経済の“いま”が分かる、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのエコノミストによる徹底解説コラム。今回は日本の景気見通しについて。国内消費には少し明るさが見えてきたが、米中両国の景気減速が今後の懸念だ。(D-Com編集部)

日本の景気回復に水をさす、米中の景気減速懸念
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国内消費が上向く一方、海外に懸念

 新型コロナ感染第6波の落ち着きで、国内消費には少し明るさが見えてきた。だが、その一方で海外発の景気下押し懸念が強まっている。中国と米国の景気減速だ。中国ではすでに経済の大幅な停滞が生じており、それがどれだけ長引くかが見通せない。米国は足元の景気は底堅いものの、今後、インフレに対処するために急速な金融引き締めを行う見通しだ。その結果、景気が急減速する可能性が高い。

中国の活動停滞が世界に波及

 まず中国については、周知のとおり、上海で3月下旬からロックダウンが続いている。市当局は6月には制限を解除すると表明しているが、他の20以上の都市でも行動制限措置が取られ、長期に及ぶ厳格な行動制限が消費、生産、物流など中国経済全体に甚大な影響を及ぼしている。3月、4月の経済指標は軒並み大幅に悪化しており、4~6月期のGDP成長率の減速は避けられないだろう。

 サプライチェーン(供給網)へのダメージも大きい。トヨタ自動車が上海のロックダウンに伴う部品調達難から、国内工場の稼働停止を発表したほか、他の自動車メーカーにも同様の影響が広がっている。また、2桁増を続けていた中国の輸入は3月と4月、前年同月比横ばいで推移し、増加ペースが落ちている。そのため、日本からの輸出にもブレーキがかかる。

 コロナ感染者数はピークアウトしており、こうした事態もいずれは正常化に向かうと思われる。だが、中国政府はゼロコロナ政策を堅持しており、当分は行動制限の悪影響が続くとみるべきだろう。