経済の“いま”が分かる、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのエコノミストによる徹底解説コラム。今回は2022年の米国経済の見通しについて。金融引き締めとインフレの動向がカギを握る。気になる日本経済への影響についても解説する。(D-Com編集部)

米国経済、今後の見通しは? 金融引き締めとその影響
写真/f11photo stock.adobe.com
[画像のクリックで拡大表示]

金融政策の正常化を求める機運が広がる

 2020年3月、米国でコロナ感染が急拡大し、株価が暴落するなど金融市場が大混乱に見舞われた中、米連邦準備理事会(FRB)はゼロ金利政策、量的緩和政策(QEと呼ばれるFRBによる国債などの資産購入策)の実施に踏み切った。

 その後、ワクチン接種の進展や景気対策の成立、インフレ懸念の強まりを背景に、21年春ごろから、大規模な金融緩和策を見直し、金融政策の正常化を求める機運が広がった。その道筋は次の3つの段階で進められる。

 第1に、FRBの資産購入規模を減額することである。毎月1200億ドル(約14兆円)の購入額を段階的に減額、金融緩和の程度を弱めていく。これは、徐々に小さくするという意味の「テーパリング」と呼ばれる。テーパリングが終了、すなわち量的緩和政策が終了した時点で金融政策が正常化する。

 第2に、利上げを行い金融引き締めに転換する。なお、FRBが保有する国債などの資産については、満期が到来した債券を再投資するため、資産規模は一定水準を維持する。

 第3に、国債などの保有資産について、満期が到来した債券の再投資を終了することなどで、保有資産の規模を削減する。これにより市場から資金を吸収するため、金融引き締めが強化される。量的緩和政策と反対の政策として量的引き締め政策(QT、保有資産縮小策)と呼ばれる。