長期利益追求こそが企業の使命

今、SDGs(持続可能な開発目標)が多くの企業での関心事となっています。「同時代性の罠」という観点では、どのように考えればよいのでしょうか。

 SDGsの17の目標は、誰も反対しない正論です。「友情って素晴らしいものだ」と同じように誰も反対はしません。ただし、行政や政治、NPOとは違う民間の企業経営者に対しては、「もっともうけたほうがいいんじゃないですか」と言いたいですね。しかも、短期ではなく長期に利益を出すことが重要です。

 私は、民間企業にとっての最大の社会貢献は、納税であると考えます。長期に利益を出して長期に地域に貢献することが企業の使命であり、松下幸之助をはじめとした名だたる経営者は皆、長期利益を目指していました。

 これまで述べた本質の見極めとも関係してきますが、時間軸を長期で取ることによって、いろんなトレードオフがトレードオンになってくる。短期では相反する2つのことが、長期では両立する関係になってくるのです。SDGsやESG(環境・社会・ガバナンス)というのはその最たるものです。

 短期で利益を出すのなら、手荒な方法を使えばある程度達成可能です。しかし、長期利益を上げるには、環境や地域、企業ガバナンスなどへの配慮が不可欠です。また、消費者側でも使い捨てはダサいという意識が高まっており、サステナビリティは今や実需となっています。SDGsを視野に入れることが、長期的にもうかる経営を実現する近道だと思います。

楠木 建(くすのき けん)氏
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文・構成/寺島 豊

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