海外酒場事情

日本にはない上海のカフェシーン、“コーヒーテーマパーク”の「スタバ」と名門女学院を改装した「gaga鮮語」

文:中村 正人/写真:町川 秀人 07.19.2018

中国ではキャッシュレス化が進み、スマートフォンのアプリサービスがあらゆる生活領域に浸透している。その結果、日本ではまだ体験できない新しいシーンに出くわすことが多い。とりわけ、グルメの世界はそうだ。今回は酒場の話ではないが、最近できた、いかにも上海らしいふたつのカフェの話をしよう。

スターバックスの“コーヒーテーマパーク”が大人気

2018年2月18日、上海にオープンしたスターバックスの体験型カフェ「STARBUCKS RESERVE ROASTERY SHANGHAI」。2014年にシアトルで誕生した“コーヒーテーマパーク”とも呼べる新タイプのカフェで、2800平方メートルにもおよぶ店内では、世界各国のコーヒーを味わえるだけでなく、コーヒー文化に関するさまざまな体験が楽しめる。

「STARBUCKS RESERVE ROASTERY SHANGHAI」の店内にある巨大な銅製の焙煎キャスク。デザインは中国の建築家によるもの

いまは少し落ち着いているかもしれないが、オープン当初の2月下旬に訪ねた時点では店の前に行列ができるほどの大変なにぎわいで、新しい観光スポットという感じだった。

南京西路にできた古代ローマのコロセウムのような建物の中に入ると、店内にはいくつものカウンターとベーカリーショップ、サイフォンなどの各種コーヒー器具などの販売スペースがあり、デザイン的にも洗練されたソファや座席が並ぶ。そして、店内中央に現代アートのインスタレーションのようにも見える巨大な焙煎機が置かれ、コーヒー豆の加工プロセスを見ることができる。2階には紅茶のコーナーやコーヒー関連の書物を集めた図書館もある。

「STARBUCKS RESERVE ROASTERY SHANGHAI」は地下鉄2号線「南京西路」駅の近くにある

その種の見かけの新しさだけではないのが、いまの上海だ。中国では誰もが利用しているモバイル決済アプリ「アリペイ」のアカウントを自分のスマホに取得しておくと、位置情報機能を通じて店内に入ったことが検知され、店内のフロアマップやメニュー画面が開く。店に置かれたコーヒー豆や各種スターバックス製品などもすべて見ることができるし、オンラインで買い物もできる。コーヒーにまつわるミニストーリーなどの読み物もある。

便利なのは、それを見ながらコーヒーを注文できるうえ、支払いはレジでモバイル決済できることだ。ちなみに中国のもうひとつのモバイル決済アプリ「ウィーチャットペイ」でも支払いは可能だ。

イタリアメーカーと提携したベーカリーのパンやケーキが楽しめる

開店に先駆けて行われたプレオープンイベントには、スターバックス創業者のハワード・シュルツ氏や中国IT界の顔であるアリババのジャック・マー氏なども出席したという。日本でも今年12月にオープンされる予定だと聞くが、一足早く上海でのオープンとなった。

これを残念というべきかどうかはともかく、この種の世界的トレンドスポットの誕生は東京より上海の方が早いというケースが増えている。

家飲み酒とも日記