海外酒場事情

しゃれた酒のつまみがいっぱい! ウラジオストクでたしなむウオッカの夜

文:中村 正人/写真:佐藤 憲一 10.30.2018

つまみを地元の食材が豊富なキタイスキー市場で買う

市内のリカーショップや食材店(ロシアではマガジンと呼ぶ)に行くと、数多くの銘柄のウオッカのボトルが並んでいる。なんでもロシアには5000種もの銘柄があるという。なかでも広く知られる銘柄のひとつが、サンクトペテルブルク産の「ルースキー・スタンダルト」だろう。またウラジオストクを含む極東ロシア・シベリアの地元銘柄といえば、シベリアのハスキー犬の名を冠した「ハスキー」や白樺という名の「ベリョーザ」だろうか。

「ルースキー・スタンダルト」を冷やして飲むとうまい(左)、「ハスキー」はボトルに烙印された犬の足跡が目印(中)、「ベリョーザ」は白樺の意味だが、18世紀後半、白樺の活性炭でウオッカを濾過する製法が開発され、ロシアのウオッカが誕生した(右)
市内のリカーショップ。国内外産のウオッカが並ぶ

これらは1本1000円程度で買えるので、ホテルに戻ってからの旅の同伴者との部屋飲みが楽しめる。これが楽しい。

その場合、つまみはどうするか。マガジンやスーパーでロシアテイストのポテトチップスや缶詰を手軽に買ってくるという手もある。だが、せっかくウラジオストクを訪ねたのなら、昼間のうちに見物がてら、市場で買ってこよう。

こちらではカニやエビ、イカなどのフレイバーのポテトチップがある

市中心部から東にバスで20分ほどの場所に、中国からの衣料や雑貨、そして地元の食材を豊富にそろえたキタイスキー市場がある(キタイスキーはロシア語で中国人の意味)。ここには日本ではあまり見かけない種類の野菜や香辛料、ハチミツやハーブ、中央アジアから届いたドライフルーツやナッツ類などが並んでおり、ただ歩いて見るだけでも面白いが、魚のコーナーに行くと、つまみにぴったりのサーモンの燻製やイクラなどが買えるのだ。

ロシアの市場の魚売りのおばさんたちは愛嬌たっぷり

ウオッカのツマミになるイクラや魚の缶詰が売られている

極東ロシアの町の市場では、キュウリウオ(和名)と呼ばれるシシャモに似た細長い体型の魚(20cmくらいの体長で少し大きい)がいて、一夜干しや素干しが売られている。これが地元ロシア人の好物つまみのひとつ。ウオッカもそうだが、ビールにも合う。

これがキュウリウオ。北海道沿岸やオホーツク海の冷水域に分布。キュウリに似た青臭さがあるため、この和名がある

ロシアでは市場で扱うほとんどのものに値札が付いており、明朗会計なので買い物も安心だ。ただし、サーモンの燻製ひとつとっても種類が多く、品質によって値段が違う。頼むと試食をさせてくれるので、それから選ぶといいだろう。

中村正人(なかむら・まさと)
エディター、ボーダーツーリスト
「地球の歩き方」のロシア極東、中国方面を担当。とりわけ国境地帯の動向に詳しい。ウエブサイト「ボーダーツーリズム|国境観光を楽しもう」を運営。国内ではインバウンドツーリズムの取材を続けており、ブログ「ニッポンのインバウンド『参与観察』日誌」を主宰。著書に「『ポスト爆買い』時代のインバウンド戦略」(2017扶桑社)。2018年4月に2泊3日で楽しむ旅行ガイド「Platウラジオストク」(ダイヤモンドビッグ社)を上梓した。
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家飲み酒とも日記