経済の“いま”が分かる、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのエコノミストによる徹底解説コラム。足元で価格が急速に下落した暗号資産。その要因と決済手段としての可能性を探ります。(D-Com編集部)

急落する仮想通貨、決済手段として本当に使えるのか?
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 暗号資産(仮想通貨)は、2019年から22年5月までの約3年間だけ見ても、約5000種類から2万種類へと増加し、時価総額も約27兆円から168兆円に激増している。

 しかし、暗号資産は一本調子に拡大してきたわけではない。09年の登場以降、マウントゴックス事件(14年)やコインチェック事件(18年)といった巨額不正流出事件が起こるたびに価格が急落している。それでも、主要資産であるビットコインを中心に拡大してきた。

 また、20年以降は新型コロナの影響で、各国政府が財政支出を拡大。各国中央銀行が低金利下で大規模金融緩和を実施したことで、カネ余りが急膨張した。その結果、こうした資金が、大半が投機目的である暗号資産市場に流れ込み、暗号資産価格が急上昇した。

 特に、20年以降、伸びが顕著なのがステーブルコインだ。ステーブルコインとは、当該暗号資産価格が安定するよう、米ドルなどを担保とした暗号資産のこと。特に、米ドル連動のステーブルコインの躍進が目立つ。