家事代行サービス・ベアーズの高橋ゆき副社長が経営者の本音に迫る本連載。前回に続いて対談相手は子供の職業・社会体験施設「キッザニア」を企画運営するKCJ GROUP名誉会長の住谷栄之資氏だ。世界を席巻する巨大IT企業に対抗して、日本を再生するには、グローバルリーダーと起業家の育成が必要と語る。

住谷 栄之資氏/高橋 ゆき氏
写真/陶山 勉
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住谷 栄之資(すみたに えいのすけ)氏
1943年和歌山県生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、藤田観光に入社。直島開発プロジェクトを手掛ける。69年WDIに入社。取締役として「ケンタッキーフライドチキン」「トニーローマ」「ハードロックカフェ」など多くの海外レストランを国内で展開。2003年に社長を退任。04年にKCJ GROUPの前身であるキッズシティージャパンを設立。日本でのキッザニアのライセンスを取得し06年に「キッザニア東京」、09年に「キッザニア甲子園」を開業。22年7月31日に「キッザニア福岡」の開業を予定している。22年6月15日から現職。

高橋これから「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の時代に突入します。経営者はどう考え、動くべきでしょうか。

住谷これからの企業経営者は「変化することを前提に動く」ことが絶対に必要です。これまでもこうした傾向はありましたが、今後は特に、「ひとまず様子を見る」という態度では、必ず競争に負けてしまいます。変化に対する心構えを持ち、準備を整え、決断し行動を起こす意識が今まで以上に重要になります。

住谷 栄之資氏
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 進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンは200年も前に「変化できる者だけが生き残る」と言いました。その当時に比べ科学技術は大きく進歩しています。2045年にはAIが人類の知能を超える技術的特異点(シンギュラリティ―)に達するとされています。コロナ禍とも相まって変化のスピードは一層加速するでしょう。

 環境がどのように変化するかが分からない中で動けば、勇み足になるかもしれません。でもそれを恐れてはいけない。恐れて様子見した結果が今の日本です。変化への対応に遅れ、取り残されてしまった。変わること自体に価値があると考えるべきです。

高橋住谷さんご自身が、まさにこれまで変化を恐れることなく先を読み、風を起こしてきた存在ですね。そんな住谷さんは、経営においてどんな言葉を大切にしてきたのでしょうか。

住谷「Challenge」です。固定観念や過去の前例にとらわれず、前を向いて挑戦したいと思ってきましたし、今もそう思って行動しています。できないこと、マイナスなことばかり考えていて何も得られません。前に進むことが大切だと思います。

 私自身も好奇心の赴くまま、何にでも挑戦し今にいたっています。日本の経営者は「こういうことを言ったら変に思われる」「こんなことをやって大丈夫か」と気にしがちですが、そんなことにとらわれる必要はないと思います。

高橋 ゆき氏
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