経済の“いま”が分かる、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのエコノミストによる徹底解説コラム。今回はRCEPで進むアジア・オセアニア15カ国との関税引き下げについて解説。日本企業への恩恵は?(D-Com編集部)

RCEPで進む関税引き下げ、恩恵を享受するには?
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15カ国が署名、中韓とは初めてのEPA

 RCEPとは、地域的な包括的経済連携(Regional Comprehensive Economic Partnership)の略称であり、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国と日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの計15カ国が署名した経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)のことである。RCEP協定は関税引き下げのほか、サービス、投資、知的財産、電子商取引、政府調達などの分野においてルールを定めている。今後は、RCEP協定により域内の貿易・投資がいっそう活発になるとともに、ビジネス環境が改善すると考えられる。

 RCEP協定は、発効のための国内手続きを終えた日本、中国、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナムの10カ国の間で2022年1月1日に発効した。2月1日には韓国との間でも発効。3月18日にはマレーシアとの間でも発効することが決まっている。

 日本は、RCEP協定の発効により中国、韓国と初めてEPAを締結することになり、中国、韓国との間で関税引き下げが進む。特に中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、関税引き下げの効果は大きいと考えられる。

関税引き下げは段階的に実施

 RCEP協定では、日本は化学、繊維、かばんや靴などの皮革製品を中心に関税の引き下げを行う。繊維、皮革製品の輸入の多くは中国からのものであり、これらの品目で関税の引き下げが進展する。中国はプラスチック製品、自動車部品、ほたて貝、清酒、しょうゆなど、韓国は化学、プラスチック製品、清酒などで、日本から輸入する際にかかる関税を引き下げる。