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カンパネラ終了!2人の編集長が5年間を振り返ってみた

 06.28.2019

■締めの三杯目!熟成期:2017年~2019年

──2017年3月にカンパネラがリニューアル。編集長がバトンタッチして新基軸を打ち出した時期です。よりお酒と食にフォーカスしたカジュアルなコラムが増え、一方でかっちりしたビジネス系のコラムも設けられました。

この時期、作家・角田光代さんの「角田光代の『もう一杯だけ☆ご一緒に』」「鉄道フォトジャーナリスト・櫻井 寛の “口福”の出張駅弁」「入門!ホムパの達人」など、これまでとはひと味ちがったコラムも登場しました。

思い出深いエピソードは何かありますか?

編集長B:リニューアルの際には企画当初の原点に戻ろうということで、「お酒とコミュニケーション」を強く打ち出したコラムを出していこうとしました。オンの場のコミュニケーションを描いたコラムの代表が「ナウい飲みニケーション!」、オフの代表が「ホムパの達人」です。

「入門!ホムパの達人」では、ホームパーティーという「オフの場」における、お酒と食の新しい楽しみ方を提案しました

本田直之さんにご協力いただいたコラム「本田直之の「賛否両論=オリジナリティ」 ~批判に負けず、クリエイティブに生きる~」や、カレー界隈で有名な水野仁輔さんにご登場いただいた「カレースター・水野仁輔の「カレー&ビール」C&B」も、原点に戻ろうという意図から用意したコラムです。

──「ナウい飲みニケーション!」を読むと、意外にスタートアップって飲みの場を積極的に活用していることが見えてきて、面白いですよね。

編集長B:スタートアップ企業は結構、飲み会という場を活かしていますよね。若い世代の人たちってネット上のコミュニケーションが中心というイメージがありますが、リアルなコミュニケーションにも積極的です。

「ナウい飲みニケーション!」では様々な企業における飲み会の活用法をレポートしました

あと、終了間際の企画のことになってしまいますが、2019年5月から6月にかけて実施した「カンパネラナイト」がすごく良かった。読者の皆さん、会場のイベント酒場「さばのゆ」にふらりとやってきた人、コラムニスト、コラムに登場した方々、アサヒビールさんの担当者、そして日経BPの編集スタッフが別け隔てなく交流できて、皆さんに好評でした。もっと早くカンパネラナイトを開催していても良かったかもしれません。

「カンパネラナイト」の一幕(左写真の撮影:菊池くらげ)

──まさに「お酒とコミュニケーション」というカンパネラのテーマを自ら体現したイベントだったと言えそうですね。

この時期、コラム「塩見なゆの一寸一杯」をはじめ、さらにディープな雰囲気のお店も登場して、以前のカンパネラとは対照的な面白さがありました。

編集長B:そうですね、ディープな一方で、コミュニケーションを促すような雰囲気の酒場を選んだりと、「お酒とコミュニケーション」というテーマは常に意識してましたね。

あと、この時期はサイト上のデータを以前よりも細かく取得して、それをコンテンツづくりに活かせるように取り組みました(参考記事:「記事1本1本に通信簿?オウンドメディアのPDCA」)。その結果、カンパネラで狙っているような読者層が増えていることも確認できました。

──「エトーリョーコの朝ごはん革命」はなんと合計102回の連載となりました。

編集長B:エトーリョーコさんのコラムは、お酒とは直接関係ありませんが、女性読者にリーチしようという意図で始めました。広報・マーケティング分野におけるご本人の知名度のおかげで、女性読者が増えました。

作っている朝ごはんが、お子さんができてからは本当に簡単に作れるシンプルなメニューになるんです。それがリアルで良かったのではないかと。実際、忙しいお母さんたちに役立つコンテンツに仕上がったと思っています。

エトーリョーコさんの連載は堂々102回で終了しました

「文化」をつくり出す役割に

──最後に、編集長お二人に、カンパネラというメディアづくりを振り返ってコメントを頂けましたら。

編集長B:お酒って、飲めば美味しさとか楽しさが分かるのですが、それをコンテンツとして伝えるのがなかなか難しかったですね。そこで、楽しい雰囲気(ナウい飲みニケーション!)や、人同士の距離が近くなる雰囲気(ミッドナイトインタビュー)が伝えられるよう、意識していました。

編集長A:お酒や食を直接伝えるメディアではないけれども、お酒や食の楽しさはきちんと伝える。その難しさは、今でもよく思い出しますね。

最初に挙げた話題の繰り返しになりますが、お酒に興味がない人にどうお酒の魅力を伝えるかというのはかなり難しいテーマでした。言ってみれば、「自分にまったく興味がない異性にどうやって振り向いてもらうのか?」を考えて実行することの難しさ(笑)。でもそれって、個人の趣味趣向が細分化している今、どんなビジネスでも求められることかもしれないなと思います。

あと、「企業や商品の魅力をストレートに訴える」のではなく、「企業や商品が提供しようとしている『社会にとっての良いことや価値』を伝える」というメディアとしての立ち位置はずっと意識していました。読者の立場から企業との協業メディアというものを見てみると、単なるその企業や商品の宣伝ツールになってしまったら、存在している意味がなくなってしまいますし。

編集長B:社会に向けてメッセージを発信しようという意図や姿勢があると、協業メディア、そして企業や商品にファンがついて、長く続けられると思います。それはきれいごとではなくて、そういう意図や姿勢が貫けないと結局、読者が離れていって長続きしないですから。

──カンパネラのコラムニストでクリエイティブ・ディレクターの関橋英作さんが、カンパネラナイトで「文化があるところにビジネスが生まれる」とおっしゃっていたのが印象的でした。

編集長B:関橋さんのおっしゃる通りで、協業メディアの役割はひとつ、そうした文化の土壌を社会につくり出すところにあるのかもしれません。

カンパネラはこれで終了してしまいますが、「お酒とコミュニケーション」という文化について、何かしらそのような役割を果たせていたとしたら嬉しいですね。

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ピルゼンアレイ