めがねの旅

日本にはない!?欧州の個性的なめがね店 ベルギー・アントワープより

眼鏡スタイリスト・藤裕美が贈る、めがね愛に満ちたエピソード:第3回

文/写真:藤 裕美 11.10.2016

眼鏡が嫌いだった私。カラフルで楽しい眼鏡に出会ってからは“めがね”にすっかり魅了されました。そんな私・眼鏡スタイリストによる「めがねの旅」のエピソード。第3回は、ベルギーはアントワープの眼鏡店訪問記。個性的な眼鏡店の数々、ご覧あれ。

ベルギーの第2の都市、アントワープ。私が眼鏡にどっぷりハマるきっかけを与えた、THEO(テオ)というブランドのオフィスがあります。今回はここアントワープのおもしろい眼鏡屋さんと、欧州ならではの眼鏡の選び方についてご紹介します。

私はアントワープには過去に何度か訪れてますが、中央駅に到着するたびに、いつも美しさに心を奪われてしまいます。

ベルギーの建築家Louis Delacenserieが設計した巨大なドームが美しい(左)。地下にあるホームを見下ろすと、ドームとは正反対の近未来の世界

前回触れましたアムステルダム・スキポール空港もそうですが、駅もその土地の文化に触れることができます。特にこのアントワープ中央駅は昔から大好きです。建物自体も美しいんですが、照明の使い方が他の駅よりも計算されている気がします。決して明るくないんですが、その独特の光が雰囲気をつくり、長旅で疲れた心も癒やしてくれます。

もともとヨーロッパのひとは自宅でも光をとっても重要視している気がします。部屋はメイン照明ではなく、いくつかの間接照明にキャンドル。心地良く自宅で過ごすための雰囲気作りに照明は必要なんだと海外の友人宅に遊びに行くたびに思います。

昔、眼鏡店の店長をやっていた時に、お店の照明をプロの方にお願いしたことがありました。さすが光のプロ。一気に眼鏡が奇麗に見えるようになりました。ブランドがこだわったカーブ感や色もばっちり。それでいてとっても自然。見た目と居心地が融合した美しさを実感しました。

アントワープ駅は昼と夜ではまた魅力が違うので、もし行かれた時は両方楽しんでくださいね。

アントワープはそんなに大きな街ではないのですが、非常に眼鏡店が多いのです。そんな中でもタイプの違う話題の3軒の眼鏡店を取材しました。Philip Hoet、e.blonde、Optik Somersです。

ぜひ店員に眼鏡選びをゆだねてみて!

Philip Hoetの店内。眼鏡はショーケースの中に美術品のように入れられており、客は自由に取れないようになっている
e.blondeの店内。まるで美容室にいるかのような印象
Optik Somersの店内。すべてのフレームは後ろの棚に収納されている

お店に入ると、日本の眼鏡店と大きく違うことに気付きます。まず、眼鏡の展示数がとっても少ないこと。ショーケースはあるものの、ガラスが1枚あって取れなかったり、カウンターの後ろで自由に入れない場所にあったりします。

これはなぜだと思いますか?

欧州では基本、来店してすぐに店員と話をしてから、眼鏡を選ぶことが主流なんです。もちろん、日本のようにたくさん陳列しているお店もありますが、お客様から支持されるお店は、展示数が少ないです。

海外の眼鏡店に入店したら、日本のように勝手に眼鏡を試着しないようにしてください。試着したいときは「Can I try this on?」と聞いてからにしましょう。さもなければ、とっても失礼なお客様という印象を与えてしまいます。

欧州では、ドラッグストアでも入店した客がすぐに店員に買いたいものを相談している姿をよく見かけます。今は少なくなりましたが、洋服店は呼び出しベルを押してからドアを開けてもらわないと入れない場合もあります。

日本人には接客嫌いなんて人も多いですが、ご自身の好みや知識は少し脇に置いて、「似合う眼鏡」選びを店員にゆだねてみるとよいでしょう。見た目で自分が気に入った眼鏡を選べたとしても、合ったレンズが入れられるか、掛け具合に問題がないか、といった点については、専門知識がないとわかりません。

店員におすすめフレームをセレクトしてもらうことが重要です

それに加えて、自分の魅力は意外に気がつかないもの。他の人の目で、“自分の新しい顔”を発見する。そんなつもりで、楽しみながら接客を受けてみてください。ひとりで選ぶより、長く愛せるものに出会えるはずです。

あなたの知らない魅力が、プロが選んだ眼鏡で引き出されるかもしれません。

家飲み酒とも日記