営業チームの育成に役立つとして話題の2冊の書籍『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』『無敗営業 チーム戦略 オンラインとリアル ハイブリッドで勝つ』。その著者である高橋浩一氏が、書籍の内容をさらに深掘りし、経験の浅い営業担当者を成長させ業績を伸ばすためのノウハウを解説する。連載第11回は、「質問力」をさらに高めて、よりよい提案を実現するための「課題発見質問」について解説する。

お客様に気づかせ、提案につなぐ
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 第8回から第10回にかけて、「質問力」を構成する4つのステップを解説しました。

「質問力」を構成する4つのステップ
(1)土台作り(相手に対して、質問しやすい雰囲気を整える)
(2)切り込む「聞く」(英語では、聞く行為を広く指す「hear」に相当)
(3)深掘りする「聴く」(英語では、注意深く耳を傾ける「listen to」に相当)
(4)具体化する「訊く」(英語では、こちらから尋ねる「ask」に相当)

 お客様の「困ったこと」や「悩み」を解決するには、情報収集が欠かせません。そのためには質問力が必要で、上の4つのステップは基本です。さらに一段上、お客様の悩みや課題を解決して信頼されるパートナーとなれば、営業はよりスムーズに進みます。そこで、今回は応用となる「課題発見質問」についてお話ししていきます。課題発見質問の目的は、お客様の課題を発見し、ともに解決する存在として、議論や対話を展開できるようになることです。

お客様の理解度を確認しつつ、話を進める

 課題発見質問は、4つの段階から成ります。

・現状を把握する質問
・悩みを深掘りする質問
・気づきを促す質問
・提案につなぐ質問

 質問力の基本で学んだ言い回しをフル活用するのですが、ポイントは「それぞれの質問をどうやってつなげていくか」にあります。

押さえておきたい「課題発見質問」の技術
押さえておきたい「課題発見質問」の技術
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 それでは、まず「現状を把握する」段階から見ていきましょう。この段階では、お客様の認識を確認する質問によって、お客様の置かれた状況や背景を把握します。質問の言い回しの例としては、

お店の活動について、いくつかお伺いしてもよろしいですか?
御社でターゲットとされるお客様像をお聞かせいただけませんか?

などです。

 ここでは、お客様が自分の話を正しく理解しているかを確認しつつ説明すること、お客様からの質問に趣旨を外さず回答できていること、また、お客様の置かれている状況について基本項目を抜け漏れなく質問できていることが大切です。お客様の反応を気にせず一方的に話したり、お客様からの質問に対して質問の意図をくみ取らずにずれた回答をしたりしないように気をつけます。

 次に「悩みを深掘りする」段階では、「実現したくてもできていないこと」を探り当て、課題を特定します。お客様が抱えている現状への不満が見え隠れする発言を逃さず、原因を追求します。課題に対してお役立ちできる根拠(事例など)を論理的に説明できることが重要です。質問の言い回しの例では、

今おっしゃった「~したい」について、もう少し詳しく伺えますか?
「~で困っている」というのは、具体的にどのようなことでしょうか?

などがあります。

 「実現したくてもできていないこと」をスルーして営業が話したいことへ強引に展開してしまったり、説明を受けている事例とお客様の悩みや課題とでつながりが不明確であったりすることのないよう、注意します。