日本そして日本の企業は、デジタルトランスフォーメーション(DX)をいかに推進していくべきなのか──。三菱UFJリサーチ&コンサルティング専務執行役員の南雲岳彦氏が様々なデータを活用して日本におけるDXの現状を解説、今後の対応の在り方について提言していく本コラム。第1回は、DXに関する日本の世界的な立ち位置を、海外諸国とのベンチマーキングを通じて俯瞰(ふかん)していく。(DeCom編集部)

どうにも遅れたDX、何が課題か何をすればよいのか
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 この5月に国会でデジタル改革関連法案が成立し、9月にはいよいよデジタル庁が立ち上がります。そして近々、国家戦略特区の制度を活用し、様々なデジタルソリューションを同時に社会実装する「スーパーシティ」も数カ所が選定されます。また、自民党デジタル社会推進本部は、データサイエンティストや、デジタルトランスフォーメーション(DX)を担う人材である「アーキテクト」を含むデジタル人材を、2025年までに175万人育成する提言を取りまとめました。日本ではまさにこれから、デジタル化が加速しようとしています。

 しかし、この1年余りを振り返ってみると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う特別定額給付金支給時の混乱や接触確認アプリ「COCOA」のバグ、そして足元ではワクチン接種予約管理の問題と、コロナ対応などを通じて日本のデジタル化の遅れが誰に目にも明らかな状況となっています。このようなニュースが想定外に次々と飛び込んでくることに、「あれっ、日本はもっとハイテク先進国だったんじゃなかったっけ?」という疑問を抱いた人も少なくないのではないでしょうか?

 10年20年単位でもう少し以前を思い起こせば、世界で最もITが進んだ国を自認していた日本。それが今では欧米のみならず近隣諸国にも差をつけられ、今やキャッチアップする側にいます。では日本は今、欧米やアジア諸国との比較において、どのあたりにいるのでしょうか。また、なぜここまでの遅れが発生してしまったのでしょうか。そして、どうすればこの課題を解消することができるのでしょうか──。このコラムでは、様々なデータを活用して、日本そして日本企業のDXの現状を確認しつつ、今後の対応の在り方について、皆さんと考えてみたいと思います。