営業チームの育成に役立つとして話題の2冊の書籍『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』『無敗営業 チーム戦略 オンラインとリアル ハイブリッドで勝つ』。その著者である高橋浩一氏が、書籍の内容をさらに深掘りし、経験の浅い営業担当者を成長させ業績を伸ばすためのノウハウを解説する。連載第7回は、お客様に選ばれる理由をつくるための4つのスキルを紹介する。

顧客の迷いを取り去るために
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 前回の記事では、お客様が発注先を選ぶ心理と、それに合わせて選ばれる理由をつくるプロセスについて説明しました。今回は、その選ばれる理由をつくるために必要なスキルについて解説します。

 お客様に選ばれる理由をつくるには、以下の4つのスキル(力)が必要です。

・提案ロジック構築力
・質問力
・価値訴求力
・提案行動力

迷う理由を考えよう

 1つ目のスキル、提案ロジック構築力は、提案を受けたお客様がどういう思考回路で発注先を選ぶのかという観点を持ち、論理を組み立てることです。

 個人向けの営業であれば、お客様の気分や感情で衝動買いということもあります。しかし、特に法人営業では、会社の予算を使うため個人の気分や感情で発注を決めることは少ないでしょう。仮に、あったとしても、それを正当化する理由が社内では必要になります。だからこそ、お客様が意思決定するロジックを、営業提案者の視点からもつくれると、それを踏まえて交渉できるので、提案の幅も広がります。

 しかし、自社がお客様から選ばれる理由をつくるためには、自社にとってのネガティブな要素を弱めて、かつ他社の案のポジティブな要素に対抗できるようにすることが大切です。

 そのためには、お客様からの情報を収集しなければなりません。そこで求められるのが2つ目のスキル、質問力です。

 例えば、自社の提案について「価格が高いから、もっと安くしてほしい」とお客様から言われているとします。これが、もし「お客様は複数の年度にわたった投資対効果でどの提案を選ぶか考えている」という情報を収集できていたら、「単年度の予算で見ると他社より高いけれども、複数年の投資対効果で見たら逆に他社より高くはありません」と切り返せるかもしれません。

 あるいは、自社の提案に対して「長く付き合っている会社が他にあるのです」とためらうお客様に対しては、その発言の背景を考えます。

・長年の取引があり、お客様のことをよく分かってくれている安心感がある。
・付き合いが長いので、価格が安くなっている。
・お客様に合わせて柔軟にカスタマイズして合わせてくれる。

 などと、いくつかの要因が考えられます。競合をひっくり返していくには、しっかりと相手から情報収集するための質問力が大事になってきます。