欧州ビール紀行

ロンドン:英国らしさ漂うパブで「ロンドンプライド」を味わい、思い出をつくる

文/写真:塩見なゆ 04.10.2019

歴史的建物のパブで味わう「ロンドンプライド」という名のビール

ロンドンに暮らす人々のパブの使い方は、そんなリキッドランチや夜の飲酒に限りません。朝から開いているパブやカフェなどでは、フル・イングリッシュ・ブレックファーストと呼ばれるイギリスの伝統的な朝食が提供されていて、それを目的に早い時間から訪れる人がたくさんいます。卵料理、ベーコン、ソーセージ、ベイクドビーンズ、マッシュルームソテー、トマトのソテー、トースト、ブラックプディング(豚の血のソーセージ)がそろったワンプレートで、これにビールをあわせて楽しむ姿がみられます。

フル・イングリッシュ・ブレックファーストと呼ばれる伝統的な朝食の一例

うかがったのは、午前10時にオープンするThe Barrowboy & Bankerという名前のパブ。テムズ川にかかるロンドンブリッジのたもとにある大きなパブです。1800年代は銀行として使われていた建物で営業していて、ロンドンの歴史ある建物の美しい装飾がいまも残されています。

大きな窓から吹き抜けの空間に日差しが入って明るくなった店内は、午前中から地元のオフィスワーカーやノマドワーカーがひっきりなしにやってきます。

フル・イングリッシュ・ブレックファーストは、ソーセージやベーコンなどビールのおつまみになるものばかりです。あわせるビールは、店員さんのおすすめで、ロンドン西部にある地区チジックにあるフラーズ醸造所の「Fuller's Bengal Lancer」(フラーズ ベンガルランサー)を選びました。インディアペールエール(IPA)で、ふくよかな味わいと柑橘系の爽やかな酸味が心地いいビールです。

フラーズ醸造所の「Fuller's Bengal Lancer」

フラーズ醸造所のビールといえば、フラグシップブランドである「Fuller's London Pride」(フラーズ ロンドンプライド)もぜひ飲んでみたいものです。比較的どこのパブにも置いてあって、すぐに見つけることができました。フルーティーなアロマが上品に香るペールエールです。モルトの甘味とホップの静かな苦味が心地よい余韻として残ります。


1845年創業のフラーズ醸造所がつくるフラグシップブランド「Fuller's London Pride」。フルーティーなアロマが上品に香るペールエールだ。

ロンドンの人々の息遣いが感じられるパブで、イギリスらしいペールエールをじっくり味わうひととき。よい思い出になりました。

塩見 なゆ
酒場案内人。1984年、東京都杉並区荻窪生まれ。新宿ゴールデン街に通った作家の両親を持つ。幼いころより中央線沿線の飲み屋へ連れて行かれ、物書きの大人と瓶ビールに囲まれて成長する。会社員として広報・宣伝畑を経て独立。趣味だった飲み屋巡りを本業とし、飲食専門のライターとなる。酒場に恋して年間2,000軒を巡る。
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