3つの“枕詞”が重要に

 ここで重要になるのは、「状況を説明する枕詞」「前提を変更する枕詞」「質問理由を伝える枕詞」の3つです。

・状況を説明する枕詞
 「前にもお伺いしたかもしれませんが……」「既にご存じかとは思いますが……」「先日●●とおっしゃっていた点が気になっておりまして……」

・前提を変更する枕詞
 「もし仮に●●という点がクリアされたら……」「もし仮にわがままを全部言えるとしたら……」「●●というお立場だとお話しづらいかもしれませんが、あくまで個人的なご意見で構いませんので……」

・質問理由を伝える枕詞
 「●●の準備をさせていただくために、最初に/最後に1つだけ質問させていただいてもよろしいでしょうか」「せっかく頂いたお時間を無駄にしないために……」「私から一方的にお話ししすぎてはいけないので……」

 デリケートな質問でもこれらの枕詞を使うことによって、お客様が不快感を持つことなく、営業担当者が知りたいことをヒアリングすることができるようになります。

 今回説明した「質問力」における「つかみとアイスブレイク」と「枕詞」をマスターすることができれば、まだ関係を築けていない顧客との商談において、案件のタネを探り出しやすくなります。

 次回は、「質問力」の4ステップの(3)「深掘りする『聴く』」と(4)「具体化する『訊く』」について、さらに「質問力」を深めるためのノウハウを解説していきます。

(日経BP「日経ビジネスベーシック」連載記事を加筆・修正)

高橋 浩一(たかはし こういち)氏 TORiX 代表取締役
高橋 浩一(たかはし こういち)氏
TORiX 代表取締役
東京大学経済学部卒。外資系コンサルティング会社に勤務後、25歳のときにアルーの創業へ役員として参画。 同社の事業部長、取締役副社長として、事業起ち上げや営業の組織づくりに従事。実績も経験もない状態から、多数の一部上場企業を取引先として新規開拓。さらに、毎年新入社員を採用・育成して戦力化する仕組みをつくり上げる。創業時3人から6年で社員70人まで組織を成長させた経験を基に、現在はスタートアップ支援も行う。2011年にTORiXを設立、代表取締役に就任。これまで、50業種以上、3万人以上の営業指導に携わる。コンサルティングは年間800件、登壇は200回以上。日経ビジネス課長塾“THE営業力”でもメイン講師を務める。19年10月、コンペで8年間無敗の経験を基に『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』(日経BP)を出版 。20年の『無敗営業 チーム戦略』(日経BP)とともに、シリーズで6万部を超えるヒットとなる。最新刊は『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)。
D-Com会員登録のご案内

会員登録された方に、メールマガジンで新着記事、新連載のご案内、その他ビジネスに役立つお得な情報を無料でお送りします。会員限定記事も今後続々登場する予定です。ぜひご登録ください。
D-Com会員登録はこちら