この連載では家事代行サービス・ベアーズの高橋ゆき副社長が経営者の本音に迫る。第5回の対談相手は、ハーブやアロマテラピー関連製品の製造・販売を手掛ける生活の木の重永忠社長。今、同社は「Wellness&Well-being」をキーワードにリブランディングを進めている。重永社長にその思いやコロナ禍での情報発信の在り方や社員とのコミュニケーション、今後の経営方針などを語ってもらった。

重永 忠(しげなが ただし)氏 生活の木 代表取締役社長/高橋 ゆき(たかはし ゆき)氏 ベアーズ 取締役副社長
写真/陶山 勉
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重永 忠(しげなが ただし)氏
生活の木 代表取締役社長
1961年東京都生まれ。東京経済大学卒業後、セブン・イレブン・ジャパンに入社。経済産業省中小企業大学校経営コースを経て、父が経営する陶器の製造販売会社に入社。後にハーブと出合い、新事業として拡大。94年から代表取締役社長。

高橋ゆき氏(以下、高橋) 重永社長とは長いお付き合いですね。私は生活の木のファンなのでSNS(交流サイト)もよく見ていますが、積極的な情報発信の中から、常に時代の変化に対応しようとする姿勢がうかがえて勉強になります。生活の木は、幸せを創る力、“幸創力(こうそうりょく)”の高い会社だなと思って見ています。

重永忠氏(以下、重永) ありがとうございます。実は生活の木は2019年9月にリブランディングを図りました。それまでは「ハーブとアロマテラピーの生活の木」で、ハーブとアロマを社会に浸透させ拡大させることをパーパス(目的)としていました。それを転換し、「Wellness&Well-beingの生活の木」を目指しています。ハーブやアロマを1つの手段にWellness&Well-being(心身ともに健康で幸福である状態)を実現することが、生活の木の新たなミッションです。

重永 忠(しげなが ただし)氏 生活の木 代表取締役社長
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高橋偶然ですが、私も全く同じことを考えていました。ベアーズでもお客様のWell-being、Wellnessを追求しようと構想を立て、Well-beingやWellnessを重んじる人が集まる会社をつくろうとしています。

 生活の木はどうして2019年からパーパスを変えようとしたのですか。

重永生活の木の社会的影響力をもっと強めたいと思ったのです。ハーブやアロマはどんなに普及させようとしても、市場規模はある程度限定されます。一方、WellnessやWell-beingを広げられれば、一人ひとりの心身の状態が良くなるだけでなく、社会全体の状態を良くすることができます。

 リブランディングの一環として今年、新たなステートメントをつくりました。「活きる人へ。」というものです。植物の潤いや彩りを暮らしに根付かせ、健やかに楽しく自分らしく毎日を“活きる”人をサポートしたいと考えています。

高橋「自分らしく」というのがポイントですね。少し前にディズニー映画の『アナと雪の女王』がヒットしましたが、その主題歌が『Let It Go〜ありのままで〜』でした。そこに込められたメッセージは「自分の中核、芯を見つめ直すことが大事」ということ。このメッセージは時代を先取りしていた気がします。そんなことを感じて、私は1年前にWell-beingをもっと高めた「More Well-being」をみんなで醸成していこうという話をしていました。

高橋 ゆき(たかはし ゆき)氏 ベアーズ 取締役副社長
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重永なるほど。発想が似ていますね。これまでの生活の木はモノ中心のビジネスでしたが、これからはWellness、Well-beingにかかわる情報やメソッド(方法)などのコンテンツも提供します。そのコンテンツを通して、ハーブやアロマといった商品の価値を伝え、それによってこれらが売れるというシナジー効果を生み出したいと思っています。ただ、そのように新しい時代に向けた生活の木をつくっていこうと活動を始めた頃には、1年後に新型コロナウイルスが蔓延しているとは全く思ってもいませんでした。