近いヨーロッパ」といわれるのが極東ロシアの港町ウラジオストクだ。電子ビザの取得で観光がしやすくなったこの街は今後、日本人観光客の間で大きな人気を集めそう。ウラジオストクのスポーツ&カルチャーイベントとビールを楽しく飲める場所を紹介する。

サッカーW杯が開催中のロシアだが、大会が終わってもこの夏、各地でさまざまなイベントが待っている。ロシアの一地方都市にすぎないウラジオストクもそう。1年を通じてさまざまなスポーツ&カルチャーイベントが行われていることは、日本ではほとんど知られていないかもしれない。

ロックフェスにマラソン、ウラジオストクがおもしろい

たとえば、例年8月上旬に開催されるのが、ミュージックフェスの「ウラジオストク・ロックス(V-ROX)」。ロシアの伝説のロックバンド「ムミー・トローリ」のリーダー、イリヤ・ラグテンコらが立ち上げたフェスで、この時期、海水浴場となるスポーツ湾ビーチの特設ステージで開催される。国内外から多くアーティストがやって来て、街は熱気で盛り上がる。

ムミー・トローリは、ウラジオストク出身のメンバーで構成され、1980年代のソ連が崩壊に至る時期にデビューしたロシアを代表するロックバンド。バンド名はフィンランドの画家ヤンソン作のムーミン・トロールによる。世界的なヒット曲は『ウラジオストク2000』(1997年)。海外公演や来日経験も多く、最近では2017年11月末に渋谷でライブを行っている。
例年8月上旬に開催されるミュージックフェス「ウラジオストク・ロックス(V-ROX)」

ロシアで海水浴というのは意外に思えるかもしれないが、広大な国土のうち、国内でビーチリゾートが楽しめるのは、黒海沿岸か極東ロシアの南端で日本海に面したウラジオストクくらい。夏の季節が短いロシアの人たちは、6月になると早くもビーチ沿いに繰り出し、肌を焼いている。冬はマイナス10度を下回る厳寒の土地ながら、夏は日差しも強い。ウラジオストクには、市街地の近くだけでなく、手つかずの自然が残るルースキー島や小さな離島などにもビーチがたくさんあり、車に乗って30分ほどで行ける。この街の人たちは、夏になるとビーチ沿いでバーベキュー三昧の日々なのだ。

9月の第4週土曜(今年は9月22日)に開催されるウラジオストク国際マラソン(VLADIVOSTOK INTERNATIONAL MARATHON)も年々盛り上がりを見せている。

9月第4週土曜に開催されるウラジオストク国際マラソン

スタート地点は、2012年にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の会場となったルースキー島で、普段は歩行者通行禁止のルースキー大橋や金角湾大橋を渡り、ゴールは港に面して19世紀に建てられた西洋建築がズラリと並ぶ中央広場。

ハーフマラソンや5キロコース、1キロコースなどもあり、大人から子供まで走れるので、日本人ランナーの参加も増えている。ルースキー島と市街地をつなぐ2つの橋の上から無数の小島の浮かぶウスリー湾、国際フェリーやクルーズ客船の停泊するウラジオストク港を横目に眺めながら走れることがコースの魅力だ。

これら以外にも、ロシア沿海地方のシンボルであるウスリータイガーに仮装した市民が通りを埋め尽くす「トラの日」パレード(9月最終日曜)や国際音楽祭、映画祭といった夏のイベント時には街は祝祭ムードでいっぱいになる。

カンパネラナイト