前例を踏襲しない「自由経営」を遂行
高橋ご自身の経営スタイルにタイトルを付けてみてください。
谷田「自由経営」といったところでしょうか。「前例なんて踏襲しなくてもいいじゃないか」というフリーなマインドがあるので。
先ほどの個人事業主化の仕組みを導入したのもその1つですね。私は取締役として株主から株式の価値を上げるという使命を受けていますが、その手法は任されています。「社員を囲い込んで会社の形にしなさい」と言われているわけではありません。究極的には個人事業主の集団であっても、タニタの価値が上がればいいわけです。ところが皆さん、会社の仕組みにこだわりますね。既存の枠を破ろうとはしません。
高橋谷田さんはフリーマインドで前人未踏のことにチャレンジしているのですね。
谷田なるべく皆さんが幸せになれるようにと考えて動いています。21年に「Healthy Habits for Happiness」を企業のスローガンに据えました。商標も取り、これから全世界的に広げていこうと考えています。
高橋今後の目標について教えてください。
谷田事業に関して今後強化していきたいのは、熱中症指数計とアルコール検知器です。これらは市場の拡大が見込めるので、きちんと手を入れていきたいと思います。
個人的には、意識改革を目標にしています。「会社は社長の器以上にはならない」と言われていますから、自分の意識改革や能力アップに取り組んでいきたいと思っています。
今回のインタビューで印象に残った谷田社長の姿が3つあります。第1は常に原点や本質に立ち戻ること、第2が枠にとらわれることのない自由なマインドを持っていること、第3に理念に共感する人が会社をつくるという世界観を持っていることです。いずれも簡単ではありませんが、谷田社長が自信を持ってこれらを追求していることに大変感銘を受けました。その姿勢に倣い、私も経営者としてこれらの方向を目指し進んでいきたいと思います。タニタには、理念に共感した個人事業主が31人、全体の15%も存在します。その事実に驚きと、タニタという会社の無限大に広がる可能性を感じました。
文・構成/小林 佳代

ベアーズ 取締役副社長
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