三菱UFJリサーチ&コンサルティング経営戦略部の西川秀二氏による、三菱UFJビジネススクエア「SQUET」の連載コラム『こんな部長は会社を困らせる』から、人気記事を転載する。第4回は、「任せる」を口実に責任回避する部長は存在する意味がない。部長の最大の役割は、部員が仕事をしやすい環境をつくり、最大限に力を発揮させ、最大の成果を上げること、というお話。

「任せる」を口実に、責任回避する部長
写真/Yuan stock.adobe.com
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◆事例

 F社で、ある重要なプロジェクトが発足した。各部門からメンバーを1人ずつ選定しなくてはならない。プロジェクトメンバーには相当な負荷を与えるため、特に繁忙なX部門では、「なぜ忙しいときにそんなことをするんだ!」と皆が協力を拒んだ。X部門の部長は悩んだ末、課長3人を集めてこう言った。「メンバーの選定は君たちに任せるから後はよろしく」と。

 課長たちはため息をつきながらこうつぶやいた。「またいつもの“優柔不断と逃げ”が始まった」と。

 G社の営業部門では、最近、新規顧客開拓の実績が低下している。部員は元来、営業に対するモチベーションもスキルも高いため、能力の低下が原因ということは考えにくい。何人かの部員にヒアリングしたところ、意外な事実が判明した。

「新規顧客開拓に成功した際に、代理店が手数料を要求してきます。もちろん代理店の方々自身が営業をしてくださった場合に手数料を払うのは当然ですが、最近は我が社が直接営業をして開拓した案件に関しても、手数料を要求してくる代理店が出てきました。1年前に、役員のPさんが、個人的に懇意な代理店の要求をのんだのがきっかけとなり、『うちも是非』と要求してくる代理店が出てくるようになりました。

 要求をされれば手数料を払う、これを繰り返すうちに、それを聞きつけた別の代理店が『では、なぜあの取引は手数料をもらえなかったんだ』とクレームを言ってくるようになりました。部長に相談しても『うまく交渉しておいて!』の一点張り。『僕はこの部のトップセールスを行っている』といつも豪語し、昼間に会社にいることはほとんどない人ですが、こういうルールをきちんと決めることこそ本来の部長の仕事ではないのでしょうか。そんなわけで皆、新規開拓をするのが面倒になってしまったんです」

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