営業チームの育成に役立つとして話題の2冊の書籍『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』『無敗営業 チーム戦略 オンラインとリアル ハイブリッドで勝つ』。その著者である高橋浩一氏が、書籍の内容をさらに深掘りし、経験の浅い営業担当者を成長させ業績を伸ばすためのノウハウを解説する。連載第9回は、「深掘り質問」と「積極的傾聴」の方法を紹介する。

カギは「深掘り質問」と「積極的傾聴」
写真/buritora stock.adobe.com
[画像のクリックで拡大表示]

 前回から、お客様に選ばれるための情報収集に欠かせない「質問力」について解説しています。前回も説明しましたが、「質問力」は、以下の4つのステップで構成されます。

「質問力」を構成する4つのステップ

(1) 土台づくり(相手に対して、質問しやすい雰囲気を整える)
(2) 切り込む「聞く」(英語では、聞く行為を広く指す「hear」に相当)
(3) 深掘りする「聴く」(英語では、注意深く耳を傾ける「listen to」に相当)
(4) 具体化する「訊く」(英語では、こちらから尋ねる「ask」に相当)

 品定め気味で警戒心の強いお客様からデリケートな事情や核心に迫る情報を聞き出すため、(1)土台づくりと(2)切り込む「聞く」によって、相手の胸襟を開き、答えやすくするための具体的な実践法を前回は紹介しました。

 今回は、次のステップである(3)深掘りする「聴く」について解説します。お客様に、さらに詳しく話していただき、情報収集するのです。ポイントは、「深掘り質問」と「積極的傾聴」です。

発言内容を正確に探る

 まず、「深掘り質問」は、大きく以下の4つに分けられます。

「深掘り質問」4つのケース

1. お客様の発言内容を明確にする質問
2. お客様の発言内容の詳細を引き出す質問
3. お客様の発言内容の背景を知る質問
4. 課題の網羅性を確認し、全体像を捉える質問

 それでは、各々の項目について詳しく見てきましょう。

1. お客様の発言内容を明確にする質問:「と、おっしゃいますと……?」
 例えば、お客様の発言「来月から製品1個当たりの単価を上げようと思います」に対し、「と、おっしゃいますと……?」と投げかけることで、お客様の真意を明らかにできます。

2. お客様の発言内容の詳細を引き出す質問:「具体的には?」
 例えば、お客様の発言「社員間のコミュニケーションに問題があって……」に対し、「具体的にはどのようなものでしょうか?」と問いかけることでお客様の悩みを聞き出せます。

3. お客様の発言内容の背景を知る質問:「なぜでしょうか?」
 例えば、お客様の発言「本当はやったほうがよいのですが、なかなか手を付けられなくて……」に対し、「それはなぜでしょうか?」と聞くことで、お客様が置かれている状況を確認できるようになります。

4. 課題の網羅性を確認し、全体像を捉える質問:「ほかにはありますか?」
 例えば、お客様が自社の課題をいくつか挙げた後に、「ほかにはございますか?」と質問してお客様自身が見落としていた問題に気付くきっかけを与えることで、俯瞰(ふかん)的に物事を見て、正しく判断できます。

 「深掘り質問」は、お客様との会話で積極的に使っていきましょう。