三菱UFJリサーチ&コンサルティング経営戦略部の西川秀二氏による、三菱UFJビジネススクエア「SQUET」の連載コラム『こんな部長は会社を困らせる』から、人気記事を転載する。第1回は、堅実だが、将来を見通すことが苦手な部長は困りもの。意識と行動を変えなければ、会社は立ち行かなくなる、というお話。

堅実だが、将来を見通すことが苦手な部長
写真/keatikun stock.adobe.com
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「部門の長が頼りない。このままでは我が社の将来が心配である」

 こういった相談が最近、多くの企業から寄せられています。部長とは、ビジネスパーソンのなかでも、卓越した意欲と能力を有する方のみが就ける役職です。その役割は、日常業務の管理ではなく、大局的な見地から自部門の将来構想を描く部門の経営そのものです。しかし、昨今の部長は日々の業務の処理に追われてばかりで、本来のイメージからはほど遠くなってしまいました。最初の言葉は、これらの現象を象徴しています。

 この連載では、「部長特訓スクール®」と題するセミナーに長年登壇し、企業内研修を通じて数多くの会社の部長指導に携わった私の経験をもとに、真の部長の役割について、実例を通じてわかりやすく解説します。最初のシリーズでは、全9回にわたり、私が遭遇してきた様々な「困った部長」の事例をもとに、その問題点と改善点を明確にします。続くシリーズで、企業の経営・発展を担う「ホンモノの部長」になるために必要な日々の心得について解説しますので、最後までご覧いただければ幸いです。

◆事例

 A社の若手人事部員が愚痴をこぼした。

「この会社に転職して2年たちます。前職では人事教育体系の設計や社内研修の企画などの仕事を相当こなし、この会社でその経験とスキルを生かしたいと思って入社しました。しかし、同社の人事が今、管掌しているのは、給与計算などのルーチン業務程度です。このままではやる気が出ません。実はまた転職したくなってしまいました」

 また、B社の経理部長からはこんな相談があった。

「人事部長に人員の配置や人材育成のあり方について進言をしていますが、いっこうに聞く耳をもってくれません。新規に人を採用しても、よい人材は人事や営業ばかりに回し、経理には他部門で受け手がない人ばかりを配置してくるのです。人事部長は、経理部長の私を見下しているとしか思えません」

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