税理士の岩松正記氏が三菱UFJビジネススクエア「SQUET」で連載しているコラム「取引したい会社、したくない会社」から、人気記事を転載する。今回は経営者の「数字力」について。2000人以上の経営者との面会を通じてある法則性が浮き彫りに。

自社の数字で理解している社長、理解していない社長
写真/pressmaster stock.adobe.com
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数字に対する意識

 私は証券会社勤務時代から通算すると2000人以上の経営者に会っていると自負しており、成功している社長には実にいろいろなパターンがあると思っています。こういうところは共通項だな、といった感じで最大公約数は見いだせても、すべての社長に当てはまる項目というのはどうにも見つけることができません。

 見つけることができれば、それが成功法則の発見ということなのでしょうが、当然のことながら会社経営は様々な要素の組み合わせであり、経営者ごと・会社ごとはもちろん、置かれた状況や時期的なものでも違いがあり、一つとして同じ結果にはなりません。結局のところ、誰にでも当てはまる「成功するための公式」などというものはないのだと思います。ある2人の起業家が全く同じ状況で同じ場所で商売を始めたとしても、1年後なり数年後に全く同じ結果を残している、などということは絶対にないと言っていいでしょう。

 しかし、あまりそう言い切ってしまうのも何なので、そのようななかでも何か成功するための法則みたいなものはないかと探してみると、おおむね、事業に成功する経営者は数字に対する意識がしっかりしているように思えます。これは、経理に詳しいとか簿記を理解しているといったことではなく、自社の数字を常に意識し、どうなっているかに関心を持っているということです。

 「そんな、自分の会社の数字に関心のない経営者なんているものか」と思う方も多いかもしれませんが、それは自分の意識が高いからそう思うのであって、数字にいいかげんな経営者というのは、実は多いのです。この世の中の企業家・経営者と言われる方からフリーランスと呼ばれる個人事業主まで含めれば、先月の自分の会社の利益をきちんと答えられるという人は少数派です。もちろん、そういう人々のために私ら税理士の存在があるとも言えるのですが、こちらがせかしても数字に関心を持ってくれない事業主は実に多く、私なども自らの指導力のなさを嘆くことがあります。

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