リモートワークなどの普及で働く環境が変化するとともに、社員間のコミュニケーションや若手育成の環境は大きく変化している。グローバル企業やスタートアップ企業での幹部経験を持つ唐澤俊輔氏は、「企業において事業と組織は両輪。事業にビジネスモデルがあるように、組織にも『カルチャーモデル』が必要だ」と主張する。組織文化の重要性とそのつくり方を聞いた。

唐澤 俊輔(からさわ しゅんすけ)氏 Almoha共同創業者 COO
写真/陶山 勉
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唐澤 俊輔(からさわ しゅんすけ)氏
Almoha共同創業者 COO
2005年慶応義塾大学法学部卒、日本マクドナルド入社。マーケティング部長や社長室長として業績のV字回復に貢献。その後、メルカリの執行役員、人事組織責任者、SHOWROOMのCOO(最高執行責任者)を経て、現在は、Almohaで組織開発のためのコンサルティングやシステム開発に取り組む。グロービス経営大学院客員准教授。デジタル庁で人事・組織開発に従事。著書に『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

「カルチャーモデル」の必要性を企業に説いています。組織文化とカルチャーモデルにはどのような関係があるのでしょうか。

 組織文化は、社員や従業員の日ごろの言動、行動の積み重ねによって育まれたものです。目に見えない空気のような存在ですから、多くの企業では言語化されていません。言語化されているものに社訓やビジョン、ミッションがありますが、それらが企業の目指す理想や社会像であるのに対し、組織文化は、現実のあるがままの姿ということになります。

 組織文化は自然に醸成されます。しかし、企業が成長するためには、意図的に望ましい組織文化を構築し、言語化することが大切です。例えば、誰しもが悪いことだと分かっているのに、不正会計問題は起こり得ます。こうしたことが起こる背景には、上に対してモノが言いにくい、悪い数字を上げにくい、という企業文化があります。企業において「事業=ビジネス」と、「組織=カルチャー」は両輪を成します。そして、これらを戦略的に構築、維持していくには、事業にビジネスモデルが必要であるのと同様に、組織文化にも言語化されたカルチャーモデルが必要なのです。